路線バスを降りた私は
すぐに傘が開けず
後ろから次々に降りてくる人々の邪魔にならないよう、
少しそれた場所で丸めた傘を
開こうと手間取っておりましたら
私の横を通過していく3人目くらいの人が
フッと立ち止まって
私を傘に入れてくれています。
私は顔を上げて
「あ、すみませんっ」
その人は
ニット帽をかぶったおじいさん。
こちらを見ることもなく
なんの返事もなく。
私は自分の傘を開いて中に入り
「ありがとうございました」
そうおじいさんに声をかけると
おじいさんは
何もなかったかのように
また自分の頭の上に傘を戻して
そのまま歩いて去っていきました。
…ドラマの始まり?(笑)
ほんの5秒くらいのこと。
さりげない優しさが嬉しかったです。