The Diary of Ka2104-2

経済学/消費者と需要に関わるグラフ~その2無差別曲線ー石川勝敏

消費の内容を決定する要因は、価格と所得と好みの3大要因から成ります。

予算制約線にはその1で見られたように、3大要素の内、所得(予算)と価格の要素が組み込まれていますが、これだけでは実に米と肉の組み合わせは決まらないのです。「好み」が抜けているからです。

図1-2を見て下さい。これもまた、縦軸に米の量、横軸に肉の量をとってあります。

いま、Aさんは目の前にH(米150Kg、肉10Kg)の組み合わせと、J(米50Kg、肉30Kg)の組み合わせのものを並べられ、どちらも可能で通用するが、それもあってかどちらを選んで良いか迷っています。だとすれば、どちらを選んでも満足度が同じだということを意味します。このとき、「HとJは選択が無差別」であるという表現をとって均衡をあらわします。他にも、HとJの組み合わせと選択のように無差別になる組み合わせが沢山あるだろうから、それら点々を結んでみることにすると、その結果が図1-2のU0であり、U0上の組み合わせはすべて選択が無差別であるという意味で、U0を無差別曲線と云います。

次にHとGとに注目すると、HとGでは米の量は150Kgで同じですが、Gの方がHよりも肉が10Kg多い組み合わせになっています。このとき、当然のようにAさんは、HではなくGを選ぶことになります。Hの組み合わせよりもGの組み合わせの方が高い満足が得られるからです。そして、G以外に無差別な組み合わせも沢山あり、その組み合わせの点々を結んだものが無差別曲線U1なのです。

曲線が右にシフトするということは予算=所得(収入)がより高いことを意味します。U1において、Aさんは昇進したのでしょうか、はたまたU1はボーナスでしょうか。

無差別曲線U1上のすべての組み合わせはGと無差別であり、GはHよりも満足度が高く、無差別曲線U0上のすべての組み合わせはHと無差別なのですから、U0よりもU1の方が満足度が高い組み合わせの無差別曲線と云えますね。

図1-2では2本しかこの曲線が描かれていませんが、単に無差別曲線としてみる場合、無差別曲線は、U0とU1の間にも、U1の右上にも、U0の左下にも隙間なく描かれます。そして、それぞれの無差別曲線は交わることがありません。

図1ー補1をご覧下さい。仮に無差別曲線が交わったとしましょう。AとBでは財1の量は同じですが、財2の量はBの方が多いです。従って、U0上にあるBの方が満足度が高くあります。一方、CとDでは財2の量は同じですが、財1の量はCの方が少ないです。従って、U0上にあるCの方が満足度が低くあります。無差別曲線は同じ満足度が得られる点を結んだものですので、あるところでは他の無差別曲線上の点よりも満足度が高く、別のところでは低くなるというのは論理上で交わらない一種の矛盾です。この矛盾は無差別曲線が交わることから起こったのですから、無差別曲線は逆説的に交わらないと考えるのが妥当で、すっきり美しくなります。

以上、この無差別曲線群の形こそが人の好みをあらわしたものであり、それらはまた時間の経過にしたがって変化することもあり、又、肉好きの人、米好きの人がいるのですから、人によってもその形が違ってくるものです。

ここまでその1とその2では疑問や不審に思われる方もおられることでしょう。なぜって、所得(予算)と価格を組み込んだ予算制約線(収支均等線)の表われと好みを表わす無差別曲線が、各々だけで説明されており、その限りの認知しか得られず、米と肉の組み合わせの「最終決定」については述べられておりませんから。ではその3で。


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