YouTubeを見ていると村田基さんがリールのメンテナンス用オイル、社外オイルについて良い話しをされていました。
僕は自社ソルト仕様用オイル以外はシマノ、ダイワ純正しか使いません。
オイルは大きく分けると2種類に分類され、僕が同業者と話しをする時には、「オイル」、「添加剤系」と分け、村田基さんが話されてたのは添加剤系について話されたのだと思います。
その補足としてお読み下さい。
オイルと添加剤の違いを説明します。
先ずオイル。
オイルとは、オイル。
リール用以外で言えばミシン油や自転車のチェーン油等が分かりやすいですかね。
何も足さず、精製されただけの状態油です。
一方の添加剤系とは、
「1滴挿すだけで驚異の回転」
とかを売りにしたオイルです。
釣り人なら、誰もが1度は耳にした事あるフレーズだと思います。
添加剤系とは、オイル+トリートメント等、金属表面をコーティングしたり、それ以外の効果のある物質が混ぜられたオイルを添加剤系と呼んでいます。
ではそれぞれのメリット、デメリットです。
●オイルのメリットは、揮発が少なく長時間潤滑が続き価格が安い、日本中どこででも一番入手がしやすく、先ず置いて無い釣具店は無いのがシマノ、ダイワ純正オイル、代表的な高性能オイルです。
●添加剤系メリットは、少量で即効性効果が出る。
ではデメリット。
●オイルは特に無いと思います。
あえて言うなら添加剤系程の効果は無いですが、潤滑が悪い訳ではないので比べる事が疑問です。
●添加剤
髙コスト、そして入手が限定的で置いてある店、無い店とバラつきがある。
効果が短時間。
では何故添加剤系が価格か高く、効果が短いのか?
●添加剤系オイルもベースはオイルです。
ベースオイルに即効性のある色々な物質を混ぜるのですが、ただ単に混ぜただけでは混ざらず分離します、それを中和させるのに中和剤を使い強制的に混ざる様にします。
この中和剤の別名は、界面活性剤と言われ皆さんも聞いた事はあるかと思います。
代表的な物では、ママレモン等の食器用洗剤は界面活性剤に発泡剤、消泡剤を混ぜた物です。
食器に付いた油と水を中和させて洗い流す、その際に泡立ちが悪いと汚れ落ちが悪いと思われ商品売れ行きが落ち、発泡剤を入れ。
泡が消えづらいと泡切れが悪いと言われ、またまた売れなくなるので消泡剤を入れます。
元々が界面活性剤ベースなので発泡、消泡剤は混ざります。
釣り道具で使われている物で言えば、リールのマグシールドオイルです。
マグシールドとはリールメーカーが付けた釣具業界だけでの呼び名で正式名は「磁性流体」と言います。
これは釣具に取り入れたのがダイワさんと言うだけで、工業製品で使われた歴史は古く、家電ではCDやDVDなどディスク回転系の物なら全て、カーオディオも含め全ての回転モーター軸周りに磁性流体が使われています。
もっと古くだとカーオーディオスピーカーでSONYさんだけが採用した過去があります。
磁性流体の原理は先ずオイル、オイルは何でもいいです。
釣り人なら各メーカーオイルでも、ミシン油でも大丈夫。
次にコピー機等で使う粉のトナー。
オイルとトナーを適量混ぜます、でも混ざらないで分離するじゃないですか?
だから全量に対し適量のママレモンを入れ中和させる訳です。
これで磁性流体は出来上がり、逆手に取ればマグシールドは自作出来ると言う事です。
もっと分かりやすく言うなら、コップに水とサラダ油を入れて、いくらかき混ぜても絶対に混ざらないじゃ無いですか。
そこにママレモン入れてみて、見事に中和され混ざります。
これが界面活性剤、中和剤の凄い所で本来絶対に混ざらない物を混ぜてしまいます。
ただ、この中和剤にも弱点があり、熱に弱く、揮発が高く、揮発する際には混ぜ合わせた物質を道連れにして蒸発します、オイルとその他物質ですね、液体では無いトナーは残りますが。
話がそれてしまいすみません、本題に戻りますが、分かった人もいると思います。
追加追加の材料、工程料金で価格が高くなります、たとえメリット1つ、デメリット3つだとしてもデメリットは決して言いません。
添加剤系オイル全てがとは言いません、本気で取り組んで良い製品を提供するメーカーも知っています。
でも、そうでもない物が圧倒的に多く、村田基さんが言いたかった所は、それを見抜く事の大事さと、その事実を知って欲しかったんだと思います。
純粋なオイル+αを作る為の中和剤。
短命性能、本来ならば使用者レベルも限定してしまうが、営利でそこは言わない。
オーバースペック材料、工程代金故の高価格。
揮発が高く多分1日は効果持続していないと思います。
ベイトリールで飛距離の為、スプール周りBBに使用したとして、季節、キャスト回数にもよるが朝イチ添加、途中からガンガン飛距離が伸びはじめ、飛距離と共にシャーシャー音が増えて来て。
それが中和剤が蒸発してノンオイル最高の回転状態に気が付いていないだけ。
その後、ボール焼き付き、ノイズ上昇と共に飛距離もドロップ。
ノイズが気になり出した時が追加挿し時で、多分1日だけでも何度か挿さないといけなくて。
それを理解した所有者がどれだけいるか。
価格以上のデメリットがこれ、無知さゆえでの破壊・・・です。
個人的解釈ですが、色々な規約、規制、立場があり言いたいが言えないけど、本当に伝えたかったのはこれだと思います。
誤解は絶対にして欲しくは無いですが、決して添加剤系オイルがダメとは言っていません。
特性を理解した上での使用ならば、「最強」と言えると思います。
製造メーカー側がそこまで責任を負わず販売している為、拘りや明確な目的ビジョンが無ければ必要無いと
そこをキングは伝えたかったのだと思います。
YouTube内で話されていた、
「ツツミヤ RR-777オイル」がこれ。
現在、廃盤になっているみたいですが20数年前、初代アンタレスが発売前後頃に、添加剤系オイルブーム元年、現休刊雑誌ロドリのコメントの中でも村田基さんは、アンタレスにお勧めオイルはの質問に対し、シマノ純正オイルです、ただ個人的には少しノイズは増えるけど、ツツミヤRR-777をお勧めです。
と言い切っていました。
でもこの777オイル、添加剤系では無いんですよ。
分子の精製工程を増やし分子事態を細かくして潤滑性を上げ出来たチューンドオイルなので、ノイズは増えても揮発はシマノ純正オイルとほぼ変わらず。
ただ、現在は廃盤らしくて各地の釣具店で売れ残りとかであったら是非購入して、昔のトップエンドオイルをたしなんでみて下さい。
少し前になりますが、潮来釣具センターの鶴チャンとリール整備の話しをした際、
シマノ純正オイルでも、ザルスと言うオイルがリリースされて、この性能が分かるとびっくりするよね、と話し。
僕はとっくにですよと鶴チャンに言われてしまい(笑)。
鶴チャンも立場上とか制約とか色々あり全部は言えないだろうけど、
ツツミヤRR-777チューニングオイルをシマノが引き継ぎ、シマノワークス純正チューニングオイル的がザルスなんだと思う。
YouTubeで、
「BB焼き付いて・・・鶴チャンがちょこちょこっとね・・・オイルはね~」
と言われてたのは規制の中、めいいっぱいのメッセージが含まれていたのだと思います。
事実、SEXY-DYNAMITE'Sでも、ザルス以上のオイルを買うならベアリンググレードを上げて純正オイルをお勧めしています。
そっちの方が効果大です。
今回は油脂でもオイルの話しでした。
先日のウミネコビーチクリーン、セクシーブースで皆さんに伝授したのはオイル、グリスの粘度での使い分けでした。
今回はその中でもオイル限定な話しになりました。
共に向上しましょう。