混雑したバスの中。
私の隣に立っている女性と、その
向かいに座っている女性とのやりとりが
小声でありながら私にも聞こえてきて
渋滞でノロノロなバス時間、
退屈せずに乗っていられました ՞ ◜∀◝ ՞
座ってる女性は
70代くらいのおっとりした雰囲気。
膝の上に置いているエコバッグの中から
大きめのレジ袋の包みを取り出し、
向かいに立つ女性に差し出しました。
「どうぞこれはお持ちになって」
…というような感じの話をしている様子。
立っている女性の方は50代くらいでしょうか。
親子かな、と思ったけれど
どうもそうではなさそうで。
「いえいえ、結構ですので」
…という雰囲気でやんわりとお断りしている様子。
「そんなことおっしゃらないで…」
「いえいえ、本当に結構ですので」
「あら、でも…」
「いえいえ、本当にもう…」
そんなラリーが
ずーっと続いているのです。
お互いに
“差し上げたい理由”と
“遠慮する理由”を述べ合ってる感じです。
横で聞いてる(?)私は、
『ここまで言ってくれてるのだから、ありがたく受け取ってあげたら?』
と言いたくなりましたし、
『もうここまで断ってるんだから、いい加減しつこいですよ』
と言いたくもなりまして(笑)
全くの部外者ですし
思いっきり盗み聞きなので
なにも言いませんけれども( ˙ᒡ̱˙ ®)
ヒソヒソ話に近い音量なので
なにがトドメになったのかわかりませんが
座ってる女性が
「では…ありがたく…なんだか悪いわぁ」
どうやら解決。
よかったよかった。
そう思っていたら
その女性、エコバッグを探り始めて
「これ、どちらかいかがかしら」
今度は品物がハッキリ見えます。
お魚の佃煮の真空パックが2種。
立ってる女性はまた
「いえいえ、それはもう…ヒソヒソヒソヒソ…」
さらに小声で
受け取れない理由を詳しく説明し始めた感じです。
ですが座ってる女性も
「いえ、でもこれなら…ねぇ」
まるでトランプのババ抜きのような感じに
真空パックを持って
立ってる女性に向けています。
もうエコバッグに戻してくれ、と言わんばかりに、手で佃煮を押し戻す仕草の立ってる女性。
そこからまたもやラリーが始まりました。
第2ラウンドのゴング、鳴らしましょうか!
そのうちに
ようやく佃煮カードもエコバッグに戻りました。
でもまだ手はエコバッグの中で動いています。
お次は、海苔1帖が入ってるパッケージを少しだけ覗かせて
「海苔なら!これならいいわよね!」
と座ってる女性。
立っている女性は
もう声は出さずに手を海苔にかざし
『出さないで』というジェスチャー。
座ってる女性は
「う~ん…どうしましょう…」
まだエコバッグの中を探りながら
「なにかあげたい!」
その後少しして
お二人は同じ停留所で下車されました。
勝者は立っている女性。
座ってる女性は、あげることは叶わなかったです。
それにしても。
あんなにも断り続けるというのは
遠慮ではなく、迷惑だったのでしょうか。
受け取ったら後々面倒だったりもあるのかな。
“あげたい”と “いらない”
実際なかなか気を使う問題ですね(´❛-❛`)