聖地巡礼ファンはアプリが好きか否か?
アニメ聖地巡礼に関わる企業のなかで、とくにIT企業に多いのが、アプリを作ろうとすることです。デジタルスタンプラリーのようなアプリが多いです。
僕の所感なんですけど、アニメ聖地巡礼とそんなスマホアプリって相性が悪いのではないか、と思っているんですよ。
僕は日本各地の聖地に行っています。そこでファンの方ともお話しします。
みなさん、スマホやPC、デジカメを使いこなしています。地図アプリを見たり、ブログやTwitterに記事や写真をアップしたり、とんでもなくゴツい一眼レフで聖地を背景にドール撮影をしていたりします。
概ね、聖地巡礼に来るようなファンはデジタル機器やアプリは嫌いではないと思います。むしろ一般的な人よりは好きな人たちでしょう。
でも、いつも好きか、といえば、そうではない。
便利なツールとしては使いこなす人たちではありますが、一方で聖地に来たら液晶画面を見るより大事なことがあることを知っている人たちでもある。
アニメのモデルになった場所に訪れるのはもちろん、友人と食事をする、地域の人と交流する。自分の好きなアニメのモデルになった街並みと出会う人々とのコミュニケーションを存分に楽しんでいる。アナログな楽しみを十二分に知っているんです。
聖地に来てスマホの画面を見るかどうか?
ためしに聖地である地域をちょっと歩いてください。スマホの画面をずっと見ているファンなんてひとりもいません。
それは、そうなんです。
最近、メタバースという言葉がもてはやされています。
象徴されるスタイルはVRゴーグルをつけた姿です。
いってしまえば聖地巡礼とは、脳内メタバースです。聖地を訪れるファンの頭の中が、すでにメタバース。機械の力はいらないのです。
思うに、聖地巡礼アプリを作るなら、利用者のコミュニケーションを強化するようなツールがいいと考えます。
ファン同士をつなげる。ファンと地域をつなげる。地域と地域をつなげる。
TwitterやInstagramで十分かもしれませんが、聖地巡礼アプリの方向性はそっちのほうではないかと思う次第です。
柿崎俊道
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