日がますます短くなり、寒さも一段と厳しくなってまいりました。明日から雪だそうですね。
本日、木曽地場産業振興センターに木曽漆器の作成現場を見に行ってきました。かねてより常圓寺が発注した、集合墓地のメインとなる、木曽漆器の納骨棚の作成現場です。
こちらは蒔絵。漆を塗り重ねていくことにより、盛り上げていく手法だそうです。アルプスの山々が浮きあがってくるような迫力を感じさせます。
こちらが沈金。表面を削って漆を沈めていくことにより、模様を浮かび上がらせる手法だそうです。
ロボット工学やAI技術が進んできている今、多くの仕事がそれらに取って代わられようとしております。我々僧侶も他人事ではございません。ペッパー君がお勤めする法要導師、あるいはAIがする経典説法など、間違えることが一切なく、お布施の額も人間がするより0が一つも二つも少なくてすむ彼らに対して、どうして人間がお勤めする意味があるのかを明確に説明できなければ、僧侶もいずれは彼らにその大方が取って代わられてしまうでしょう。
見学前は「人の手でやる意味はどういうところにあるのですか」と聞いてみようかと行きの車の中で考えていたのですが、これらの作品とそれらの作成現場を一目見るなり、それが愚問であったことを瞬時に実感させられました。漆器の作品から来る感動は、その繊細な作業なくしては考えられず、その繊細な作業は素人頭にも機械で代替できない(工具は使っても、最終的には職人さんが膨大な手間暇をかけるしかない)ことは容易にわかりました。
本物は一流の職人さんが手間をかけて作るしかない
とにかく、素人がスマホで撮った写真とその説明文くらいでは、その圧倒される魅力が全く伝わりません。完成したら、ぜひ一度見に来てください。