禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

2014年10月23日 | 小さな法話
酔っぱらいのたわごと

お釈迦様が祇園精舎におられたときのお話です。
ひとりの酔っぱらい男がお釈迦様のもとに来て、「俺を出家させろ」と言い出しました。
「酔っぱらいのたわごと」とその場にいた人は誰もが相手にしませんでした。

しかしお釈迦様は、「それでは出家させてあげよう」とその願いを聞き入れ、弟子の阿難に命じてその男の頭を剃らせ、衣を着けさせました。
その後、酔いから覚めた男は、自分の姿が僧侶となっていることにたいへんびっくりし、祇園精舎から走って逃げていきました。

弟子たちは、お釈迦様に尋ねました。
「どうしてあの男を出家させたのですか?あの男には出家する気などさらさら無かったことはわかりきっていたのに」
お釈迦様は、
「長い昔の間、この男は出家をしようなどとは思ったことが無かっただろう。しかしながら酔った勢いではあるが、本気では無かったかも知れないが、出家をしたいと言い出したものである。ここで出家させてやると、これが縁になっていつか本当の出家ができるであろう。」

この話は、大智度論という仏典の中にあり、道元禅師の「正法眼蔵 出家功徳」にも出てあります。

私たちが、お寺参りをしてみようと思う、仏教の本でも読んでみようと思う、坐禅を組んでみようと思う、写経をしてみようと思う、そのこと。
これを、思うだけでなく、実行してみる。
そこに縁が繋がっていくのです。

そして、このブログを今ご覧の皆さんにも「ご縁」がありました。

庭では、「ディスタントドラムス」が一輪の花を咲かせています。


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