今季のアジアシリーズはご存知の通り、オーストラリア代表キャンベラ・キャバルリーが優勝。
失礼ながら、予選敗退もあり得ると思ったチームでしたが、火がついたら止まらない打線の勢いで頂点まで登り詰めました。まずは、おめでとうございます!
オーストラリア代表に関しては、むしろオセアニアじゃないかという見方も当然あり得るのですが、サッカー代表はアジアに転籍して久しいですし、その辺は気にすることではないでしょう。
むしろ、今回はキャンベラに加えてボローニャまで参戦したことで、アジア4団体から始まったこのシリーズの新たな広がりを実感できた大会ということで、肯定的に評価すべきではと思っています。
その一方で、これまで地域をリードしてきたNPB・KBO・CPBLのチームがいずれも優勝できなかったというのも、事実として受け止めなければいけません。
とくに、NPB代表が決勝にも進めなかったというのは、冷静に考えるとかえって衝撃的です。むしろWBCの準決勝敗退より厄介と言うべきかも知れません。
この点に関しては、イーグルスがベストメンバーを揃えなかったとか、若手主体の編成とかで、批判が挙がっているようです。
このような批判は、半分は当たっていると思います。レギュラーシーズン、日本国内でのポストシーズンと比較すれば、アジアシリーズのメンバーの「格落ち」感は否めません。
そして、2011年にホークスが決勝でサムスン・ライオンズに敗れたことで、NPB代表でも負けることがあるのは証明されていたはずです。にもかかわらず、という批判はあり得るでしょう。
ただ、イーグルスにも言い分はあります。現実としてベストメンバーは組めたのか?というと、おそらく不可能だったからです。
例えば、台湾から出場を熱望されていた田中ですが、ポストシーズンの過酷な起用を考えれば、台湾のファンには本当に申し訳ないながら、彼の体調や将来を考えて起用しなかったので正解です。
他の投手陣で言えば、美馬もひじに違和感を抱えているようですし、打線で言えばAJ、マギーは帰国したあとです。この辺は契約もあるのでしょう。
ここで出てこなかった主力選手(例えば則本)を出せば、もちろんメンバーの「格」を上げることは可能です。ですが、それとてベストにはならない。日本シリーズが終わった段階で、もはや不可能だったのです。
それに、過去のアジアシリーズ出場チームとて、胸を張って「これが今シーズンのベストだ」と言えるメンバーをどれほど出せたことか。
2006年のファイターズだって、スタメンデータベースで見ると割合マシとは思いましたが、それでもSHINJOもセギもいません(セギに関しては別の事情があるんですが)。
ですから、イーグルスは過去のNPB代表の中で、特別にヘンなことをしたわけではありません。程度の差はあるかも知れませんが、同じようにメンバーを落とし、そして負けたわけです。
ということは、真に責められるべきはイーグルスではありません。少なくとも、イーグルス「だけ」ではありません。
むしろ、これまでアジアシリーズを重視してきたとは言い難いNPBや、12球団が、今回の結果を厳しいものとして受け止めるべきなのです。
加えて、アジアシリーズを「罰ゲーム」などと呼んできたNPBのファンも、文字通り罰が当たったと考えるべきでしょう。このシリーズを甘く見られる時期は終わったのです。
では、どうすべきか?書くのは非常に簡単で、アジアシリーズを見据えた選手起用、これに尽きます。
むろん、アジア1になるための戦力整備・補強ができれば理想です。しかし、それが十分にできるチームは限られるでしょう。
となれば、現実の戦力をどう使うのか、どう配分するのか、それを考える時に、「アジアシリーズまで戦って優勝する」という目標を重視することが肝要になります。
それこそ、日本シリーズでの田中の起用を考える時に、ベンチが「アジアシリーズもあるから」と思えるかどうか。
ファンで言えば、田中の起用について批判する時に、MLBへの移籍を持ち出すのではなくて、アジアシリーズで苦戦するであろうことを挙げる人がどれだけ出てくるか(それ以前に本人の将来を危惧すべきではありますが)。
ここで書くほど簡単なことではないとは理解していますが、それでもアジア各国リーグの差が縮まっていることが明らかな以上、その事実にどう向き合うか、NPBが考えるべき時が来たとは思うのです。
失礼ながら、予選敗退もあり得ると思ったチームでしたが、火がついたら止まらない打線の勢いで頂点まで登り詰めました。まずは、おめでとうございます!
オーストラリア代表に関しては、むしろオセアニアじゃないかという見方も当然あり得るのですが、サッカー代表はアジアに転籍して久しいですし、その辺は気にすることではないでしょう。
むしろ、今回はキャンベラに加えてボローニャまで参戦したことで、アジア4団体から始まったこのシリーズの新たな広がりを実感できた大会ということで、肯定的に評価すべきではと思っています。
その一方で、これまで地域をリードしてきたNPB・KBO・CPBLのチームがいずれも優勝できなかったというのも、事実として受け止めなければいけません。
とくに、NPB代表が決勝にも進めなかったというのは、冷静に考えるとかえって衝撃的です。むしろWBCの準決勝敗退より厄介と言うべきかも知れません。
この点に関しては、イーグルスがベストメンバーを揃えなかったとか、若手主体の編成とかで、批判が挙がっているようです。
このような批判は、半分は当たっていると思います。レギュラーシーズン、日本国内でのポストシーズンと比較すれば、アジアシリーズのメンバーの「格落ち」感は否めません。
そして、2011年にホークスが決勝でサムスン・ライオンズに敗れたことで、NPB代表でも負けることがあるのは証明されていたはずです。にもかかわらず、という批判はあり得るでしょう。
ただ、イーグルスにも言い分はあります。現実としてベストメンバーは組めたのか?というと、おそらく不可能だったからです。
例えば、台湾から出場を熱望されていた田中ですが、ポストシーズンの過酷な起用を考えれば、台湾のファンには本当に申し訳ないながら、彼の体調や将来を考えて起用しなかったので正解です。
他の投手陣で言えば、美馬もひじに違和感を抱えているようですし、打線で言えばAJ、マギーは帰国したあとです。この辺は契約もあるのでしょう。
ここで出てこなかった主力選手(例えば則本)を出せば、もちろんメンバーの「格」を上げることは可能です。ですが、それとてベストにはならない。日本シリーズが終わった段階で、もはや不可能だったのです。
それに、過去のアジアシリーズ出場チームとて、胸を張って「これが今シーズンのベストだ」と言えるメンバーをどれほど出せたことか。
2006年のファイターズだって、スタメンデータベースで見ると割合マシとは思いましたが、それでもSHINJOもセギもいません(セギに関しては別の事情があるんですが)。
ですから、イーグルスは過去のNPB代表の中で、特別にヘンなことをしたわけではありません。程度の差はあるかも知れませんが、同じようにメンバーを落とし、そして負けたわけです。
ということは、真に責められるべきはイーグルスではありません。少なくとも、イーグルス「だけ」ではありません。
むしろ、これまでアジアシリーズを重視してきたとは言い難いNPBや、12球団が、今回の結果を厳しいものとして受け止めるべきなのです。
加えて、アジアシリーズを「罰ゲーム」などと呼んできたNPBのファンも、文字通り罰が当たったと考えるべきでしょう。このシリーズを甘く見られる時期は終わったのです。
では、どうすべきか?書くのは非常に簡単で、アジアシリーズを見据えた選手起用、これに尽きます。
むろん、アジア1になるための戦力整備・補強ができれば理想です。しかし、それが十分にできるチームは限られるでしょう。
となれば、現実の戦力をどう使うのか、どう配分するのか、それを考える時に、「アジアシリーズまで戦って優勝する」という目標を重視することが肝要になります。
それこそ、日本シリーズでの田中の起用を考える時に、ベンチが「アジアシリーズもあるから」と思えるかどうか。
ファンで言えば、田中の起用について批判する時に、MLBへの移籍を持ち出すのではなくて、アジアシリーズで苦戦するであろうことを挙げる人がどれだけ出てくるか(それ以前に本人の将来を危惧すべきではありますが)。
ここで書くほど簡単なことではないとは理解していますが、それでもアジア各国リーグの差が縮まっていることが明らかな以上、その事実にどう向き合うか、NPBが考えるべき時が来たとは思うのです。
ただ、初めてNPB代表が決勝戦で負けた2011年の場合、先発の岩嵜が予選で一度投げた後(2回しか投げていないとはいえ)中一日で決勝戦で投げて負け投手というのは、起用法に疑問を抱かざるをえませんでした。
今年のイーグルスに関して言えば、正直なところ、田中・AJ・マギーがいなければ優勝どころかAクラス入りもできたのかわかりません。ましてや日本シリーズも第7戦までもつれた状態で「その先を見据えた選手起用」を願うことはできても求めることは厳しかったのではないでしょうか。
逆にそれ以外の年のアジアシリーズについては、スタメンデータベースやアジアシリーズ公式HPを見る限りにおいてですが、外国人選手も含めて、おおむね主力中心で戦っていたように見えます。打者について主力が数人かけていた年でもその分投手が盤石の布陣だったように思います(2006年のハムは決勝でダルビッシュが投げていましたね)
NPBがアジアシリーズ出場チームにどのくらい期待をしているかを読み解くことはできませんが、「出場するんだから優勝してこい」だけではただプレッシャーになるだけですね。
長文失礼しました
この辺は、言われてみると確かに難しいところです。
私自身は後者の立場ですが、さりとて2005年のマリーンズ辺りはガチだと思いますし。
で、今年のイーグルスについては、日本シリーズ第7戦をどう見るかという、
これまた判断が分かれる上「たら・れば」になってしまう要素が入っていて厄介です。
結果として則本・田中を投入して勝ったのはご存知の通りですが、
はたしてそうしなければいけなかったのか、というのが難しい。
8, 9回時点で大差がついていたら、投手起用に批判は避けられないでしょうし、
1, 2点差なら「一番いい投手」を使うのは無理からぬことです。
ただ、これが3点差(4点差だったとしてもそうでしょうが)という微妙なところで、
おそらく万人を納得させる結論は出ないでしょう。
私自身、田中の将来であったり、アジアシリーズを考慮すれば、
違う選択もあり得たと考えるのは本文の通りですが、
それで逆転されたら元も子もないわけですし。
ただ、ここまで本文の問題もあって、イーグルスの話だけになってしまったのですが、
>NPBがアジアシリーズ出場チームにどのくらい期待をしているか
これが読み解くことができないのが、一番厄介なんです。
今や5団体が集まる国際大会でありながら、NPBとしての位置づけが見えず、
見方によっては出場チーム任せになってる感すらある。
本来は、このエントリでもこの辺をもう少し突っ込むべきだったのが、
そうできなかったのは率直に言って反省点ですが、
ともあれ今後に向けて問われる点であることだけは確かだと思います。
同じことを繰り返すのが、NPBや日本の野球にとって良いこととは思えませんからね。
「負けられないプレッシャー」というお言葉がありましたが、
加えていうなら、負けないためのサポートと言えばいいのか何なのか、
ともあれ出場チームを放ったらかしにしないためにはどうするか、考えたいところです。
それも含めて野球だと思います。
だから、イーグルスが勝てなかったことは、仕方ないというか、それはそれで一つの結果です。
(まず、相手投手を打てなければ、点が取れない。
それを打つのが選手の仕事ではありますが、10割バッターというのは存在しないわけで…。)
ここは、小林至氏の言葉を借ります。
「野球は、(中略)力の差があっても、ときには弱者の側に勝利の女神が微笑むスポーツなのだ。
力の差が9対1でも10回やれば1回勝てる可能性があるのだ。(後略)」
韓国、台湾、オーストラリアの選手もトップレベルの選手になれば
日本の1.5軍~2軍クラスの選手を(投打とも)ねじ伏せることはできますし、
WBCの予選のように、李承の一発で試合が終わってしまうこともあるわけで、
選手個々の実力とチーム(球界)全体の実力は、必ずしもイコールにならないのだと思います。
「負けるなら、せめて決勝で負けてくれ」という声が挙がるのも分かりますが、難しいところですね。
大仰な言い方を承知で言えば、ファンにとっては「野球そのもの」をどう見るのかを
問われるのがアジアシリーズかもしれません。
>ベストメンバー
ベテラン選手の疲労や、外国人選手の契約条件などで出場選手に変化がある場合、
または、NPBの中での選手育成(出場チームの現場レベルも含む)を考えると
発展途上の選手を抜擢するのは十分に有り得ますし、あっても良いと思います。(今大会の宮川など)
選手にしてみれば、周囲が何と言おうとアピールのチャンスですし。
負けてしまうと、やはり「なぜ負けたのか」という話が出てきて、尾を引くんですよね。
WBCの準決勝でのダブルスチールなんて、最たるものですし。
まして、そこで出場メンバー云々という要素が出てくると、
どこまで本気だったの?とは思わざるを得ないんですよね。
本文にも書きましたが、イーグルスに考慮すべき面があるのは、
重々理解しているつもりですが……
この辺、JリーグにとってのACLの位置付けというのも、
あるいは参考になるかも知れません。
ただ「野球そのもの」という面で、今年は断然面白かったと思ってます。
白状すれば、その原因の1つは、統一が東北楽天を、キャンベラがサムスンを、
それぞれ破って決勝に進出したことにあるのが皮肉ではありますが……
今は時代が変わり、日本一を超えてアジア一になれますのに、ボクシング風に東洋王者と呼びますが、その重みを日本人が理解していない。
ペナント、クライマックス、日本シリーズでもういっぱいいっぱいというのはわかります。疲労困憊で怪我でもしようものなら、来期に係わります。
2006年は、決勝の先発にダルビッシュを用意していましたし、その前の試合も、勝てる先発を立てていますから、ベストではないにしろ、最善の策は立てています。(決勝も手を焼いた印象を受けますが)
2007年は、山井が決勝の先発でした。(ちょっと意外)この試合も苦戦ですから、各チームの力は拮抗しているとこの時代から見るべきだったでしょう。
田中、則本、美馬投手が投げられる状態だったかはわからないですが、仮に投げていても打たれていたかもしれません。
しかし、ベストメンバーではないにしろ、勝てなかったにしろ、これだけ手を尽くしたんだからしょうがないとファンが納得する采配をしていたかは疑問が残るんですよ。
かといって監督云々の責任では気の毒で、NPBが有形無形のサポートをどれだけできるか?なんですよね
代表だけが国際大会に出れるのではなく、チームも国際大会に出られる時代ですから、環境の整備をしてほしい。(かといって具体的な提案は僕からは無いのですが…)
決勝にも進めなかった以上、何かあらためるべき原因があるはずなんですよね。
ただ、それはイーグルスだけの問題ではおそらくないでしょう。
おっしゃるように、いっぱいいっぱいになっていたのは事実でしょうから。
ただ、確かに具体的な提案となると、それが本当に難しいんですよね……
私も抽象論しか説けませんでしたし。
その一方で、一番の当事者たる選手会はこの辺どう思っているのかも気になります。