冥界帰り

いつも通りに、三食拷問付のありがたい一日を終えると
同じ、魂の罪人どもはみんなそわそわしてやがる

カワイソーに遂にイカれちまったのか、とアタマをはちまわしてやったら
世界が終わるらしいから、見に戻るんだって言う

バーカ、別に、俺は未練なんかねーぜ

そう返してやったら
お前のダチのほら、あの半死人が王様になったらしいぜ、とそいつは言った

それで、あと数ヶ月でどのみち終わんだ、
からかいに行ってやるかと、戻ることを決めたのは、6月6日



まずは、大聖堂は外交の間に向かう
8年振りぐらいになんのかね
昔に比べりゃ活気は減ったような気もするが、気のせいでもなさそうだ

見回してみりゃ案の定、俺のような出戻りが群がる一団を見つけた
そこだけは俄かに活気づいてやがる

向こうが知ってるかはわかんねーけど、見知った顔も何人かいるが
まあ、とりあえず一言残して家に帰った



家には一人の女が待っていた
一言残したのはついさっきだってのに

まったく持てる男はこれだからつれーぜ

と言いかけるや否や
そいつは戻って来やがって、と肩をバシバシと叩いた
人のことは言えたもんじゃないが、相当ガサツなアマだ

言葉で返さずに、誰だお前という顔をすると
オレだよオレとどっかの詐欺師のようなことを言う

顔をまじまじと見りゃ、たしかに面影はある
そいつ、藤波は
俺が一番信頼していて…そして一番世話になったヤツだった

なンだよ、お前かよ
ああ、でも、初めに会えたのがお前で嬉しいぜ
ふふ、ありがとな



ひとしきり話し込んで、最後に
ダチのレイヴァルトのことを聞く

あいつならエジューにいるぜ

藤波と別れると、俺はエジューへと向かった