先日実施した「緊急アンケート・どこへ行く岩隈投手?」には、お蔭さまで数多くのご参加をいただきました。事態がいつどうなるか分からない中で、急ごしらえのアンケートを非常に短期間で行うことになってしまいましたが、それにもかかわらず真摯なご意見を数多くいただき、心から感謝しております。本当にありがとうございましたm(__)m
さて、今回のアンケートでは期間内に52件の有効回答が寄せられました。まず、今回お聞きした2つの質問それぞれに対するご回答の集計結果から見ていきましょう。
次に、双方の質問に対するご回答を組み合わせた結果をパネルにしてみました。
このパネルのうち、A1-1.はQ.1に対する回答項目1.「賛成」、A2-1.はQ.2に対する回答項目1.「トレードで本人の希望する球団へ放出」というようにそれぞれ対応しています。
ですので、例えばQ1.で2.「反対」、Q2.で2.「トレードは認めるが、行先球団については本人の意向は聞かない」と回答された方の人数と比率をお調べの場合、A1-2.とA2-2.の合わさったところをご覧になればいいことになります(ちなみに、この場合は2件3.8%になります)。
この集計結果を見ますと、トレード要求を支持する、また行先球団については意見が二分されたものの、球団側がトレードを行うべきとする意見が大多数を占めている、ということになりそうです。
ネット上での意識調査としては、上のような結果さえ分かれば十分なのかも知れません。ただ、頂いたご回答やコメントを拝読する限り、集計結果をこう単純に割り切っていいのか疑問も湧いてきました。
ですので、その疑問について考える意味も含めまして、ここからは各設問への回答理由について見ていきたいと思います。なお、記事が冗長になるのを避けるため、回答理由については私の判断で抜粋して紹介させていただきます。
まずQ1.についてです。ここで1.「賛成」と回答された方の理由の中で多かったのが、磯部選手のプロテクト除外を根拠として岩隈投手の要求に正当性を認めるというものでした。また、プロテクトに際して選手本人の意向を考慮する旨の発言が球団側からあったことを賛成理由として挙げる方も少なくありませんでした。
さらに、野球協約や法令等から、合併球団への岩隈投手の加入そのものに根拠がないとするご意見も寄せられました。
この他に頂いたご意見としては、岩隈投手の心情や選手としての実績に対して配慮を求めるものや、引退覚悟の要求は尊重すべきであるというもの、無理に残留させてもいいプレーはできない、あるいは「『合併による戦力増強は成功しない』という前例を作って欲しい」というものなどが挙げられます。
一方、2.「反対」を選ばれた方の理由としては、岩隈投手だけが特別扱いされるのは認められない、また他の選手とするものや、FA権を保有しない岩隈投手の要求は認められないというもの、プロテクト決定まで強く主張すべきであったというご意見や、球団の保有権を最大限尊重すべしというなどがあげられました。
また、異議がある場合は岩隈投手がコミッショナーへの裁定を仰ぐことや、裁判所への提訴が認められるというご意見もいただきました。
3.「その他・分からない」を選択された方からは、岩隈投手が特別扱いされるほどの実績を挙げていない以上賛成はしがたい、球団が合併した場合の選手の処遇が良く分からないというご意見が寄せられました。
また、プロテクト自体は仕方ないとしても、それで岩隈投手が来季実績を挙げられるのかという疑問を出された方もいらっしゃいました。
これらのご意見を拝読しますと、今後は岩隈投手の要求が正当なものと認められるかどうかがポイントとなるという気がしてきました。
Q1.への賛否を問わず、ほとんど全ての方が岩隈投手の心情に対して理解を示されています。それだけに、回答を選択する際にトレード要求が正当かどうかを基準とした方が多いように思われました。
ですが、この点については正当性があるとする方とないとする方の両方がいらっしゃるわけです。さらに、オリックス球団が保有権や強制加入を主張できないとするご意見もあることですし、ひょっとするとこの点を巡って係争が生じる可能性もあるのかも知れません。
では、次にQ2.に移りましょう。
まず、選択肢のうち1.「トレードで本人の希望する球団へ放出」を選ばれた方からは、球団もワガママを通した、彼の今後ことを考えたら希望球団でやらせてあげたい、残りたくない選手をドラフトで金儲けに使うようなことをさせたくないといったご意見が寄せられました。
特に、この1.を選択された方の多くが、岩隈投手が東北楽天への移籍を希望していることを前提としておられました。
2.の「トレードは認めるが、行先球団については本人の意向は聞かない」の理由としては、岩隈投手とオリックス双方の「落としどころ」となることが多く挙げられました。
この他には、移籍先の自由まで認めるとFA同然になってしまう、トレードであれば球団主導で移籍先を決めるべきである、選手側に選択権はない、現実的にはトレードしてある程度の金銭を取得するのが妥当とされる方や、本来なら楽天行きを希望するが、プロテクトされた時点で可能性が消えたとして2.を選ばれる方もいらっしゃいました。
3.「トレード拒否・任意引退もやむなし」と回答された方からは、岩隈投手の要求を許したら他の選手の気持ちはどうなるのか、トレード拒否によって岩隈が任意引退を選んだとしても止むを得ないといった理由が挙げられました。さらには、引退も認めるべきではないというご意見もいただきました。
最後に4.「その他・分からない」を選ばれた方からは、「国内でのポスティングを開催」、「プロテクト解除」、「分配枠の4人に含める」など様々な解決方法が提案されました。
また、残留・放出のどちらとも言えないというご意見や、そもそも岩隈投手の保有権はオリックスではなく大阪近鉄バファローズが持っているというご指摘もいただきました。
こうしてみますと、確かに数字の上では球団がトレードすべしというご意見が大多数であり、またその方法について意見が二分されています。
ですが、実際には岩隈投手に完全な自由を認めるよりも、楽天に行きたいのならば妨げられるべきではないというご意見と、双方の妥協点として通常の(選手が相手球団を決めない)トレードが有効であるというご意見が多いように考えられます。
さて、今日の報道によれば、古田選手会長と小泉球団社長が岩隈投手の去就について会談を行ったようです(共同通信の記事等をご参照ください)。
古田会長、小泉社長とも早期の解決を希望しているようですし、私自身もそれを願っています。最悪の場合はコミッショナー裁定などの恐れもありますが、そうなった途端にコミッショナーがモンゴルかアフリカあたりにバックレ私的旅行に出そうな印象があるだけに、当事者間で解決できるのなら、それを希望したいところです。
当ブログでは今後とも折に触れてこのようなアンケートを実施したいと思っております。今回ご回答いただいた皆さんも、そうでない皆さんも、これに懲りずに今後ともご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
さて、今回のアンケートでは期間内に52件の有効回答が寄せられました。まず、今回お聞きした2つの質問それぞれに対するご回答の集計結果から見ていきましょう。
Q1.岩隈投手が合併球団でのプレーを拒否し、トレード要求を出したことに賛成ですか、反対ですか? | ||
1.賛成:43件(82.7%) | 2.反対:6件(11.5%) | 3.その他・分からない:3件(5.8%) |
Q2.オリックス側は岩隈投手の要求に対し、どうすべきだと思いますか? | |||
1.トレードで本人の希望する球団へ放出: 18件(34.6%) | 2.トレードは認めるが、行先球団については本人の意向は聞かない: 22件(42.3%) | 3.トレード拒否・任意引退もやむなし: 4件(7.7%) | 4.その他・分からない: 8件(15.4%) |
次に、双方の質問に対するご回答を組み合わせた結果をパネルにしてみました。
このパネルのうち、A1-1.はQ.1に対する回答項目1.「賛成」、A2-1.はQ.2に対する回答項目1.「トレードで本人の希望する球団へ放出」というようにそれぞれ対応しています。
ですので、例えばQ1.で2.「反対」、Q2.で2.「トレードは認めるが、行先球団については本人の意向は聞かない」と回答された方の人数と比率をお調べの場合、A1-2.とA2-2.の合わさったところをご覧になればいいことになります(ちなみに、この場合は2件3.8%になります)。
Q1. | ||||
A1-1. | A1-2. | A1-3. | ||
Q2. | A2-1. | 16件(30.8%) | 0件(0.0%) | 2件(3.8%) |
A2-2. | 19件(36.5%) | 2件(3.8%) | 1件(1.9%) | |
A2-3. | 1件(1.9%) | 3件(5.8%) | 0件(0.0%) | |
A2-4. | 7件(13.5%) | 1件(1.9%) | 0件(0.0%) |
この集計結果を見ますと、トレード要求を支持する、また行先球団については意見が二分されたものの、球団側がトレードを行うべきとする意見が大多数を占めている、ということになりそうです。
ネット上での意識調査としては、上のような結果さえ分かれば十分なのかも知れません。ただ、頂いたご回答やコメントを拝読する限り、集計結果をこう単純に割り切っていいのか疑問も湧いてきました。
ですので、その疑問について考える意味も含めまして、ここからは各設問への回答理由について見ていきたいと思います。なお、記事が冗長になるのを避けるため、回答理由については私の判断で抜粋して紹介させていただきます。
まずQ1.についてです。ここで1.「賛成」と回答された方の理由の中で多かったのが、磯部選手のプロテクト除外を根拠として岩隈投手の要求に正当性を認めるというものでした。また、プロテクトに際して選手本人の意向を考慮する旨の発言が球団側からあったことを賛成理由として挙げる方も少なくありませんでした。
さらに、野球協約や法令等から、合併球団への岩隈投手の加入そのものに根拠がないとするご意見も寄せられました。
この他に頂いたご意見としては、岩隈投手の心情や選手としての実績に対して配慮を求めるものや、引退覚悟の要求は尊重すべきであるというもの、無理に残留させてもいいプレーはできない、あるいは「『合併による戦力増強は成功しない』という前例を作って欲しい」というものなどが挙げられます。
一方、2.「反対」を選ばれた方の理由としては、岩隈投手だけが特別扱いされるのは認められない、また他の選手とするものや、FA権を保有しない岩隈投手の要求は認められないというもの、プロテクト決定まで強く主張すべきであったというご意見や、球団の保有権を最大限尊重すべしというなどがあげられました。
また、異議がある場合は岩隈投手がコミッショナーへの裁定を仰ぐことや、裁判所への提訴が認められるというご意見もいただきました。
3.「その他・分からない」を選択された方からは、岩隈投手が特別扱いされるほどの実績を挙げていない以上賛成はしがたい、球団が合併した場合の選手の処遇が良く分からないというご意見が寄せられました。
また、プロテクト自体は仕方ないとしても、それで岩隈投手が来季実績を挙げられるのかという疑問を出された方もいらっしゃいました。
これらのご意見を拝読しますと、今後は岩隈投手の要求が正当なものと認められるかどうかがポイントとなるという気がしてきました。
Q1.への賛否を問わず、ほとんど全ての方が岩隈投手の心情に対して理解を示されています。それだけに、回答を選択する際にトレード要求が正当かどうかを基準とした方が多いように思われました。
ですが、この点については正当性があるとする方とないとする方の両方がいらっしゃるわけです。さらに、オリックス球団が保有権や強制加入を主張できないとするご意見もあることですし、ひょっとするとこの点を巡って係争が生じる可能性もあるのかも知れません。
では、次にQ2.に移りましょう。
まず、選択肢のうち1.「トレードで本人の希望する球団へ放出」を選ばれた方からは、球団もワガママを通した、彼の今後ことを考えたら希望球団でやらせてあげたい、残りたくない選手をドラフトで金儲けに使うようなことをさせたくないといったご意見が寄せられました。
特に、この1.を選択された方の多くが、岩隈投手が東北楽天への移籍を希望していることを前提としておられました。
2.の「トレードは認めるが、行先球団については本人の意向は聞かない」の理由としては、岩隈投手とオリックス双方の「落としどころ」となることが多く挙げられました。
この他には、移籍先の自由まで認めるとFA同然になってしまう、トレードであれば球団主導で移籍先を決めるべきである、選手側に選択権はない、現実的にはトレードしてある程度の金銭を取得するのが妥当とされる方や、本来なら楽天行きを希望するが、プロテクトされた時点で可能性が消えたとして2.を選ばれる方もいらっしゃいました。
3.「トレード拒否・任意引退もやむなし」と回答された方からは、岩隈投手の要求を許したら他の選手の気持ちはどうなるのか、トレード拒否によって岩隈が任意引退を選んだとしても止むを得ないといった理由が挙げられました。さらには、引退も認めるべきではないというご意見もいただきました。
最後に4.「その他・分からない」を選ばれた方からは、「国内でのポスティングを開催」、「プロテクト解除」、「分配枠の4人に含める」など様々な解決方法が提案されました。
また、残留・放出のどちらとも言えないというご意見や、そもそも岩隈投手の保有権はオリックスではなく大阪近鉄バファローズが持っているというご指摘もいただきました。
こうしてみますと、確かに数字の上では球団がトレードすべしというご意見が大多数であり、またその方法について意見が二分されています。
ですが、実際には岩隈投手に完全な自由を認めるよりも、楽天に行きたいのならば妨げられるべきではないというご意見と、双方の妥協点として通常の(選手が相手球団を決めない)トレードが有効であるというご意見が多いように考えられます。
さて、今日の報道によれば、古田選手会長と小泉球団社長が岩隈投手の去就について会談を行ったようです(共同通信の記事等をご参照ください)。
古田会長、小泉社長とも早期の解決を希望しているようですし、私自身もそれを願っています。最悪の場合はコミッショナー裁定などの恐れもありますが、そうなった途端にコミッショナーがモンゴルかアフリカあたりに
当ブログでは今後とも折に触れてこのようなアンケートを実施したいと思っております。今回ご回答いただいた皆さんも、そうでない皆さんも、これに懲りずに今後ともご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
この集計記事、みなさんのコメント欄共に、非常に読み応えのあるものでした。
こういうデリケートな問題について議論される場合、趣旨があさっての方に行ってしまって荒れちゃったりするケースも多いと思うのですが、多様な意見で広がりつつまとまるのは、ルパート・ジョーンズさんのお人柄でしょうね。
さて岩隈投手、なんとか双方折り合いがつけば良いのですが・・
岩隈投手の選手生命が絶たれるなどと言う最悪の事態だけはさけてほしいです。
アンケート、お疲れ様でした。
岩隈投手の問題は、ちょっと長引きそうですね。
こういう問題を長引かせてしまうのはよくないですから、早期決着をお願いしたいですよね。
自分は岩隈投手がどこの球団でプレーすることになったとしても、応援し続けますよ。
日本を代表する投手ですからね。
引退だけは絶対にダメです!
ichiken様がコメントされてらっしゃいますが、
ルパート・ジョーンズさんならではのアンケート結果だと
思いました。私はトレードを要求したことに賛成するが、
その他(そのまま楽天へ)と回答したのですが、正直なと
ころ今でも迷ってます。本当に難しいです。
これだけの意見を判りやすく取りまとめて頂き
読者としても感謝しています。
今後もこのような企画を期待します。
いろんなコメントがあり、プロ野球ファンの一番の関心事であることを改めて認識しました。今日、古田がオリックスの社長と会談したらしいですが、非常に違和感がありました。一選手が他球団の社長と会談というのは、ちょっとどうかと。そこらへんも含めて、選手会側の代表として古田ではなく、第三者が動くシステムを早く作って欲しいものです。もっと選手が野球に専念できる環境作りが望まれます。
先ずは集計御疲れ様でした。「岩隈投手がトレード志願した事に付いては賛成だが、行き先球団に関してはバファローズ主導ですべき。」という結果は、個人的な感覚で言えば、実にバランスのとれた結果だと思いました。岩隈投手の気持ちは痛い程判るのですが、だからと言って選手の意向を100%受け入れるという前例を作ってしまう事は、どうしてもこれからの球界にとって良い事とは思えないからです。とは言え、ゴールデンイーグルスでやらして上げたい気持ちも有り、複雑ですね。
書き込み戴いた件ですが、三木谷オーナーが滝鼻オーナーと密会した際に、選手名登録で「ナベツネ」を使って良いか?と御伺いを立てていたとしたら、大笑いですね。しかし、ナベツネという選手名だと、野次とかも凄そうで大変だと思うのですが(^o^;;;。
自分のところで意見を聞いている件、
↓
http://tigers44-31-16.seesaa.net/article/1098595.html
集計するかどうかは未定ですが、
http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200411/bt2004112601.html
↑
こっちも解決が長引きそう?
頂いたコメントそれぞれが非常に興味深いものでしたし、私自身がこの問題について考えを深める上でも、アンケートを行ってよかったと思っております。
さて、岩隈投手の件はまだ時間がかかるかも知れませんね。
ただこういう交渉事はどちらが勝った負けたではなく、どれだけお互いが納得できるかが肝心ですから、そういう意味でも「大人の解決」を期待したいですね。
報道を見る限り簡単に進みそうにないような気もするのですが、差し当たりコミッショナー提訴などの手段に訴える気配もまだなさそうなことに安堵感を覚えました。
とかく今年は正面衝突ばかりが続いたのですが、こういう「納得いくまで話し合う」という雰囲気は大事にしてもらいたいです。
私としては、とにかく双方が納得の行く結果をできる限り早く出して、岩隈投手を始め関係者が後腐れなく来季に進めるようにしてもらいたいと希望しています。