兵どもが夢のあと

(C) IDEA FACTORY のKingdom of Chaosに参加するキャラクター、流恋楓の日記。

ゴー・ストレイ・ゴー・ストレート

2013年05月23日 | 日記
羊の皮を被った狼が 羊の群れの中を闊歩し
鬣犬と禿鷹が 遠くから群れを窺う
盲目の羊飼いに為す術はない

羊の長は言う お前は何れかと
羊の長は言う お前は何れかと



……

ふぅ、夢か

もう冥界での日々から1年は経とうってのに
相変わらず寝覚めが良くねーな



やっぱ、戦争好きが…(もぐ)

天界で…(もぐもぐ)

安穏な生活ってのも身体がなまってしゃーねえや
運動不足ってヤツかなあ、こりゃ…

ちょっとそこまで、羽根を伸ばして来るとするか!

(アストルティアでのカエデも見た目あんま変わんない
 ヒレが付いて、エラ呼吸だけど…)



…皆も変わらず、元気してっかい?

アスタ・ラ・ビスタ・ベイベー(4)

2012年10月26日 | 日記
それと…
まっ、いいか…どーも、まとまんねーや

よぉし、さあ、そろそろいこうぜ


ん、皆に挨拶はいいのかって…?

ははっ、別れはさっぱりとやるもんだ
そんじゃあな

Hasta la vista, baby!(また、いつか会おうぜ!)







…こいつを
最後になって出会う事が出来た、代え難い仲間と
俺を導いてくれた天使の少年へと捧ぐ

…本当にありがとう









アスタ・ラ・ビスタ・ベイベー(3)

2012年09月14日 | 日記
…そりゃあ、お前… と言いかけたときに

視界の向こうにビスケットの詰まった袋を抱えた銀髪の天使と、
その姿を心配そう見つめ、何やら諭す風の精霊の姿を捉える

付き合いは短いが、黄泉還ってより
こいつらとの出会いがなければ、きっとここまで辿り着けなかっただろう
俺にとってかけがえのない仲間だ

向こうも気がついたのか、手を振って合図をする


俺もそれに応えるとともに、

お前達と一緒の方が楽しそうだからにきまってるだろーが、言わせんなよな

俺は視線を外してそう吐き出し、続けた

アスタ・ラ・ビスタ・ベイベー(2)

2012年09月13日 | 日記
媒介は持ってきたのかい?

という問い掛けに、俺は目で頭陀袋を開けろと合図した

袋から出たのは、大熊猫のスリッパ
そいつは少し笑ってそれを小脇に抱えると、採魂の大鎌を静かに構えた


……


そして、土を土に、灰を灰に、塵を塵に返し、俺の身体は風になる

背中から噴き出す青い炎の翼が、闇天使としての力を取り戻したことを教えてくれた
これは本来、俺が生まれながらに持っていたもの

死者を縛るムゲンの枷は今、断たれたのだ


ふぅ、いやあ、危なかったな… おい
あとちょっとで、また、冥界に逆戻りってとこだったぜ
もう、あんなムサい獄卒共と、積み木遊びすんのはまっぴらごめんだからな、はは

魂となって捲し立てる俺に、はやくスリッパに入れとばかりにそいつが溜息をつく
俺は生欠伸を一回して、くるりと回ると、大鎌の上に腰を下ろした

うん、大人しくしてくれないと、楓ちゃんお待ちかねの可愛い天使達とも会えないからね

と、そいつは俺に念を押した


本気にしてたのかよ、そんな冗談、と、呆れたように俺が言い放つと、そいつは問い返す


じゃあ、なんだって言うんだい?

アスタ・ラ・ビスタ・ベイベー(1)

2012年09月09日 | 日記
戦の流矢で傷付いた馬に鞭を打って走らす

冥界の王ムゲンから与えられた
天に燃ゆるグリフォンの火の心臓はとうに燃え尽き
この身体は土に還ろうとしている

たずなを握る手に力が入らないのはその所為だろう

もう、あと少し… なんとかもってくれ

腹を蹴り、もう一度馬に鞭を入れる


しかし、次の瞬間、走り通しの馬に限界が来た
馬は痙攣をして姿勢を崩し、俺はその前に二回転して放り投げられて
受け身を取れずに仰向けに地面に叩きつけられる


…!


痛みはもう感じない
ただ、身体中に罅が入り、崩れていく感覚はわかる

まったくぞっとしないぜ
ちっくしょう、ここまで来て…!


俺はせめてと、
届きそうな位置に転がる頭陀袋に気力を振り絞って手を伸ばそうとしたが
次の瞬間にそれはひょいと摘み上げられちった


…!?


遅いじゃないか、楓ちゃん


…と、見上げればそこには、あっけらかんと笑うそいつが立っていたように見えた

「ように」ってのは、俺はもう満足に、見れて、聞けて、喋れているかわかんねーからだ
ただ、そんなように感じたのは間違いなくて…言葉になったかは定かじゃねえがこう返した

はは、わりぃ
ちょっとはしゃぎ過ぎちまったせいで、時間ぎりぎりになっちまった