こんこんとわかるように、伝わるように説明を繰り返してみる。
教育係となった者も、現場責任者さえも額の上に巨大な?マークを浮かべつつ…
対峙する。しかない。
ベトナムからの女子だ。
一応、今は日本語学校に日中通い、日本語を学んじゃいるが、誰から伝授されたのか、あいさつ程度の言葉しか話さない。
〝おはようございます〟
〝おつかれさまでした〟
ちゃんとは言えていない。いつも蚊の鳴くような声で、それ様に濁す。
仕事が終わっても、まるで逃げるようにそそくさと帰って行く。
元来女っ気のない、男ばかりの職場である。察するに居心地は百倍悪いんだろう。
何より大体が会話が成り立たないんじゃ、何も始まらない。
そうだ😃💡
ここはGoogle翻訳機に活躍願おうではないか。
しかしいちいち携帯に語りかけて翻訳してって、こういうメカに慣れない下々の自分らには、正直メッチャめんどいものなのよ。
話に〝ハイ〟とは言う。
うなずきもする。
でも本当のところ、こちらの言わんとする様々は何一つ伝わってはいないのだ。
先日、会社で健康診断があった。
どういう説明がなされたのか、職場の一員である彼女も参加したようだ。
翻訳された〝健康診断〟の言葉に、ニヤケながら〝ハイ〟と応えていた。
随行した同僚に、その時の様子を聞いた。
検尿で顔から火が出るほど赤面して、血圧は上がり過ぎて測定出来ない程で、採血では顔面蒼白になっていたそうだ。
わからないと言えないから、とりあえず今は〝ハイ〟と言って、どんな場面でもその場を切り抜ける。
出任せに任せるしかない。
理解なんて一体、言語習得のどの段階で訪れるものなのか。
言葉の壁とはよく言ったもんだ。