福岡市西区の着付教室 *花楽(はなたのし)* 山内豊翠

「着物」のカッコよさを皆様にお伝え致します。YouTubeで配信する、着付けに関するお役立ち情報も紹介しています。

儚いものを 夢みる

2018年06月16日 16時37分20秒 | 着付け
着物の自論



仕事上は、今の常識に合わせて、シワ無く綺麗に着せています。



前にも書いたけど、着物は綺麗に着ているだけではダメ。
洋服のように、肉体の造形を服飾の美観に入れていない。着物は 肉体を包み隠しながら、その美感を佇まいと所作で表現する。着物の意匠は、美しい動きに支えられている。



つまり、その動きに合わせた 緩みやドレープが生じるのは当たり前。
それはヘタに着たために出来るものとは違い、必然的に出てくるので 美しい。そして、それを直そうとする所作も美しい。
見ていて綺麗だな、と思う人は、それを無意識にやっている。自分もそうありたいと思っている。

だから、自分の着方はシンプルなのが好きになってきた。その方が所作の美しさが際立つから。
(綺麗に見えるポージングも人それぞれで、一律に習っても、自然な所作の美しさにはかなわない。)
洋服のように、型が出来上がっていないので、着方によって意匠も変わる。着る時の心の在り方が出てくる。そして、脱げばおしまい。

儚いものを夢みているのかもしれない。



そう考えると、私がしている 創作帯結びなどというものは、岡倉天心の言う、「美しくも愚かしいこと」なのかもしれない。





でも、創作帯も好きだから…
ようするに、自分が着るのは シンプルが好きだけれど、他人に着せるのは、ゴージャスな凝った物が好き、ということです。
矛盾しているけれど…
仕方のないことなのです。