長くて短い一日

今日は童話を書く方４名、絵本を描く方２名でのオフ会。日ごろの子育ての疲れを発散するぞーっ!!と、朝から大ハリキリ。門限が６時と決まってるから、少しでも早く出かけて楽しんでこようと、掃除も食器洗いも、ものすごい勢いで片付けた。そうそう、創作のことも忘れちゃいけない。創作仲間と会うんなら、こぼれるほどネタが降ってくるかも…と、ぶ厚めのアイデアノートと、クルクルよく書けるペンを２本、かばんにしのばせた。
梅田でお友達と待ち合わせ、阪急三番街のロイスカフェシノアへ。お値段の割にボリュームがあって、美味しかった。ごはんを抜くダイエットをしてるのを忘れて、天津飯のセットを頼んでしまったのは、迂闊だったけど。
食事のあと、地下鉄と泉北高速を乗り継ぎ、堺の深井駅から徒歩１０分のところにある、絵本ギャラリー『ＲｉＲＥ』さんへ。
http://rire.co.uk/
白い建物の扉を開けると、まるで、ウサギさんかクマさんが店長さんじゃないの？と思えるほど、メルヘンチックで可愛いお店だった。木の香りがただよう棚には、手づくり絵本や、出版された絵本、外国製のおもちゃなどが並んでいて、見ているだけで心がなごむ。出版された絵本は、なかなか手に入らないような名作も数多く並んでて、うちの子供達が来たら、大喜びするだろうなと思った。
美味しいコーヒーを入れて頂いて、のども心もうるおった。
なんばに戻って、ここでお友達お二人とは、名残惜しいけど、お別れ。４時１５分。わたしのタイムリミットも刻々と近づいてるけど、ここでコーヒーだけで帰れるかいなぁと、わたしの中のおっさんが叫ぶ。お友達の温かい心遣いで、キリンプラザのＫＰＯカフェへ。ここでは、４種類のビールを飲みくらべできるお試しセット５２５円を頼んだ。あまりに、ビール!!ビール!!と心が騒いで、おつまみを頼むのも忘れてたほど。乾いたのどと心に、このビールが最高だった。いつからわたしは、こんなに乾いていたんだろう…。２時間前ということにしておこう。
気の合うお友達との会話で、コロコロ笑ってるのは、心の底から楽しい。高い天井からは、心地よい音楽が降ってくる。秋のやわらかい風が、優しく背中をなでてくる。戸開けっ放しなんか？と思いつつ、こんなに極上のシチュエーションは久しぶりだなぁとしみじみ。もう、時間なんてどうでもいいやぁという気になる。トロンとしながら、トイレに立った。ふと携帯の時計を見ると、５時半！　げーっ!!　魔法でも使わんかぎり、６時には家に着けへんやん!!　お友達にバタバタと別れを告げ、御堂筋を突っ走る。あわてて、夫にメール。どこにいるかは、ばらさない。
そごうの地下で、ロールケーキとフランスパンをお土産に買い、パパには近所で、ビールとピスタチオを買って帰った。
６時３５分、無事帰宅。扉を開けると、出迎えてくれた三女は、ピンクのピカチューの水着を着ていた。ううっ！　恐るべし、３才児。まったく予期せぬ展開だった。それでも、子供達はごきげんだったようで、夫にも門限のことは何も言われなかった。いや、言えないほど、弾丸のようにしゃべりまくった。
豆を食べながら、長女が夫にたずねる。「パパ、この豆、何て言うの？」「カルパッチョや」
ううっ！　三女を上回る予期せぬ展開。父の威厳のために、黙っておこうかとも思ったけど、長女が間違えておぼえてしまっては困る。「カルパッチョちゃうやん、ピスタチオやで」と軽くつっこんでおいた。そうして、日本昔話など見ながら、長くて短い一日が終わろうとしていた。
かばんの中にしのばせておいたぶ厚いアイデアノートと、クルクルよく書けるペン２本は、こうして一度も外の空気を吸わないまま、また眠りについた。