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あやし -宮部みゆきの時代小説-

2012年06月16日 14時52分29秒 | この本がイイ!

子どもの頃から読書好きで、ジャンルはさまざま。

特に好きなものは医療や科学サスペンスで、ロビン・クックは完読してる。

続いてジュラシックパークで知られるマイクル・クライトン。

彼も医者だっただけに理論展開がしっかりしていて凄く読ませてくれる。

あのドラマ「ER」の脚本も手がけてるし、最高!

2008年に亡くなったのがつくづく惜しまれてならない。

普通のミステリーも結構読むのだが、日本の女流作家のはあまり好きじゃない。

特に2時間サスペンスの原作とされている方々のは読んだことがない。

なぜか食指が動かないのだ。

 

ただし篠田節子は別。彼女の「アクアリウム」を読んだとき、

日本の女流作家には珍しくべたべたした感じがなく、

爽やかにストーリーが進み、ぐいぐい引き込まれたので一気にはまった覚えがある。

ただそれくらいだった。

 

ところが!

友人に勧められ、宮部みゆきの「あやし」を読んでみて開眼した。

これは面白い!

時代小説の短編集なのだけど、いずれもオカルトめいた不思議な話で

飽きさせないし、時代小説なのに読みづらさもない。

時代小説では山本周五郎が大好きで、ほとんど読んでいるけど

山本とは違った趣でスルスル読み進めてしまった。

その後、次々に彼女の時代小説を買っては読んでる有様。

 

もともと宮部みゆきに関しては変な先入観があった。

彼女の受賞作「魔術はささやく」が日本推理サスペンス大賞を受賞したとき、

ある批評家が酷評していたのをうっかり読んでしまった経緯がある。

曰く、ストーリーがいい加減だとか、現実味のないトリックとか、

とにかくボロくそに書かれていたのを覚えている。で、まだ若かった私は

「そうか、宮部みゆきは受賞したけど、ダメ作家なんだな」とすり込まれてしまった。

で、そのまま彼女の小説を避けていたってわけ。

タイトルやあらすじには惹かれていたものの、

クソな批評家の「ダメ作家」烙印が私の中で消えなくて・・・。

でなきゃ、とっくに読んでたと思う。

「あやし」ほかの時代小説もとても面白かったので、

今度は現代版ミステリーのほうも読んでみようと思っている。

 

 



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