初稿ができて、二稿、三稿と進めていくなか、
長女が、初稿の原稿を勝手に持って行って、読み始めました。
「赤だらけやし、読まれへんのちゃう?」とたずねると、
「ん? べつに」と、それほど気にかけるようすもなく、
途中で質問をしてくるでもなく、読んでいました。
しばらくして見ると、原稿がテーブルの上に、バサリと置いてあります。
(え? え? 感想は!?)
おそるおそる、長女に聞きました。
「ぜんぶ、読んだ?」
「うん、まぁ……」
「ど、どうやった!?」
カラカラ笑って、何もも言わない長女…。
む、無視ですか!?
き、きつい。ボロクソいわれるよりきつい。
「盛り上がりに欠ける? なんでもない話やったかな?」
自分でたずねて、気がつきました!
それだ、それです! 足りないのは、スパイスに隠し味に、
美味しく見せる演出、ほかもろもろ!
今から直して、間に合うのか不安でしたが、
かなりの部分にメスを入れ、大手術を施しました。
土曜日は、保育所の運動会。早朝、場所取りの順番待ちをしながら、
刷り上がった原稿に赤を入れました。
原稿は直しを入れれば入れるほど、完成度が上がっていきます。
まだまだ直したい。直せる。直さないと!という想いで、赤を入れ続けました。