禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

パン

2015年04月11日 | 小さな法話
ボランティアといってもさまざまな活動があります。
素晴らしいものから、いろいろです。

東南アジアに「学校」を贈る活動をされている方があります。
毎年、その状況を確認しに行かれるそうですが、その際訪問した学校の子どもたちに「食事」をプレゼントされるそうです。
ある年も子どもたちに、パンを配られたそうですが、大勢の子どもたちが喜んで食べている中で、ひとりの少女が食べずにパンを握ったままだったそうです。
「どうして食べないの?」と尋ねると、その子は「弟や妹に持って帰るの」と答えたそうです。

地域によっては、食事に困っている人々がたくさんおられるのです。

その少女もきっと、おなかをすかせていることでしょう。
食べたいに違いないのですが、それよりも弟や妹のことを思う気持ちが強いのです。
自分のことより、誰かを思う気持ちなのです。



観音菩薩

2015年04月10日 | 小さな法話
お寺参りというと、京都や奈良の観光寺院にでかけることや西国三十三か所めぐり、四国八十八か所めぐりを想像します。

お寺の伽藍を見に行くのではなく、祀られている仏様を拝みに行くのです。

お釈迦さまや不動さんなど様々な仏さまがおられますが、観音さまが多いようです。
室町時代から江戸時代にかけて、観音信仰が広まったようです。

観光寺院でも無い当山にも、檀家さんの信仰の表れとして三十三身観世音菩薩が祀られています。
33という数字は、観音菩薩が衆生を救う時に,33の姿に変化すると言われているからです。
一切の罪が消え、苦しみから救われる。その願いを観音菩薩にたくすのです。

菩薩とは、悟りを開くために、諸行をしている仏で、梵夫の私には身近に感じる仏であります。

4月の写経会のお知らせ

2015年04月09日 | お知らせ
4月の写経会は、19日(日) 8時半からです。

年度替わりの季節です。

あわただしい人、ゆっくりした人、いろいろな人がおられます。

写経は、上手に書くことが目的ではありません。

呼吸を整えて、丁寧に書くことです。
自分の中の「心」に向き合えるひとときです。



区分

2015年04月08日 | 小さな法話
桜前線が、北へと移っていきます。

季節がめぐるのは、地球が太陽の周りをまわっているからです。

「私」は季節の「外」にいるのではありません。

季節と私は、同じなのです。

知識の中で、勝手に区分をしているに過ぎないのです。

お釈迦さまは、「空に東西の区別など無い。人は自らの心によって区別を作り出し、
それを真実であると信じる」と説かれました。

川北忌

2015年04月07日 | 小さな法話
桜の咲く季節は、川北隊という部隊の慰霊の季節でもあります。
慰霊碑にお参りすることはできないのですが、11日の土曜日にお位牌に丁寧にご供養申し上げます。

太平洋戦争のさなか、今津にこられた川北隊は、出兵命令を受けます。
そして南方へ出兵され、多くの方がお亡くなりになったそうです。
見送った方々も、悲しい、つらい思いをされたことでしょう。

今年は太平洋戦争が終わって70年という節目の年です。

私たちひとりひとりが、仏さまの教えにそって、自らをはからわず、人に思いやりの働きかけや言葉がけが自然とできる世の中であることが、誰もが望む穏やかな日につながるのです。