偶然と必然

そんなわけでガウガブルなんだけど…

っと、あれ…ここは、ガウガブルであってたよな？
間違えてエジューに戻っちまったか？

ってぐらいに見知った面子との再会が多い

いや、再会なんていう大げさなもんじゃねーよな
ついさっきまで一緒だったんだから



まずはミカゲさん
彼女は一番最初にエジューを出発ったから
なんとなくガウガブルでまた会うような気はしてた
まあ、先に俺の方が着いちまったケドな、へっへー

次にリーン
途中にカーシャに寄ってたみたいだから
行先は違うのかと思ったんだが…
まあ、色々と借りを返さねーといけねーからな、結果オーライだな

その次にピュアちゃん
俺の出発する少し前にエジューを出たんだよな
やっぱ逞しい天使さんには築城工事が様になるよなあ
手抜き工事でサボリ気味の俺とはエラい違いだぜ

あと、今日追っついたヤイヤイ
ヘビリーナちゃんとはうまくやってくれてっかな
しかしまあ、そんなに早く、三竦みを作っちまうとは恐れ入った
っと、そうそう、これでアイコだかんな、もう虫はいらんぜ？

そして、リスティーさん
エジューじゃ、殆ど入れ違いだけど、交流会ではちょいと面を合わしたよな
コロシアムでもご対面してたらしいが
頭を強打しすぎてあんま覚えてない（要するにシバかれた）

で、ベル
今日、俺達を追っかけて出発したみたいだな
誘おうかどうか正直迷ったんだよ、ほら、ベルはエジューに思い入れあるだろ？
だけど、俺の気持ちに素直になっちまったかな…来てくれて嬉しいぜ

ははは、皆が、また揃うのが楽しみだな



んが、俺の方はちょっと面倒なことになっちまった
いや、言いようによっちゃ面白くなってきたとも言えるか…

なるようにしかならねーんだけど
良いも悪いも、もう、業としか言いようがねーな、こりゃ

故郷

旅人ってわけでもないんだが
俺は一か所にあんま長居したことがなくてさ

ムロマチ、ナハリ、エイクス、ガウガブル、ルネージュ、ネウガード
…あとコリアスにも少し居たか

そして、ここ最近じゃエジュー



そのうち、ムロマチは俺のというよりも…おふくろの故郷だし



エイクスは当時、ドウム銭湯国家って呼ばれてたんだけど
昔にベルヌーブと戦争があって、敗戦と同時に
国民の殆どはドウム銭湯旅団として国外に飛び出していったからな

ドウム銭湯旅団には思い入れがあっても
エイクスの土地自体にはあまり感じるものがねーんだよな…



となると、俺の故郷はやっぱガウガブルになんのかな
あんま長くいた訳じゃねーから、故郷って言うのもおこがましいけど

敢えて言わせて貰うぜ…　ただいま、ってな



にしても、ナーガさんにセレンちゃん、リュウキちゃんと
面子が懐かしすぎて、胸が躍るのが隠しきれねーや

ムシだー

大事なことなので先に言っとくぞ

俺はムシが嫌いなんだ
いいか、俺はムシが嫌いなんだ…！

大事なことなので二度言っとく



喜んでねーからな！

これじゃ、まるでゴ○ブリハウスじゃねーか
全部駆除しないと俺は安眠できねータイプなんだよ…！



イマジンだよ、想像してみろ

夜に顔にポトリと落ちてきたらどーすんだ
ほんと、どーすんだよ、俺はどこで寝りゃいんだ…

あああああ…orz



この大陸にゃ殺虫剤とか、ホイホイみてーなのとかは無いのか…！

コンチクショウめ
そこの約二名、覚えやがれっ！

テスタメント

早いもんで、先月の話になるんだけどな

俺の遺品を持ってきてくれた奴がいた



「鬼姫の手甲」

俺が10年前に売ってた格闘用の武器だ

そもそもはおふくろが雑貨屋をやってたときに売り出してたもんで
俺のはその復刻版になる

手甲の色（材質）が選べて
シリアルナンバーと名入れをしたセミオーダー品として売ってたんだな

…そいつが持ってきてくれたのは
俺の名前が入ったシリアルナンバーゼロの試作品
そして、幾多の戦場で愛用してきた相棒だった



俺はそいつのことを知っている

昔、俺がとある国で柄にもなく公爵なんてのをやってたとき
何度か話をしたことがある

その幼い横顔や喋り方がどこかあいつに似てたこともあって
何故かずっと覚えていた

…が、今ではもう、そんな幼さは抜けて
威風堂々たる王者の貫録すら漂うときたもんだ

ほんと、時の流れってのヤツぁ…



逆に俺みたいな三下を覚えてくれて
ずっと、それを取っといてくれたってのに嬉しくなるよな

けど、なんだって、お前の手元にあるんだい？

聞くより先にそいつは話してくれた

義姉の形見です、と

もちろん、俺はそいつの姉も知っている
が、正直そう親しい間柄じゃないんだ

つまり、俺がその間際にそいつの姉さんに渡した訳じゃねえ

俺は、最期、何を誰に残したんだっけか…
思い出せようにも思い出せない
今となってはなんで死んじまったのかも、よく思い出せねえからな

確かなことは碌でもねーってことだけだ



でも、そこに俺の相棒だった鋼の右腕がある



折角のお申し出はありがたいが、今の俺には必要のないシロモノだ

なんでだろう、俺は受け取れなかったよ



代わりにそいつは
昔出回っていた赤い宝石が欲しかったって言うもんだから
「不滅の炎」を渡してやった



昔出回ってた赤い宝石ってのも、俺が磨いたもんだったんだな

なんだか良くわかんねーが妙な縁がそいつとはあったみたいだ



お前は今が一番大変な時期だと思うけど、後悔のない道をな
何かありゃあ義理を通すが、そーならねえことを祈ってる

もっとも、何でも穏便に済ますのが良いってわけじゃねーし
だから難しいんだろーけどな…

ままならねーもんさ、世の中って

トラウマ

誰だって苦手なもんてあるよな

中でもとりわけ駄目なやつは恐怖症って言うだろ？
高所恐怖症とか、先端恐怖症だとか…そーいうヤツな



いや、俺もそういうのがあってさ
集合体恐怖症って言うの？
俺もその呼び方は今日知ったんだけど…

例えば、タケノコの根っこの赤いプチプチとか
卵かかえたカニのお腹とか

俺がムシが苦手ってのもそれが原因のひとつなんだけどさ

あああいうの見てるだけで、頭痒くなって身体がムズムズしてくんだよな



今日は、ヒヨコムシの体長は10mってとこから
どういう連想をしちまったのか
集合体恐怖症の画像の数々に辿り着いちまってさ

特にヤバいのは○○○な

半日たったのに身体が痒くてしょうがねえ
完全にトラウマになっちまったよ…！



ここに書いといてなんだが
覚悟がないヤツは何があっても絶対調べんな…いいな