よく偏頭痛があると以前書きましたが、私は、それ以外にもひたすら気分が悪いことがたまにあります。そういうときは食べたいもの(何でもいいからカロリーなんて気にしないで欲求の赴くままにばくばく食べる!)を食べて、大好きな音楽を聴きます。第一次欲求を満たすのが一番てっとり早いです。がむしゃらに家事にいそしむのもいいかもしれない。(家の中が片付くし^_^;)
余談ですが、私は学生時代、ちょっと心理学をかじっていたので、心の病、性格分類・気質による社会心理学的行動などにとても興味があります──。だから、よくネット、雑誌などで目にする、
『うつ病は“心の風邪”です。』(厚生労働省がHPなどでよく表現している言葉)
という言葉は大いに異論有り!
日本は精神医学への理解と医療がちぐはぐで、企業のフォローも欧米に比べて遅れていると思います。アメリカなどは会社にカウンセラーがいて、セラピストという存在がけっこうメジャーに受け止められています。企業という競争社会において、精神的疾患が出現するのは、ある意味必然です。彼らはそれを真っ向から受け止め、早期治療、できる限りの偏見の排除に努めているのです。
それに比べて日本は昔からの偏見からまだまだ脱していない・・・。「キチガイ」という言葉が放送禁止用語なのがいい例です。存在するから禁止しなければならないわけで、つまりはまだまだ一般的に“通用する言葉”なのです。
というわけで、私のわずかな知識を取り入れながら、この“心の風邪”(と医者が称する症状)についてわかりやすく説明してみたいと思います。
◆うつ病とはどんな病気なのか?
<1>気分が落ち込んで悲しく寂しい気分になり、何に対してもおっくうで疲れやすくなる。集中力低下。自分がつまらないものに思えて、なかには死を考える人もいる。
<2>こうした症状は時間にによって変化し、朝に重く、夕方から軽くなっていくのが特徴。
<3>20歳代で初めてかかる人が多く、40歳代から60歳代の人にも多い。女性がかかりやすい病気。
◆日常的な気分の落ち込みと、どう区別するのか?
<1>症状の強さ・長く続く点が違う。うつ病の方が重い。
<2>食欲が落ちて、体重が減少。
<3>よく眠れない。
<4>便秘がち。
<5>性欲が低下。
◆原因はなんなのか?
※一言でいうなら“ストレス”が最大の誘発原因。身体的、性格的な素因と、きっかけとなる出来事の組み合わせで起こることが多い。その傾向の強い個人の性格的特徴と、主な出来事、その他は以下のとおり。
<1>きまじめで責任感の強い人に起こりやすい。
<2>きっかけは様々だか、悲しいことやつらいことの経験が多く、なかには昇進や子供の結婚、引越し、などがきっかけになることもある。
<3>一生のうちに一度以上うつ病にかかる確率は5%~10%と推定され、比較的多い病気だが、本人が気づかない場合が多い。
<4>医学的には脳内の神経伝達物質の一部の機能低下が原因。急激なダイエットも危険な場合がある。
◆治療方法は?
<1>薬物療法
(イ)抗うつ薬で脳内の機能低下している神経伝達物質の機能を高める。
(ロ)抗不安薬、入眠剤を服用する。
<2>精神的休養が大切で、仕事を休んだ方が良い場合が多い。
◆周囲が気を付けることは?
※叱咤・激励は禁物。「がんばって」などという言葉はかけてはいけない。
◆①正常な悲哀反応と②うつ病の比較
<発症の比較>
①正常な悲哀反応は、愛する人と死別したときなどの、誰でも悲しくなって無理のない状況で生じる。理由をその当人がよく分かっているのも特徴。
②慣れ親しんだ生活の仕方やリズムが変化するときに発症する。
発症しやすい性格的特徴は、きちょうめんで完全主義者。責任感が強く、対人関係でも波風を立てない人が多い。
(きちんとした性格の人が秩序の変化に対応出来なくなるとうつ病に陥る。ただし、患者自身は自分の性格や発症状況について自覚していないことがほとんど。原因を自覚していない点で、『正常な悲哀反応』と異なる。)
<表出する症状>
①身体症状が特にない。
②身体症状を必ず伴う(食欲不振、体重減少、便秘、その他の自律神経症状など)
◆うつ病の疑いがある症状の特徴
<1>周期性がある。
<2>状態が悪いからといって、具体的悲哀を感じているとは限らない。
おっくう・イライラがあり、気分が重く沈んではいるが、当人は
“感情が湧いてこない”
“悲しいという気持ちすらなくなった”と訴えがちである。
<3>意欲減退、感情抑制、長期的不安感がある。
(痴呆との区別が難しいことがあるので要注意!)
<4>具体的には
不眠・・・・朝起きたときの気分が最悪。中途覚醒の場合、寝入りばなは良いが、2~3時間でパッと目が覚め、その後は努力しても眠れない。
早朝覚醒の場合、いつも起きる時間の1~2時間前ぐらいに目覚める。起きるには早いので、布団の中でうつらうつらと過ごし、職場では仕事に集中できず、昼食後は猛烈な眠気と戦うというパターンが多い。
その他の症状・・・・イライラする。やる気が起きない。全身の倦怠感。
今までカラーで総天然色の中で生きてきたのが、急に白黒写真の中にいるように感じられる。
◆チェックしてみよう!
・“夜中に何度も目が覚める”または“朝早く目が覚める”ことが続いていないか?
・“食べ物の味が分からない”、“食欲が湧かない”といった症状が続いていないか?
・仕事において“気が乗らない”、“ミスが増えた”といったことがよくあるかどうか?
・“運動したあとでも疲れがとれにくい”ということはないか?(よく「気分転換にスポーツをしたら」というが、ウツの人には逆効果である)
・日常のささいな動作(掃除、後片付けなど)がおっくうになっていないかどうか?
・これまで趣味にしてきたことに関心が薄れていないか?
◆自殺のサインを見極める
(前述したとおり、うつ病の人は一定の割合で“死”について考えます。統計調査では、自殺者の7割がうつ病と言われているほど。責任感の強い人ほど心の病を隠そうとするので、うつ病と気づくのが遅れがちなのです。職場、家庭のサポートが一番の自殺防止となるので、ここではよくある“自殺のサイン”についてまとめてみました)
・酒量が増す(うつ病の場合、まずアルコールは厳禁。眠りを浅くし、ウツ症状を強める作用があるし、衝動的自殺に及んでしまうこともある。楽しい酒場の雰囲気も気分の沈んだ人にはつらいだけである)
・失踪など自ら危険な状況を作る
・仕事の負担が急に増え、大きな失敗をする
・“本人にとって”価値あるもの(職・地位・家族・財産)を失う
・大切にしていた品物を誰かにあげる
・今まで沈んでいたのと反対に不自然なほど明るく振る舞う
・人に会いたがらない。自分をつまらない人間と思いこみ、会社にも家族にも申し訳ないと言い出す
◆女性がかかりやすいって本当?
・世界保健機関(WHO)が世界の十数カ国でうつ病の患者数を調べ、女性の数が男性の約2倍になると報告しているので、統計学的事実。(米国の調査データでは、男性で5~12%、女性で10~25%と、やはり2倍以上になっている)
・米国立衛生研究所(NIH)のマーク・ジョージ氏が、1997年、人が悲しむとき、脳のどの部分が働くかを調べた。脳の働いている部分は、血液の流量が増大する。陽電子断層撮影(PET)装置でそれを測定し、被験者が、悲しみを思い出している最中に彼らの脳をPETで観察してみた。被験者の悲しみの程度によって結果が左右されるから、あらかじめ別の試験によって、悲しみが同程度と判定しておいた男女の脳の興奮部位を比較。その結果、男女とも脳の左半球の前頭前野が同じ程度に興奮したが、女性では特に、大脳辺縁系の血液量が男性の8倍にも増大していたことがわかった。
彼は、怒りや不安、幸福についても同様に、男女の脳の血液の流量をPETで調べたが、悲しみの測定で得られたほど大きな男女差は見られなかった。
その研究で発見されたことは、悲しみの際に活性化された脳の2つの部分が、うつ病になったとき、正常に働かない部分と一致することである。つまり、悲しみで大脳辺縁系が過剰に消耗し、この部分の働きが低下してうつ病となる。その傾向が、女性に強かったことを示している。
・女性特有のホルモンの変化が影響しているかもしれないと考えられていた時期もある。月経周期に合わせて月経前に精神的に不安定になったり気分が沈み込んだりする月経前緊張症や月経前気分不快症は月経周期に連動するホルモンの変化が影響していることは良く知られている。
出産後に気分が沈み込んだり精神的に不安定になったりする産褥期うつ病や、中年期の月経がなくなってくる時期にウツ状態になる更年期うつ病もホルモンの変化が関係しているそうである。しかし、最近の研究からは女性がおかれている社会環境の厳しさの方がずっと強くうつ病の発症に影響していると考えられるようになっている。
(過重労働で、男性は過労死につながる脳・心臓疾患を発症するケースが目立つが、女性はストレスから精神障害となることが多いと言われている)
以上、参考文献を見ながら、長~い文章を書いてみました。
“心の風邪”という表現は、「必ず良くなる」という意味ではないようです。では何を意味しているのか?それは、患者数があまりに多いことを意味している言葉だったのです。
この時点で、多くの人に誤解を与えているのは明らか。
でも「頑張れ」という言葉が禁句なのですから、せめて「いつかきっと良くなるから」という、至極善意に満ちた言葉なのかもしれません。
ともあれ、一番大切なのは周囲の理解です。他人にストレスを与えることは、ちょっとした(とんでもないケースもありますが)暴力に匹敵することを、全ての人が自覚するのが大切だと、私は思います。
以上、長々とくどい文章を書き連ねてしまいましたが、どうか機会があったら熟読していただき、自分、あるいは他人の“早期発見”に役立てていただけると嬉しいですm(__)m。
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