「テーマパーク化する地球」
東浩紀著 ゲンロン 2019年6月発行
著者は「存在論的、郵便的」という優れたデリダ論によって知られる哲学的評論家であり、
三島由紀夫賞を取った小説家でもある。また「ゲンロン」という会社を立ち上げて、その書き手
であり、経営者。
本書は筆者が2011年3月の東日本大震災以降に書き留めた評論集である。私は筆者が
このところ展開している「観光の哲学」や「慰霊の哲学」に関心があり、本書を手にした。
期待通り面白い論考が展開されている。内容に触れる余裕はないが、本書は苫小牧市の
カジノ誘致の問題や白老町のアイヌ民族の文化発信の問題を考えてみる上でも示唆的な
書物である。
千歳こぶしクリニック 院長 寺岡政敏
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