Aくんが、今日さんあいを出て行くことはユニットのみんなも分かっていた。 朝から何となくぎこちないAくんと子どもたち。職員はここ数日Aくんが一生懸命涙をこらえていることは分かっていた。涙を見せたくないので普段どおりに振舞おうとするAくんの姿が、かえって別れの時が近いことを他児に意識させてしまう。同室の高校生Bくんは、まさか年長児とのお別れに涙は見せられないと数日前から防衛線を張っている。
Aくんの家族が迎えに来た。いよいよお別れの時だ。あんなに帰りたかった家族のもとでこれから生活できるのに、何で悲しいんだろうねAくん。こらえきれずに職員や子どもたちに抱きついて号泣するAくん。
部屋に戻ったら、ソファに顔をうずめて嗚咽する高校生のBくんがいた。
ウルトラマンが大好きだったAくん、5年前さんあいに来た時に緊張してフィギュアを握りしめていた。
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