おぉぉぉぉーーーーん、きゅわぁぁぁぁーーーん。
何かを訴えるかのような、どこかもの哀しい声。
鯨が鳴いている・・・。
はじめてその声を聞いた時、そう思った。
どうした? 何があった?
あわてて駆けつけると、薄暗い中に驚いたような空の顔・・・。
どうやら毛玉で遊んでいたらしい。
“怒られた”と思ったのか、それ以来
どんなに足音を忍ばせて見に行っても
すぐにやめてしまう。
ブラッシングで取れた毛を丸めた毛玉。
遊んでいるうちに、高揚して大声がでるらしい。
今夜も玄関に空の声が響き渡る。
そして翌朝、毛玉は靴の中から
発見されるのであった。
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座敷わらしかと思った。