私が子供の頃、“キャシャーン”というアニメがありました。
元は人間が作ったロボットが、自らの意思を持ち、人間を支配してしまう。
新造人間となったキャシャーンが、人間の社会を取り戻す為、ロボット軍と戦うという物語でした。
壮絶な戦いの末、勝利をおさめるのですが、キャシャーンが人間に戻ることはできません。
子供から渡されたりんごをかじるキャシャーン。
味覚を失ったキャシャーンにりんごの味は解らない、
なのに、美味しいと答えたその姿が、とても切なかったのを今でも覚えています。
職場では、一日中、パソコンに向かい、
家に帰れば、手持ち無沙汰の慰みから、今夜もまたこうしてBlogを書いています。
ある時は、無為に携帯を触り、送ることもできないメールを書いていたり・・・。
仕事にせよ、私生活にせよ、気がつけば、いつの間にか、携帯やパソコンなしでは、
過ごせない生活になっていました。
いわゆるネット依存というのに陥っているのだろうと思います。
快適で便利であるはずの機械に囚われ振り回され、
どっちが主役であるのか解らないところが、先のアニメとオーバーラップしました。
携帯にカメラが付いた時も驚きましたが、今では、指で触れるだけで画面が動く。
最近、危険を察知すると自動的に止まる車があるらしいですし、
テクノロジーは、私には信じられないスピードで進んでいきます。
進歩は素晴らしいものだと思います。経済にとっても必要なことなのは分かりますが、
ただ、人間の感覚がそのスピードについて行ってないように思えてなりません。
それに、科学、とりわけ医学の進歩は、益々、神の領域に近づいてきました・・・。
娘が大人になった頃には、どんな時代になっているのでしょうか。
人間が人間らしく、
本当の意味で、快適な世の中になっていることを望みます。