「語りの底に―臨床文化精神医学」
大月康義著 金剛出版 2019年8月発行
岩見沢市で精神科クリニックを開業している著者より本書をお送りいただいた。
著者はサリヴァン、中井久夫、萩野恒一、ハイデガー、などを取り上げて
文化精神医学的な考察をしている。語りや言語の深層にふれながら、解離や憑依や
非定形精神病の成り立ちを、文化ないし民族との接点で考察していく。とくに
「文化の中で個人の心性をとらえていくことが精神科臨床である」とする著者の
姿勢から教わるものが多い。前著の「語る記憶」の時と同様に江口重幸が今回も
友情溢れる解題を書いている。
千歳こぶしクリニック 院長 寺岡政敏
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