2023/12/11(月)
辺野古での座り込み後に瀬嵩灯台跡から大浦湾を望んでいると、本や動画などで見たことのある方が。
目取真俊氏であった。
大学4年間で1番読んだ作家である。
夢にも思わなかった出来事である。
恐る恐る、「こんにちは、ご著書やブログを拝読しております。」と挨拶をすると、「そうですか。」と返ってきた。
お話するのは難しいかと思っていたら、「文壇の方ですか。」と尋ねられ「いまは学部4年でその道に進みたいと思っています。」と答え、「どこの出身ですか。」と訊かれ「本部です。」と答えた。
すると、数秒の沈黙があって、「同じやんばるから若い人間がこの世界に飛び込んできてくれて嬉しいですよ。」と。
その後は20分間ほど、大浦湾での土砂搬入の様子を見渡しながら2人でお話させていただいた。
大学1年生のときに目取真氏の『眼の奥の森』に出逢って小説で初めて涙し、「希望」に出逢って怒りを覚え、『虹の鳥』に出逢って自分の無力さに悶々とした。彼の文章に出逢っていなければ、私は別の道に進んでいるに違いないし、「沖縄」に対してこれほど考えや思いを巡らせることもなかっただろう。
辺野古の海は戦争のために在るわけではなく、
名護は戦争のために在るわけではなく、
やんばるは戦争のために在るわけではなく、
沖縄は戦争のために在るわけではない。
私の考えることやこれから書いていくことなどはこれっぽっちかもしれないが、目取真氏の言葉を拝借するならば、「たとえ蟷螂の斧にすぎなくても、それをふるっていたいと思う」。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます