■ NPB、ポスティング見直しを検討(報知・2012年12月2日)
さらに詳しい記事がこちら。
■ ポスティング 公開入札導入も 入札金高騰の非公開見直し(スポニチ・2012年12月2日)
岩隈や中島の移籍失敗によって、現行のポスティング制度が限界にきていることは明らかに示されていました。なので、制度を見直すこと自体は私も賛成です。
現時点の議論では、入札金額を非公開から公開に変えることになる見込みのようです。スポニチの記事が正しければ、MLB側が公開を求めていて、NPB側も受け入れそうなので、この点については早いうちに実現するのでしょう。
で、そのスポニチの記事では、入札金額のメリットとして、入札希望球団が他球団の入札額を知ることで、入札額の抑制につながる点と、公開されることで露骨な妨害入札を防ぐことにもつながる点を挙げています。
以上については納得がいきます。確かに、入札額が抑制されれば、選手に入る契約金や年俸も増える可能性が出てきますし、過大な入札額を示した球団があれば、その名前が知れ渡ることになるわけです。
ですが、改革としてはどうにも不十分というのが私の考えです。これだけでは小さからぬ問題が残るのではないか、と考えられるからです。
まず、入札額が公開されるのを前提として、各球団が1度しか入札できず、入札金額を変更できない場合、何度でも入札金額を変更できる場合の2つに分けて考えてみましょう。
前者の場合、入札した後に他球団がより高い金額を示せば終わりですから、各球団は締め切りまで牽制しあうことになるでしょう。最悪の場合、全球団が見合ったままどこも入札しない可能性もあり得ます。
後者の場合は一般的なイングリッシュオークションと同様と考えられますが、この場合も競争が過熱してしまえば、入札金額が過度に高くなる可能性は排除できません。根本的な解決にはならないのです。
何より、ポスティング制度の一番の問題である、選手の意思が反映されない点が残ってしまいます。
これまでのところ、ポスティング移籍を希望する選手が希望する球団まで示すことは寡聞にして知りませんし、それゆえに問題が顕在化していないのですが、もしそのような選手が出てきたらどうするのか。
これがトレードであれば選手の意志など関係ありませんし、FA移籍であれば逆に選手の意志が最優先されますが、その点ではポスティングは間をとったようで、実はあいまいな制度ではあります。
そう考えると、なすべき改革は、やはり複数球団との交渉を認めることではないかと思えてなりません。
選手側にとって選択の自由が増えるのは当然ですが、最高金額を示した球団以外との交渉可能性を認めることで、妨害入札のインセンティブは消えるわけで、これは日米球団側にもメリットとなります。
現時点で、見直し後のポスティング制度の姿はまだ確定してはいませんが、それだけに、もう少し大幅な改革を日米双方が考えてもいいのではないか、とは思います。
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■ ポスティング 公開入札導入も 入札金高騰の非公開見直し(スポニチ・2012年12月2日)
岩隈や中島の移籍失敗によって、現行のポスティング制度が限界にきていることは明らかに示されていました。なので、制度を見直すこと自体は私も賛成です。
現時点の議論では、入札金額を非公開から公開に変えることになる見込みのようです。スポニチの記事が正しければ、MLB側が公開を求めていて、NPB側も受け入れそうなので、この点については早いうちに実現するのでしょう。
で、そのスポニチの記事では、入札金額のメリットとして、入札希望球団が他球団の入札額を知ることで、入札額の抑制につながる点と、公開されることで露骨な妨害入札を防ぐことにもつながる点を挙げています。
以上については納得がいきます。確かに、入札額が抑制されれば、選手に入る契約金や年俸も増える可能性が出てきますし、過大な入札額を示した球団があれば、その名前が知れ渡ることになるわけです。
ですが、改革としてはどうにも不十分というのが私の考えです。これだけでは小さからぬ問題が残るのではないか、と考えられるからです。
まず、入札額が公開されるのを前提として、各球団が1度しか入札できず、入札金額を変更できない場合、何度でも入札金額を変更できる場合の2つに分けて考えてみましょう。
前者の場合、入札した後に他球団がより高い金額を示せば終わりですから、各球団は締め切りまで牽制しあうことになるでしょう。最悪の場合、全球団が見合ったままどこも入札しない可能性もあり得ます。
後者の場合は一般的なイングリッシュオークションと同様と考えられますが、この場合も競争が過熱してしまえば、入札金額が過度に高くなる可能性は排除できません。根本的な解決にはならないのです。
何より、ポスティング制度の一番の問題である、選手の意思が反映されない点が残ってしまいます。
これまでのところ、ポスティング移籍を希望する選手が希望する球団まで示すことは寡聞にして知りませんし、それゆえに問題が顕在化していないのですが、もしそのような選手が出てきたらどうするのか。
これがトレードであれば選手の意志など関係ありませんし、FA移籍であれば逆に選手の意志が最優先されますが、その点ではポスティングは間をとったようで、実はあいまいな制度ではあります。
そう考えると、なすべき改革は、やはり複数球団との交渉を認めることではないかと思えてなりません。
選手側にとって選択の自由が増えるのは当然ですが、最高金額を示した球団以外との交渉可能性を認めることで、妨害入札のインセンティブは消えるわけで、これは日米球団側にもメリットとなります。
現時点で、見直し後のポスティング制度の姿はまだ確定してはいませんが、それだけに、もう少し大幅な改革を日米双方が考えてもいいのではないか、とは思います。
そもそもポスティングを希望するというのが「交渉相手を選べなくてもいいからMLBへ行きたい」ということを意味しているので、それで希望の球団を挙げたら「制度を理解しているのか」と叩かれるだけです。ありえないでしょう。
という選手はいると思うんですよ。
あるいは、これだけMLBの球団が増えて、各球団に関する情報も入手できるようになると、
そういう選手が近いうちに出てくる可能性は十分考えられるのではと。
なので、ポスティングを希望した選手の全部が全部、
「交渉相手を選べなくてもいいからMLBへ行きたい」
と心底思っているかどうかは検証の余地がある、ということです。
でもそれは「ポスティングを希望するかどうか」という話です。
ポスティングの希望を出した時点で「交渉相手はどこになってもかまわない」と公に表明したことになるので、そのあとにゴチャゴチャ言うのはおかしいでしょう。
プロとしてダメといえるくらい話になりません。
FAまで待てないけど交渉相手を選べないのは困るのなら、ポスティングを希望するんじゃなくて制度自体の問題を指摘したり見直しを要望するのがまともなやり方です。
事実、選手会がずーっと問題点を訴え続けているのですが、
それで何が変わったかと言われると、何もないんですよね。
今回の見直しだって、MLBとの交渉で出てきた話ですし。
筋としては制度改革を求めるべきだとは思いますが、
団体で実現できないことを個人が実現できるとはとても思えません。
あと、細かいことですが、
>>ポスティング移籍を希望する選手が希望する球団まで示すことは寡聞にして知りませし
本文で「ん」が抜けていたのに今ようやく気づきました。済みません[;;0J0]
というわけで、本文を修正しておきました。
ドジャース「韓国の柳賢振を20億で落札したけどやっぱいらねーわwww」
http://blog.livedoor.jp/yakiusoku/archives/53833547.html
スレッド内で語られていますが、本当に何でもありの制度なんですね。
はい。個人ではそんなことは実現できないでしょう。
でもそれは当初の話題とは次元の違う話です。
ポスティング希望後なら話を聞いてくれるなんてこともありえないですし。むしろ信用をなくします。
何度も書きますが、「ポスティングを希望する」ということは「その制度を自らの意思で受け入れて利用する」ということです。
なのでポスティング希望を表明したら、少なくともどこかと契約してけりが付くまでは文句を言う資格はないです。
選手会が「選手個人がポスティングを利用するのを止めはしないが、選手会としては利用して欲しくない」とわざわざコメントしてるのも、ポスティングを利用する選手が多いと「(選手の側から見て)問題がある」という選手会の主張を弱めることになるからです。
M・Kさん
>本当に何でもありの制度なんですね。
大金はたいて競争させる割には抜け穴だらけで…
そういえば数日前に「団野村氏が上位三球団まで交渉権を得る改革案を提案」みたいな記事もあったなぁ
ドジャーズのやり方に呆れた人が余程多かったんでしょうね。
もっとも、交渉期間はまだあるようですし、報道自体が駆け引きの1つの可能性もありますが。
確かに、制度を利用する以上は、その定めるところには従うのが筋でしょう。
そう思うんですが、はたして選手みんながみんなそうするかどうか。
クレバーで自分の能力に自信のある選手なら、希望を表には出さず、
意に沿わない球団とは交渉決裂を繰り返すこともできるでしょう。
それはそれで文句が出そうですが、MLB球団側だって「妨害入札」ができる以上、
この辺はお互い様という気がします。
あるいは、選手会からすれば「○○に行きたいからポスティングは利用しない」
と表明してしまうのが理想ではあるのでしょう。
が、今後もすべての選手がそうするかどうかと言われると疑問があります。
選手からすればどちらも(さらにFA移籍も含めて)「時間がかかる」わけで、
自分の希望するキャリアを一定程度犠牲にするわけですし。
で、「その時」にどうするか。
確かに制度上選手に非があるのは間違いないですが、
それだけで済ませるのも、どこか引っ掛かりを感じてはいます。
>「団野村氏が上位三球団まで交渉権を得る改革案を提案
これですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121201-00000554-sanspo-base
記憶が不確かですが、確か岩隈のポスティング移籍不成立の時にも主張していたような。
でもそういうことじゃなくて、「ポスティング希望してから意中の球団を漏らしたりすることが、その選手にどんなメリットがあるのか」ってのが肝心なんですよ。
どう考えてもその選手の立場は不利になるだけで、それを代償として何か得るものがあるというのも考えにくいです。本人だけじゃなく他の選手たちにとってもたぶんマイナスです。
それなのにそんなことを期待するのは、無責任な部外者の願望でしかないんじゃないですかねぇ
いやいや、期待はしてませんよ。けしかけちゃいかんでしょ[;;0J0]
ただ、可能性はあるだろうな、と思っているのです。
で、そうなったときに、選手が叩かれるだけでいいかというと、
それは違うんじゃないかとどうしても思うわけです。