松島海岸を歩き、水族館に再入場。アシカショーには余裕を持って到着した。
まずはショーに登場する3頭が次々と登場。
まずは視力検査から。と、これの何が視力検査なのかというと、
穴の開いている向きに合わせて上下左右に首を振っているのだ。
内科検診……といえばいいのか、なんなのか。
訓練しているから当然と言えば当然なのだが、アシカも大人しいものだ。
次は運動テストということで、3匹揃って移動中。
ジャンプ力のテスト。
イルカのジャンプは以前浅虫水族館で見たが、アシカも結構跳べるものだ。
続いては球入れ競争。
鼻先でボールを運んで、難なくゴールに入れてしまう。
バレーボール。1匹対2匹なので平等とは言い難いが、1匹の方も意外と善戦する。
球入れとバレーボールの結果で、優勝者決定。らしい。
最後は大ジャンプ。間近で見ると、結構迫力はあるものだ。
場内からは大拍手。アシカも拍手。
最後にアシカも含めて一礼して、ショーは終了した。
そして、今回の旅の目的も、すべて終了。あとはお土産を買って帰るのみである。
仙台空港行の電車。去年来た時は美田園までの区間運転だったが、あれからすぐに全線の運転を再開。今は通常のダイヤ通りに動いている。
ただ、その仙台空港からそう遠くない亘理の線路は、草生すがままに置かれている。松島水族館の最寄の松島海岸も、東に1駅先からは不通区間になっている。どちらも津波の大きな被害を蒙った土地だ。
日常を取り戻す土地と、非日常が日常になってしまった土地。その間には何があるのだろう。あるいは、取り戻したはずの日常の中に残る非日常を、私が見落としているだけかも知れないが。
空港で牛タンの食べ納め。
この旅も、中身の濃いものだったことは間違いない。充実したものでもあった。
ただ、それ以上の感想を、私はどう表現すればいいのだろう。
被災地で見た光景は、安易に「楽しかった」という言葉を使うことを憚らせる。それが不謹慎だ、と言ってしまうのも引っかかりを感じるが、やはりためらわせるには十分過ぎるのだ。
しかし、ならば「楽しくなかった」のか?
震災で受けた精神的ダメージから立ち直ったもっちぃ駅長、南三陸にようやくやってきた球音、松島の復活を告げた水族館、何より、北海道・東北の鉄道が? だとしたら、それはそれで失礼な話ではないか?
考え出すときりがないが、そんな逡巡はひとまずアルコールで流し込み、仙台空港を後にした。
(了)
まずはショーに登場する3頭が次々と登場。
まずは視力検査から。と、これの何が視力検査なのかというと、
穴の開いている向きに合わせて上下左右に首を振っているのだ。
内科検診……といえばいいのか、なんなのか。
訓練しているから当然と言えば当然なのだが、アシカも大人しいものだ。
次は運動テストということで、3匹揃って移動中。
ジャンプ力のテスト。
イルカのジャンプは以前浅虫水族館で見たが、アシカも結構跳べるものだ。
続いては球入れ競争。
鼻先でボールを運んで、難なくゴールに入れてしまう。
バレーボール。1匹対2匹なので平等とは言い難いが、1匹の方も意外と善戦する。
球入れとバレーボールの結果で、優勝者決定。らしい。
最後は大ジャンプ。間近で見ると、結構迫力はあるものだ。
場内からは大拍手。アシカも拍手。
最後にアシカも含めて一礼して、ショーは終了した。
そして、今回の旅の目的も、すべて終了。あとはお土産を買って帰るのみである。
仙台空港行の電車。去年来た時は美田園までの区間運転だったが、あれからすぐに全線の運転を再開。今は通常のダイヤ通りに動いている。
ただ、その仙台空港からそう遠くない亘理の線路は、草生すがままに置かれている。松島水族館の最寄の松島海岸も、東に1駅先からは不通区間になっている。どちらも津波の大きな被害を蒙った土地だ。
日常を取り戻す土地と、非日常が日常になってしまった土地。その間には何があるのだろう。あるいは、取り戻したはずの日常の中に残る非日常を、私が見落としているだけかも知れないが。
空港で牛タンの食べ納め。
この旅も、中身の濃いものだったことは間違いない。充実したものでもあった。
ただ、それ以上の感想を、私はどう表現すればいいのだろう。
被災地で見た光景は、安易に「楽しかった」という言葉を使うことを憚らせる。それが不謹慎だ、と言ってしまうのも引っかかりを感じるが、やはりためらわせるには十分過ぎるのだ。
しかし、ならば「楽しくなかった」のか?
震災で受けた精神的ダメージから立ち直ったもっちぃ駅長、南三陸にようやくやってきた球音、松島の復活を告げた水族館、何より、北海道・東北の鉄道が? だとしたら、それはそれで失礼な話ではないか?
考え出すときりがないが、そんな逡巡はひとまずアルコールで流し込み、仙台空港を後にした。
(了)
(新潮社 西原理恵子・佐藤優)
「自粛にも合理的なものとそうでないものがある。
被災地の人たちが苦しんでいるのに、花見を楽しむのはケシカランという類の自粛は非合理的だ。
自粛によって経済が停滞してしまうと、結果として被災地域の復興に悪影響がある。
被災地域で生産された酒やつまみを買って、少しでも復興に役立てるという発想が必要だ。」(以下略)
だから、原点というか、出来ることの第一歩じゃないですかね。
楽しかったと感じることだったり、お金を落とすということだったり……。
自粛を強制する向きにはいい気分はしませんが、気遣いができないのもどうかと思いますし。
とはいえ、難しくても判断がつかなくても、「何か」はしないといけないので、
その場その場でできることをしていかないといけないんですよね。