昨日の夜から徹夜で昼のプレゼン用の原稿をまとめていて、もうすこしで完成するかなという時に日経の朝刊が届きました。その後何とか仕上げたのでとりあえずざっと目を通そうと思ったら、1面中央くらいに出ていた見出しが、
ホークス売却先 米コロニーが指定
ダイエーと秘密契約結ぶ
先日井口が何とも不可解な契約を盾に自由契約でメジャー挑戦を表明したところですが、今度は球団自体の密約が出てきたわけです。
さきほどNIKKEI NETにも記事の一部が配信されましたので、まずは見てみましょう。
「ダイエーが米投資ファンドのコロニー・キャピタルとの間で、コロニーが指定する企業に福岡ダイエーホークスを売却しなければならないという秘密契約を結んでいることが4日明らかになった。支援に向けて査定を進めている産業再生機構はダイエーに説明を求める方針だ。プロ野球機構が『外資による事実上の球団支配』と問題にする可能性もあり、球団の行方に影響を与えそうだ。
ダイエーは3月、コロニーに福岡市のホテルとドーム球場を売却した際に同契約を結んだ。まずコロニーがダイエーに対し球団の売却先候補を推薦し、ダイエーはプロ野球機構にそれを承認するよう働きかける。球団の譲渡価格はあらかじめ50億円と決められている。それ以外に球団の新オーナーは年間約30億円を広告宣伝費として負担する。初年度の新オーナーの負担額は合計80億円にものぼる。」
と、ここまでがウェブで配信された記事ですが、紙面ではさらに続きます。
「秘密契約が明るみに出た場合各球団から『外資の球団所有を禁じた野球協約に違反する』と指摘されかねない。最悪の場合、プロ野球への参加資格をはく奪する可能性もあり、ソフトバンクなどの買収構想が振り出しに戻る。一方、再生機構は『球団売却はスポンサー企業の意向を踏まえて判断する』としており、プロ野球機構が問題にした場合には、両者が協議するとみられる。」
ダイエー問題ではたびたび「外資の球団所有を禁じた野球協約」という言葉が出てきます。
実際野球協約を見て見ますと、第28条に「この協約(ジョーンズ注:野球協約)により要求される発行済み資本の内、日本に国籍を有しないものの持ち株総計は資本総額の49%を超えてはならない」という文言がありますので、これが問題になるということでしょう。
協約の文書のみから判断すれば、株式会社福岡ダイエーホークスは資本総額の98%をダイエーが保有していますから、何ら問題はないわけです。
ですが、ホークスは福岡ドームを所有するアメリカの投資会社コロニー・キャピタル社に興行権を完全に渡しており、チケットや年間予約席の販売、さらに広告看板の収入までもコロニー側が受け取ることになっているのです。
この上球団売却先の決定までコロニーが握っていたとなりますと、下手をすれば実質的な協約違反ということになり、日経の記事にあるようにNPBへの参加資格の喪失という可能性も否定できません。それでなくても、球団数を減らしたくてウズウズしている人はいるわけです。
しかし、コロニーとの契約が野球協約に照らして問題なしとなれば話は変わってきます。既に買収を表明しているソフトバンクとコロニーとの間で球団株の一部譲渡について調整が進んでいると言う報道が流れていますが、これならダイエーにとっても悪くない話だと思われます。
というのは、こちらの記事にもあります通り、ホークスへの出資比率が50%を割ると球団はダイエーの連結グループから外れ、球団の赤字はダイエーの連結決算には計上されなくなります。
それだけでなく、仮に「ダイエー」の名前も外れたとしても「ダイエーホークス」のイメージが残るわけですから、これまで通り何かの折には堂々とセールをしても問題なさそうです。
ただし、コロニーとの契約については産業再生機構が調査を開始しており、再生機構からクレームをつけられる可能性もあるのですが…
結局のところ、ホークスを巡っては利害の異なるプレーヤーが数多く絡んでおり、この先どうなるかは私自身見当がつきません。
ですが、現時点でいえることは、楽天で終わったように見えた悪夢が、ダイエーから甦るかも知れないということです。皆さまも、ゆめゆめ油断なされぬよう。
ホークス売却先 米コロニーが指定
ダイエーと秘密契約結ぶ
先日井口が何とも不可解な契約を盾に自由契約でメジャー挑戦を表明したところですが、今度は球団自体の密約が出てきたわけです。
さきほどNIKKEI NETにも記事の一部が配信されましたので、まずは見てみましょう。
「ダイエーが米投資ファンドのコロニー・キャピタルとの間で、コロニーが指定する企業に福岡ダイエーホークスを売却しなければならないという秘密契約を結んでいることが4日明らかになった。支援に向けて査定を進めている産業再生機構はダイエーに説明を求める方針だ。プロ野球機構が『外資による事実上の球団支配』と問題にする可能性もあり、球団の行方に影響を与えそうだ。
ダイエーは3月、コロニーに福岡市のホテルとドーム球場を売却した際に同契約を結んだ。まずコロニーがダイエーに対し球団の売却先候補を推薦し、ダイエーはプロ野球機構にそれを承認するよう働きかける。球団の譲渡価格はあらかじめ50億円と決められている。それ以外に球団の新オーナーは年間約30億円を広告宣伝費として負担する。初年度の新オーナーの負担額は合計80億円にものぼる。」
と、ここまでがウェブで配信された記事ですが、紙面ではさらに続きます。
「秘密契約が明るみに出た場合各球団から『外資の球団所有を禁じた野球協約に違反する』と指摘されかねない。最悪の場合、プロ野球への参加資格をはく奪する可能性もあり、ソフトバンクなどの買収構想が振り出しに戻る。一方、再生機構は『球団売却はスポンサー企業の意向を踏まえて判断する』としており、プロ野球機構が問題にした場合には、両者が協議するとみられる。」
ダイエー問題ではたびたび「外資の球団所有を禁じた野球協約」という言葉が出てきます。
実際野球協約を見て見ますと、第28条に「この協約(ジョーンズ注:野球協約)により要求される発行済み資本の内、日本に国籍を有しないものの持ち株総計は資本総額の49%を超えてはならない」という文言がありますので、これが問題になるということでしょう。
協約の文書のみから判断すれば、株式会社福岡ダイエーホークスは資本総額の98%をダイエーが保有していますから、何ら問題はないわけです。
ですが、ホークスは福岡ドームを所有するアメリカの投資会社コロニー・キャピタル社に興行権を完全に渡しており、チケットや年間予約席の販売、さらに広告看板の収入までもコロニー側が受け取ることになっているのです。
この上球団売却先の決定までコロニーが握っていたとなりますと、下手をすれば実質的な協約違反ということになり、日経の記事にあるようにNPBへの参加資格の喪失という可能性も否定できません。それでなくても、球団数を減らしたくてウズウズしている人はいるわけです。
しかし、コロニーとの契約が野球協約に照らして問題なしとなれば話は変わってきます。既に買収を表明しているソフトバンクとコロニーとの間で球団株の一部譲渡について調整が進んでいると言う報道が流れていますが、これならダイエーにとっても悪くない話だと思われます。
というのは、こちらの記事にもあります通り、ホークスへの出資比率が50%を割ると球団はダイエーの連結グループから外れ、球団の赤字はダイエーの連結決算には計上されなくなります。
それだけでなく、仮に「ダイエー」の名前も外れたとしても「ダイエーホークス」のイメージが残るわけですから、これまで通り何かの折には堂々とセールをしても問題なさそうです。
ただし、コロニーとの契約については産業再生機構が調査を開始しており、再生機構からクレームをつけられる可能性もあるのですが…
結局のところ、ホークスを巡っては利害の異なるプレーヤーが数多く絡んでおり、この先どうなるかは私自身見当がつきません。
ですが、現時点でいえることは、楽天で終わったように見えた悪夢が、ダイエーから甦るかも知れないということです。皆さまも、ゆめゆめ油断なされぬよう。
と書いたところで、相撲は外人さんを力士にさせるだけさせておいて、親方にはさせないというややこしさ。
プロ野球界の外資参入防止とあわせ、変な話です。
どちらも文部科学省の認可財団(のはず)です。それでいいのでしょうか。
さて、個人的に密かに希望していたストーリーは、近鉄をマイクロソフトが100%株引き受けを希望することでした。彼がその気になれば、個人的に簡単に作れる金額です。
まさかビルゲイツのことをナベツネが「僕の知らないヒト」とは言わないでしょう(そんなこと言ったら大恥赤っ恥)。
ビルゲイツが「どうして外資は駄目なのだ。合理的な説明をせよ。返事がないならワードエクセルは来月から一切日本で売らない、サポートデスクは英語のみにする(ここは冗談)」と言えば、重い扉が開かれただろうと。
マリナーズも任天堂社長が筆頭オーナー(100%所有は規則で出来ないそうです)なのに、了見狭いねえ。
しかし、外資だから全てダメというのも通らない話でしょう。極端な話、無能な内国資本によって球界が衰退するのと、外資を導入して発展するのとどちらを選ぶかといわれれば、私なら迷わず後者を選びます。
>近鉄をマイクロソフトが100%株引き受けを希望することでした。彼がその気になれば、個人的に簡単に作れる金額です。
ビル・ゲイツが小遣いを少し節約すれば簡単に買収できそうですね。
ナベツネが反発するかも知れませんが、逆に「私の知らない人にとやかく言われたくない」と言われたりして(笑)