「ベルクソン『物質と記憶』を再起動する 拡張ベルクソン主義の諸展望」
平井靖史ほか編、書肆心水
本書はベレクソンの「物質と記憶」を現代の諸科学の知見を通して、その理論の拡張を試みる国際シンポジウムの三冊目の論集で、シリーズの完結編である。今回はその拡張を人工知能にまで伸ばしている。一冊目は現代知覚理論や時間論、心の哲学に接続させて論じられている。二冊目は時間経験の哲学、意識の科学、美学、倫理学へと議論は展開し、精神医学の分野から兼本浩祐先生が参加している。難しいが極めて刺激的な試みである。本書はまだ途中までしか読めていないので、これからじっくり読んでいこうと楽しみにしている。
千歳こぶしクリニック 院長 寺岡政敏
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