思えば18年前、
私は貴方に初めて会った時、
喜びよりも辛かった妊婦生活や、
出産の痛みが終わった事の方が
嬉しいと思いました。
私は子供でした。
中学校を卒業してから
半年で貴方を身籠り
両親の猛反対を押しきり、結婚しました。
私は子供でした。
赤ちゃんがあんなに夜も寝ない事を
知りませんでした。
そして泣き止まない事がある。
そんな事も知りませんでした。
私は子供でした。
貴方を愛するという、当たり前の事が
見えなくなっていました。
私は最低でした。
小さな手を、私を求める瞳から
逃げました。
貴方から笑顔が消えました。
私は貴方を心の奥深くにしまい込みました。
でも、貴方の写真を見て
よく情けなくなり、会いたくなり
泣いてしまいました。
年月が流れ、貴方の弟が出来た時
私は貴方ともう一度向き合うと
決めました。
もう二度とこの手は離さないと
決めました。
覚えていますか?
貴方が私と暮らしたいと言ってくれた事。
6歳の貴方と
久しぶりに手を繋いだ事。
そこから、貴方との二人三脚が始まったね。
沢山、たっくさんツラい思いを、
寂しい思いをさせてしまいました。
全部、母さんが悪いんだよ。
貴方は悪くない。
アイツにひどい事をされた時、
母さん、貴方と弟を守ろうと
児童相談所に逃げ込んだよね。
本当に苦しかったね。
毎日必死だったし怖かったね。
そんな時、そう、10年前
大地震で大変だった。
本当に大変だったよね。
色んな事から逃げたけど、
やっと最近落ち着いて、
貴方も立派になりました。
今では私の夫の様な相談役。
思えば貴方を抱き締めた事がないね。
今、もし過去に戻れるのなら
小さな貴方をぎゅっと抱き締めて
『大好きだよ』って
たくさん言ってあげられるのに。
なんて最低な母親なんだろうね。
過去の自分をぶん殴ってやりたい。
言葉では言い尽くせないほど
『ごめんね』
でいっぱいです。
でも貴方も4月から
私から離れて
就職して一人で暮らすのですね。
母さん、母親として
本当に最低のクズかもしれないけど、
本当に、本当に、
貴方の笑顔に何度救われたか
分かりません。
一緒に居られるのも
もう少し。
すごく寂しい。
心配もたくさんあるけれど、
何より、貴方が
どうか笑顔で生きて行ってくれたら
貴方の思う
幸せになってもらえたら
それが母さんの幸せです。
いつかこんな日が来ると
思っていたはずで、
願っていたはずなのにね
いざ来ると、
寂しいね。
今の母さんにとって貴方は
本当にかけがえのない
何物にも代えられない
愛しい我が子です。
離れていても
ずっとずっと母さんは
貴方の事を想っていますよ。
体は一つしかなくて、
スペアなんか無いんだから
体調にだけは気を付けるんだよ。
貴方と過ごす残りわずかな日々を
大事に過ごそうと思っているよ。
元気に笑顔で
いってらっしゃい!
貴方なら絶対大丈夫だから、
思いっきり羽ばたいておいで!
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