4日目、北海道の鉄道完乗が見えてきた。今日日高本線と室蘭本線の残りに乗れば達成なのだ。
北海道全土に鉄道が張り巡らされていた旧国鉄時代に比べれば、難度も面白みもはるかに減ったとは思うが、それでも達成できないよりは、できた方が良かろう。
まずは日高本線を乗り通すべく、苫小牧駅に向かう。
ホッキの町苫小牧。ホッケーの町苫小牧……ホッキー?まさかね。
苫小牧から終点の様似までを走り抜けるディーゼルカー。結構な陽気だが、冷房はついていない。
日高本線の車両に記された「優駿浪漫」の文字とイラスト。競走馬の郷里を走る列車ならではのものだ。もっとも、この列車自体に「優駿」のイメージがあるかどうかは難しいが、とにかく様似に向けて走り出す。
苫小牧を出ると、少しして視界は一気に広大になる。そんな中に、忘れられかけたような駅が点在している。
久々に大きめの駅、鵡川に停車。ここで数分間、行き違いの列車を待ち、再び出発。
鵡川駅を出ると、駅と町の名の基となった鵡川を渡る。堤防もなければコンクリートも見当たらない雄大な景色。それで何も問題ないのは、そもそも人が少ないからなのだろう。
そして列車は太平洋岸へ。
はるか遠くに襟裳岬が見える。ここまで来て岬を見ずに引き返すなど興の無いものだが、今回はそういう旅だ。
大洋のすぐ近く、遮るものは何もない。
ただ、この光景に何の恐怖も抱かずに済まされた「幸福な」時代は、もう戻らない。
ある意味、戻ってもいけないのだが。
そんな人間の勘違いした感傷などお構いなしに、海鳥が飛んでいる。
浜辺では昆布を干している。冬のイメージがあったのだが、そうとも限らないようだ。
さらに海岸を見ると、あちこちで昆布が流れ着いている。気にはなったが、拾ってそのまま食べるわけにはいくまい。
列車は静内に着いた。ここで15分ほどの停車時間があるので、列車を降りて駅を見ることにする。
新しい駅舎は、地元の観光案内や憩いの場としても機能している。歴史ある駅舎が各地で消えていくのは確かに残念だが、せめてそれによって、駅と地域が再生するのであればと願う。
競走馬の里だけあって、サラブレッドの像が駅舎内に置かれている。
この辺りでは、今時分が七夕のようだ。東北からの開拓者が多かったのだろうか。
競馬には疎い私だが、安田記念の名前ぐらいは流石に知っている。とりあえず、凄いことは分かる。
そろそろ発車時刻なので、列車に戻る。
しばらく走ると、いよいよ馬たちを見かけるようになった。仔馬が生まれてまもない時期なのだろう、親子が寄り添っている。ますますもって日高本線という景色だ。
列車は時折内陸部を走り、そのたびに牧場の間を通っていく。
厳しい競争が待ち受けているとはいえ、あるいはだからこそか、牧場の光景はいかにも長閑である。
海、広野、牧場を経て4時間20分程、ついに終点の様似に着いた。
北海道全土に鉄道が張り巡らされていた旧国鉄時代に比べれば、難度も面白みもはるかに減ったとは思うが、それでも達成できないよりは、できた方が良かろう。
まずは日高本線を乗り通すべく、苫小牧駅に向かう。
ホッキの町苫小牧。ホッケーの町苫小牧……ホッキー?まさかね。
苫小牧から終点の様似までを走り抜けるディーゼルカー。結構な陽気だが、冷房はついていない。
日高本線の車両に記された「優駿浪漫」の文字とイラスト。競走馬の郷里を走る列車ならではのものだ。もっとも、この列車自体に「優駿」のイメージがあるかどうかは難しいが、とにかく様似に向けて走り出す。
苫小牧を出ると、少しして視界は一気に広大になる。そんな中に、忘れられかけたような駅が点在している。
久々に大きめの駅、鵡川に停車。ここで数分間、行き違いの列車を待ち、再び出発。
鵡川駅を出ると、駅と町の名の基となった鵡川を渡る。堤防もなければコンクリートも見当たらない雄大な景色。それで何も問題ないのは、そもそも人が少ないからなのだろう。
そして列車は太平洋岸へ。
はるか遠くに襟裳岬が見える。ここまで来て岬を見ずに引き返すなど興の無いものだが、今回はそういう旅だ。
大洋のすぐ近く、遮るものは何もない。
ただ、この光景に何の恐怖も抱かずに済まされた「幸福な」時代は、もう戻らない。
ある意味、戻ってもいけないのだが。
そんな人間の勘違いした感傷などお構いなしに、海鳥が飛んでいる。
浜辺では昆布を干している。冬のイメージがあったのだが、そうとも限らないようだ。
さらに海岸を見ると、あちこちで昆布が流れ着いている。気にはなったが、拾ってそのまま食べるわけにはいくまい。
列車は静内に着いた。ここで15分ほどの停車時間があるので、列車を降りて駅を見ることにする。
新しい駅舎は、地元の観光案内や憩いの場としても機能している。歴史ある駅舎が各地で消えていくのは確かに残念だが、せめてそれによって、駅と地域が再生するのであればと願う。
競走馬の里だけあって、サラブレッドの像が駅舎内に置かれている。
この辺りでは、今時分が七夕のようだ。東北からの開拓者が多かったのだろうか。
競馬には疎い私だが、安田記念の名前ぐらいは流石に知っている。とりあえず、凄いことは分かる。
そろそろ発車時刻なので、列車に戻る。
しばらく走ると、いよいよ馬たちを見かけるようになった。仔馬が生まれてまもない時期なのだろう、親子が寄り添っている。ますますもって日高本線という景色だ。
列車は時折内陸部を走り、そのたびに牧場の間を通っていく。
厳しい競争が待ち受けているとはいえ、あるいはだからこそか、牧場の光景はいかにも長閑である。
海、広野、牧場を経て4時間20分程、ついに終点の様似に着いた。