「ここだけの話なんだけど」とか
そういう前置きがあった上で
話を聞くこともあったりします。
そう言われたからには口外するべからず、
と受け止めますが
時には
自分がしまい込んでいたその“秘密“を
別の人から
「ナイショなんだけどね」
とあっさり聞くことがあってビックリってことも。
今でも覚えているのが
スポーツクラブに通っていた時のこと。
顔見知りもだんだんと増えて
名前も覚えたりしていった頃のある日
私のそばに来て小声で
「実は私ね、あの人と揉めてるの。でも絶対誰にも言わないでね、お願いだから」
深刻そうな話をするある女性の話を
こちらも真剣に聞いていたのですが
それから数日経った頃、
別の女性が私に
「内緒だけどあの子ね、あの人と揉めてるらしいよ」
そう話しかけてきたのです。
「それは誰から聞いたの?」
思わず聞き返したら
驚きの答えが返ってきました。
「え?あの子本人が言ってたよ、内緒ね」
誰にも言うな、内緒の話、
なんの効力もないそれらの言葉を
なぜ付け加えるのでしょう。
「そんな内緒の話を私に言っちゃって良かったの?」
そう聞いてみましたら
「あなたにしか言ってないから」
いやいやいやいや、それってアリですか?
というか、
きっと私にしか、ではないですよね?(笑)
こうやってうわさは広がるんだな、
とわかりました。
内緒のハナシといううわさ話って
人と人とを結びつけるきっかけになったり
場を持たせる話題にちょうど良かったりするのかもしれない気がします。
つい先日のことですが、
ある頭の良い方から私に
「あの件ですけど、なにかご存知?」と連絡がありまして
「はい、驚きましたね」
なんて当たり障りのない返事をしましたら
「あなたなら事情を知ってるんじゃないかと思って連絡しました。実は他にもこういう話が出ています、これは内密でお願いします」
そんな話が返ってきて。
これはつまり
あちらも内密な話を出してるんだから
こちらにも出せ、と?
困りました!こういう駆け引きは苦手です。
しかも
なんで私なら知ってる、と思われたのでしょう。
あなたならすぐ話しちゃうわよね、という意味でしょうか。
内緒にしておいた方が良いハナシ。
それなりの理由があるわけで。
でも、
それを知ってしまって
誰にも言わずに抱えておくのって
本当はけっこうしんどいけど胸に留めておいたのに。
それを
なんとも自然に交換条件のようなトラップが仕掛けられ…
上手く誘導されてしまいました、私。
負けてしまったんです。
「…こちらも内密でお願いします」と。
自分もやってしまいました。あぁ、反省。
ですが。
よくよく考えたら
私だけが知っていたこと、とは限りません。
もともとの本人が
他の人にも話しているかもしれないです。
“私だけが”なワケがない。
どんどんそんな気がしてきました。
…って、
「ここだけの話」をした人はみんな
こういう心理なんでしょうね、きっと。
もうやめとこ。