【創作びより】

現実は凄い


日曜は、長女の空手の試合だった。
親も子も初めての経験。全国から、選手が集まる。会場となった体育館は一周グルリと観覧席が並び、コンサートでもできそうなほど、立派だった。
その観客席で、試合を見ながら、大きな問題に気づかされた。
今年の北日本児童文学賞は、長女をモデルに、空手の話を書いた。はじめは、あと何年もしてから、長編の素材にさせてもらおうと思っていた。ところが、現実は小説より奇なりで、あとからあとから、娘のまわりで、いろんな事件が起こる。これは…と思って、朝早く起きて、全体の四分の三を一気に書いた。一次選考は通過したが、二次選考は通過しなかった。
ちょうど大賞が発表されたところで、選評などを見て、自分の作品が落ちた理由をあれこれ考えていた。でも、それらの理由がすべて間違っていたと、試合会場で思い知らされた。
取材が足りなかったのだ。物語の最後で、試合のことを書いた。それ以外は、道場で見聞きしたことを書いていたけれど、試合は、本を調べて書いた。
でも、実際に見ると、まったく違っていた。これは……、空手のことを知ってる人が読んだら、わたしの文章は、コントのように思えたことだろう。いやーな汗が流れた。そして、恐ろしいなと思った。文章を書くことは、なんて恐ろしいんだろう。自分が経験していないことを書くには、かなり突っ込んだ取材が必要だ。それでもまだ、実際に経験して得られる感覚とは大きく異なる。試合会場という、あの場でないと体感できないことを数多く体験させて頂いた。それは、試合を見つめることであり、人間を見つめることだった。
本当に、書くのが怖くなりそうなほど、現実は凄いと思った。
書き直して、次の賞に出そうと思ってた作品だけど、まだまだ書き込まないといけない。上っ面だけで書いたのでは、実際にやっている人に失礼に当たる。ほんとに書けるのだろうか…。
人間的に、もっともっと成長せねばと強く思った。

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