悲しいリボン

リボンの帯結びをしていて、小さい頃を思い出した。

いじめられっ子だった私は、目立たないように、ひっそりと生息していた。





幼稚園のお遊戯会で、女の子はみんな、白いリボンを頭に飾る事になった。
母は、真っ白なタフタのフンワリとした、とても大きくて綺麗なリボンを作ってくれた。
私は、大喜びで、それを幼稚園に持って行った。





案の定、取られた。

リボンの無い私に、先生は、
「忘れたの？」
と、ため息まじりに言って、ティッシュで作った、なんとも言えない、情け無いリボンを、私の頭に付けた。





お遊戯会が終わって、父母席で見ていた母が、私のところに飛んできた。
「リボンはどうしたの？」
口調で怒っているのがわかる。
本当の事を言えない私は、
「…あの子が忘れたから貸してあげたの…」




いつも ずっと、そんな感じだったな…
おかげで、打たれ強くなりました。





幼い頃の、ちょっとした 思い出話です。