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昨年発売させた’13ステラSWをフルオーバーホールでは初めての依頼が来ましたので感想を書いてみます。
あくまでもカノケンの個人的主観です。
誹謗中傷的コメントは控えて頂きたいと思います。
実売価格で¥90000円前後とステラシリーズの中でもフラッグシップとして位地するSWシリーズ。
今回のモデル、発売当初の売りは徹底した防水性能でした。
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’08まであった注油口をキャンセルした防水性能。
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そして、’08では一列だったコブが二列になっているのも興味深いです。
この辺りを中心に書いてみます。
先ずはローターを外します。
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このクラッチカバーとピニオンギアの隙間もカタログスペックでは、「特殊グリスを充填する事で。」とあります。
分解してみた所、僕には ただ塗ってあるだけの様に見えました。
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次にハンドル接合部周りの防水設計。
’01、’08ステラまではここのベアリングは外側から見ても剥き出しでしたが、’13ではゴムパッキン→金属ワッシャ→ベアリングになっています。
錆などを配慮すればワッシャは樹脂ワッシャでも良かったかなと個人的には思いました。
ただ、この方式はダイワだと1つ前のソルティガから少なくても採用されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/8a/62f2075243dd541a82abbb2c96680384.jpg)
そして本体左右の接合部の防水設計。
ここも輪ゴムの様なパッキンを挟んでビスで左右を固定してありました。
これもソルティガではとっくに採用されています。
正直な考えとしては、クラッチ周りの防水性は新品時のスペックではマグシールドの方が優れているのではないか?
と思いました。
次に、コブが増えた理由です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/c7/6891730a2c604a8bb7e0b72969301d7c.jpg)
写真は’09ツインパですが、構造は’08ステラと同じですので参照して下さい。
’08ステラSWでは、ピニオンギアとクロスギアの連動をクロスギア上部にある黒いクロスギア・ギアと言うパーツでダイレクトに連結してあります。
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’13ステラSWでは中間ギア方式が採用されており、ピニオンギア→中間ギア→クロスギアの駆動です。
中間ギアの逃げとしてコブが増えていたのですね。
ダイレクト方式と中間ギア方式、どちらが優位で優れているのかは僕には分かりませんが、この中間ギア方式は、設計は異なりますが’01ステラSWでも採用されており、’08でダイレクト方式、’13で中間ギア方式に戻りました。
’01ステラSWでの話になりますが、メリットは正直、よく分かりません。
デメリットでは、
・整備性の悪さ。
・油脂切れを起こした時のメカノイズが大きくなる。
などがありました。
ここで1つのカノケンなりの仮説ですが。
今春発売のスタンダードモデル’14ステラでは、クロスギアを上部に変更し竿にセットし握った状態でのマス化の集中をさせています。
構造上、ダイレクト方式でマスターギアピッチを避ける事は不可能なので マスターギアピッチ間を中間ギアで逃がしクロスギア上部設計を実現しています。
ステラの立場上、SWがスタンダードより新構造を先行するのは許されません。
スタンダードありきの派生モデルですから。
と言う事は、次世代SWもクロスギア上部設計になる事を見据えているのではないか?
勿論、今回の中間ギア方式は’01とは設計、構造、時代も違います。
分割する事により各ギアが小さく出来、それによりハイギアモデルでも巻き取りは軽くなるなどの小さなメリットはありますが、重量増加、トラブルヶ所を増やしてまで あえて採用する事は考えにくいです。
最後に写真は無いのですが、スプール&ドラグ部です。
これは夢屋’08ステラSWと同じ設計の物が採用されていました。
ドラグワッシャの数こそ違いますが、フロントワッシャを小径化、リアワッシャを大径化してあり、恐らくは’13SWの開発に合わせデータ取りの為、先行して夢屋に’08にて発売させたのではないのでは?
と思います。
以上になりますが、他社メーカーとの比較表現などあり、辛口になってしまった部分もありますが、自身で期待していた事が大きく、現実を知ってしまったギャップからなのだと思います。
防水性能、設計だけに関してはやっとダイワに並んだ様にも感じました。
ただ、一長一短、どのメーカーにも必ずある事です。
買い替えを考えている方には、少しでも参考にして頂ければ幸です。