今回は4つの側面の2つめを説明します。
“直感型(Intuition、N)と感覚型(Sensing)” についてです。
すべての人は、物事を知覚するのに2つの手段を持っています。1つは、直接に五感を通じて物事に気付くという、普通にいう感覚であり、他の1つは外界の物事を受け止めるときに、無意識にある観念が伴って生ずるという間接的な知覚・・・すなわち直感です。
感覚機能の発達している人は、客観的事実を事実そのものとして受けいれる現実家(S)ですし、直感機能の発達している人は、事実そのものより、あらゆる潜在的可能性に関心を持ちやすい(N)のです。
例えば感覚(S)タイプの人は美しい風景に接して、その「美しさ」そのものを感じるでしょうし、直感(N)タイプの人はその裏に潜む「自然の神秘さ」に心を打たれることが多いでしょう。これら2つのタイプの特徴は以下のとおりです。
【直感型(N)の特徴】
・個性的
・理論好き
・新しい問題に取り組むのを好む
・独自の仕方を工夫する
・複雑な事態に耐えうる
・独創的
・好奇心が強い
・同じことを繰り返すのが嫌い
・きまりきった日常の仕事に耐えられない
・空想的
・理屈っぽい
・現実離れも苦にならない
【感覚型(S)の特徴】
・現実的なものの見方をする
・経験を重んずる
・実践的
・確実で従来どおりのやり方に従う
・着実に働く
・きまりきった細々した仕事も苦痛ではない
・細かなことに注意深く、観察を好む
・画一的
・保守的
・複雑で抽象的なことが嫌い
・本質の洞察が苦手
・新しい事態に対処しにくい
このタイプの違いをさらに具体的な例で説明してみましょう。
目の前に10センチくらいの深さの置物があったとします。
直感型(N)の人は「花をさして花瓶に使おうか?それとも・・・」とあれこれ空想して考えが散漫に広がっていきがちです。これに対し、感覚型(S)の人は「円くて、直径が○センチで、深さが10センチほどの○色の灰皿の形だ」と、その対象物そのものについて考察していきます。
こう書くと「じゃあ空想小説、ファンタジーが好きな人は直感型(N)なのか?」といったらこれは間違いです。なぜなら、実際テストで感覚型(S)で、ファンタジー小説が大好きな人が現実にいたからです。
空想小説、ファンタジーを創作する人はおそらく直感型(N)である確立が非常に高いでしょう。しかし、読む側は、書いてあるとおりに受け止めても十分楽しめるのですから、そうとは限らないのです。ましてや映画など、“音、言語、映像”と複数の感覚を刺激する場合、それを好む人は空想しているのではなく、受動的に楽しんでいるだけです。
(もちろんそこから更にあれこれ考えて、解釈を広げる人もいるとは思いますが・・・)
ただし!
また注意事項として書かせていただきますが、誰もが両方の特徴をあわせ持ち、どちらかの特徴が突出しているのだ、ということだけは忘れないでください。
2つの分類は、行動、思想に現れる頻度の違いであり、あくまでも『傾向』にすぎません。決め付けるのはとても危険なのでやめてくださいね。
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