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■ FA資格 現行9年から最短7年で合意(スポニチ・2008年6月26日)
タイトルに書きましたが、この件に関しては良いとも悪いとも思いません。ただ、この辺が落としどころなのだろうなと。
FA期間の大幅な短縮を求める選手側と、反対するNPB側。
放っておいたら何も動かないまま対立が深まるわけで、この辺で互いが受け入れ可能な妥協案で手を打つのは賢明なことです。
……と書いたのですが、選手会側が言うには妥協案に合意したのではないそうで。
■ 本日(6月25日)選手関係委員会が行われました。(日本プロ野球選手会公式ホームページ・2008年6月26日)
納得はしないが今後の修正に期待する、というスタンスは分からないではありません。
が、どーもこういう物言いには引っかかりを感じるんですよね。そもそも、記者会見で「全部が思い通りとは思っていない」と言った宮本選手会長の発言から、いささかゲンナリさせられてはいます。
こういう交渉事で言い分が100%通るわけはありません。譲歩する部分は譲歩しつつ、互いに(!)受け入れ可能な合意を探るのが交渉です。
自分の主張がすべて通らないと気に入らないというのは、単にゴネたり駄々をこねているというレベルの話です。
単なる物言いの問題だとは思う(思いたい)んですが、それにしてもあまりレベルがよろしくないという印象は否めませんでした。
それはさておき、今回の合意(選手会側には文句があるかも知れませんが、実質的にはこれは「合意」です)でFA期間はある程度短縮され、保障金も減額されます。
となると、すでにセで進みつつある戦力不均衡がさらに加速するのではないか、そういう懸念が大きくなるのは理解できます。実際、その可能性があるとは私も思いますし。
ただ、果たして事はそう単純なのでしょうか。もちろん、各球団が無為に過ごせば戦力差は開く一方でしょうが(って、FAがなくてもそうですが)、むしろやりようでは逆の展開もあり得る、と私は考えています。
まず、今回の合意を見る限り、野球協約で定められた「FA選手獲得は1球団2名まで」という規定は撤廃も緩和もされていません。
なので、FA選手の供給は増えても、需要側の歯止めは残ったままということになります。いかに資金力の豊富な球団であれ、FA選手をさらって回るというわけにはいかないのです。
(もっとも、MLBには制限がないまま、というのもこれまた事実なのですが……)
また、単純に考えれば、FA選手の「価格」は下がると予想するのが自然です。供給が増えて、需要はそのままなのですから。
どの球団にとっても魅力的な、限られた一流どころ選手は例外でしょうが、だとすると、それ以外の選手の「価格」は、短縮前よりもむしろ大幅に下落すると考えられます。
どこかで値段が高いままなら、別のところで帳尻が合わせられる、ということです。
だとすると、FAの短縮はこれまで資金的な理由からFA選手獲得に乗り気でなかった球団にも、FA戦線に参入する道を開くことにつながります。
今まで選手を取られる一方だった球団でも、うまくやれば必要な戦力をFAで獲得できるようになる(もっとも、うまくやれるかどうかは球団の努力次第ですが)。
「移籍の活性化」というFAの建前……ゲフンゲフン、主旨の1つから言えば、これはあながち間違ったことではないと思われます。
平たく言えば、広島がFA選手を獲得してもおかしくなくなったということです。カープの鈴木球団本部長が新たな芸風を開拓するのに期待です。
一方で、選手側はFA期間短縮で喜んでいるかも知れませんが、これまで見てきたように、彼らにとってFA短縮が必ずしも吉と出るという保証はありません。
むしろ、これからは連絡無大幅増加の可能性も十分あるわけです。権利を使うのは選手の自由ですが、その結果が良かろうが悪かろうが、結果を負うのも選手自身です。
またFAされるよりはと、球団側がポスティングに積極的になってもおかしくはありません。自身の思いにかかわらず、球団からポスティングをやたら勧められる選手も出てくることでしょう。
そう考えると、新たにFA資格を獲得する選手が増えたとして、それが選手にとっていいことずくめではない、ということは考えておくべきでしょう。
とすると、今後どうなるのか? 何が起きるのか?
予想するのは難しいのですが、ある意味で試金石になるかも知れないのが、今年FAを獲得した(短縮が決まる以前に獲得していたわけですが)イーグルス高波選手です。
「高波ってダレ?」という方もおられることでしょう。彼は阪神→西武→東北楽天と渡っていますが、どこでも代走がメインで、華々しいイメージはありませんし。
ですが、いや、だからこそ、高波のような選手がFAを獲得し、それをどう使うか、また結果がどう出るかが、FA権の対象が大幅に増える今後を占う上でカギになるように思われます。
もちろん、FA権を封印するという選択肢もありますが(むしろその可能性が一番高いでしょうが)、それならそれで、FA権を持った選手が増えても大した違いは生じない、という予想の根拠にはなります。
当ブログは高波選手の選択に注目しています。ってか、本人がFA権を取ったことを知らなかったってオチもありそうですが。
ちなみに、個人的にはFA権取得期間短縮よりも、再FAの権利を取った選手の動向が気になります。具体的には稲葉がそうです。残留かメジャーかどっちかだとは思いますが。
タイトルに書きましたが、この件に関しては良いとも悪いとも思いません。ただ、この辺が落としどころなのだろうなと。
FA期間の大幅な短縮を求める選手側と、反対するNPB側。
放っておいたら何も動かないまま対立が深まるわけで、この辺で互いが受け入れ可能な妥協案で手を打つのは賢明なことです。
……と書いたのですが、選手会側が言うには妥協案に合意したのではないそうで。
■ 本日(6月25日)選手関係委員会が行われました。(日本プロ野球選手会公式ホームページ・2008年6月26日)
納得はしないが今後の修正に期待する、というスタンスは分からないではありません。
が、どーもこういう物言いには引っかかりを感じるんですよね。そもそも、記者会見で「全部が思い通りとは思っていない」と言った宮本選手会長の発言から、いささかゲンナリさせられてはいます。
こういう交渉事で言い分が100%通るわけはありません。譲歩する部分は譲歩しつつ、互いに(!)受け入れ可能な合意を探るのが交渉です。
自分の主張がすべて通らないと気に入らないというのは、単にゴネたり駄々をこねているというレベルの話です。
単なる物言いの問題だとは思う(思いたい)んですが、それにしてもあまりレベルがよろしくないという印象は否めませんでした。
それはさておき、今回の合意(選手会側には文句があるかも知れませんが、実質的にはこれは「合意」です)でFA期間はある程度短縮され、保障金も減額されます。
となると、すでにセで進みつつある戦力不均衡がさらに加速するのではないか、そういう懸念が大きくなるのは理解できます。実際、その可能性があるとは私も思いますし。
ただ、果たして事はそう単純なのでしょうか。もちろん、各球団が無為に過ごせば戦力差は開く一方でしょうが(って、FAがなくてもそうですが)、むしろやりようでは逆の展開もあり得る、と私は考えています。
まず、今回の合意を見る限り、野球協約で定められた「FA選手獲得は1球団2名まで」という規定は撤廃も緩和もされていません。
なので、FA選手の供給は増えても、需要側の歯止めは残ったままということになります。いかに資金力の豊富な球団であれ、FA選手をさらって回るというわけにはいかないのです。
(もっとも、MLBには制限がないまま、というのもこれまた事実なのですが……)
また、単純に考えれば、FA選手の「価格」は下がると予想するのが自然です。供給が増えて、需要はそのままなのですから。
どの球団にとっても魅力的な、限られた一流どころ選手は例外でしょうが、だとすると、それ以外の選手の「価格」は、短縮前よりもむしろ大幅に下落すると考えられます。
どこかで値段が高いままなら、別のところで帳尻が合わせられる、ということです。
だとすると、FAの短縮はこれまで資金的な理由からFA選手獲得に乗り気でなかった球団にも、FA戦線に参入する道を開くことにつながります。
今まで選手を取られる一方だった球団でも、うまくやれば必要な戦力をFAで獲得できるようになる(もっとも、うまくやれるかどうかは球団の努力次第ですが)。
「移籍の活性化」というFAの建前……ゲフンゲフン、主旨の1つから言えば、これはあながち間違ったことではないと思われます。
平たく言えば、広島がFA選手を獲得してもおかしくなくなったということです。カープの鈴木球団本部長が新たな芸風を開拓するのに期待です。
一方で、選手側はFA期間短縮で喜んでいるかも知れませんが、これまで見てきたように、彼らにとってFA短縮が必ずしも吉と出るという保証はありません。
むしろ、これからは連絡無大幅増加の可能性も十分あるわけです。権利を使うのは選手の自由ですが、その結果が良かろうが悪かろうが、結果を負うのも選手自身です。
またFAされるよりはと、球団側がポスティングに積極的になってもおかしくはありません。自身の思いにかかわらず、球団からポスティングをやたら勧められる選手も出てくることでしょう。
そう考えると、新たにFA資格を獲得する選手が増えたとして、それが選手にとっていいことずくめではない、ということは考えておくべきでしょう。
とすると、今後どうなるのか? 何が起きるのか?
予想するのは難しいのですが、ある意味で試金石になるかも知れないのが、今年FAを獲得した(短縮が決まる以前に獲得していたわけですが)イーグルス高波選手です。
「高波ってダレ?」という方もおられることでしょう。彼は阪神→西武→東北楽天と渡っていますが、どこでも代走がメインで、華々しいイメージはありませんし。
ですが、いや、だからこそ、高波のような選手がFAを獲得し、それをどう使うか、また結果がどう出るかが、FA権の対象が大幅に増える今後を占う上でカギになるように思われます。
もちろん、FA権を封印するという選択肢もありますが(むしろその可能性が一番高いでしょうが)、それならそれで、FA権を持った選手が増えても大した違いは生じない、という予想の根拠にはなります。
当ブログは高波選手の選択に注目しています。ってか、本人がFA権を取ったことを知らなかったってオチもありそうですが。
ちなみに、個人的にはFA権取得期間短縮よりも、再FAの権利を取った選手の動向が気になります。具体的には稲葉がそうです。残留かメジャーかどっちかだとは思いますが。
「これでひとまずFA問題は決着」と受け取られ報じられることを恐れたんだろうけど、見方によっては会長が組織をまとめきれてないようにも見える。
そこを突かれると今後の交渉で苦労するかもよ。
実際、決定自体は2年後に見直しがあるわけで、そこを宮本も強調してますし。
選手会からすれば、これが決着ではないとハッキリさせておくのは大事でしょう。
にしても、もうちょっと言い方はないのかな、という気もするんですけどね。
選手会にとって幸いなことは、個々の選手から批判が表立って出てないことでしょうか。
選手がメディアに向けて選手会批判をしたら、それこそ内紛だの何だのと言われますし。
ただ、選手会側が異論を唱えているポスティングを希望する選手が後を絶たない辺り、
経営側からすればつけ入るスキはありそうです。
カープはそれでも厳しいんじゃないでしょうか?
と言いますのも他球団でレギュラー当落線上の選手でさえ
カープの年俸基準からすると非常に高い年俸を払わなければならなくなりますから。
前田(1億7000万)を除く日本人最高年俸が確か永川の8000万だったかな?
栗原も高橋信二より推定額は低いですから。赤松に至っては洋平より安い・・・
減俸覚悟でカープに来てくれる選手がいるならまだいいのですけどね・・・
赤松の年俸は推定960万、洋平は同じく1,000万でした。
確かに栗原と赤松の方が安いは安いんですが、赤松の場合洋平との年俸差は4%、
栗原に関しては信二との差が1.5%、この差をどう見るかは難しい話ですね。
それに、査定では選手の実績に加えてチームの成績(中長期的なものも含め)も考慮されるわけで、
その点を念頭に置いておく必要もありますし。
特に赤松の場合、今年の年俸は阪神在籍時の交渉で決まってるはずですし、
(って、間違ってたら済みません……)
だとすると、カープの年俸査定の話とはちょっと違ってくるとは思います。
で、実際に今年オフに入ったとして、いろんな可能性が考えられるわけですが、
その1つとして、「FA宣言選手が増加→連絡無増加」というのがあります。
選手の供給が増えても需要の制約はある程度残るわけで、
特にB・Cクラス選手が下手に宣言すると、かえって所属球団無しの憂き目に遭いそうな。
なので、言葉は悪いんですが、そこをうまく買い叩くという戦略は考えるべきでしょう。
もっとも、結局FA宣言する選手が増えず、何も変わらないという可能性も十分ありますが……
あとFA選手獲得とドラフト(上位)指名権の交換まで踏み込んで欲しいですね。選手会にとっては面白くないかもしれません~高額FA選手を獲得できる“裕福な”球団にとっても面白くないので実現性は相当低いです;~が、大型新人はドラフトで四の五の言わずFA選手を供出した球団に入って、空いたポジションを埋め5~6年みっちり働いて評価を上げ、FAで好きなところへ行く……というサイクルを確立してもらいたいものです。
一番のポイントはここなんですよね。
国内だけで制度をいくらいじっても、効果は限定的なものしかありませんし。
MLBの「ただ獲り」がなくならない限り、FA期間の大幅短縮には疑問が残りますし、
制度改正が日本のプロ野球にとって利益になるとは思えません。
>FA選手獲得とドラフト(上位)指名権の交換
確かに、実現するかと言われると難しい感じがしますよね。
指名拒否選手が増加した場合どうするか、という問題も出てきそうですし。
(もっとも、育成枠を含めて指名人数を増やすことで、
ある程度は解決できそうですが)