ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

5 特急列車の売り子 114ページ目

2012-02-21 22:55:06 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【114ページ】


 和音は、ワイングラスを手にとり、色と香りを確かめた。


和音    やや暗いルビー色で、スパイス、オークのニュアンスがパワフルで、

      複雑な果実の芳香がすばらしい!

 
 和音は、グラスを口に近づけ、一口飲んだ。


和音  ピノ・ノワールの命は香りにあり、決して凝縮させてはならない!

佐山社長  和さんは、このワイン名が判ったようですね?

桃子  どうしてそう言えるの?

佐山社長  ブルゴーニュの神様と言われていた人を知っているかね?

      彼の造ったワインは、あのロマネ・コンティに引けを取らない名声を受け、

      高価格で取引されている。

桃子  あっ判った! アンリ・ジャイエ氏ですね?
      
佐山社長  そして、「ピノ・ノワールの命は香りにあり、決して凝縮させては

      ならない!」はアンリ・ジャイエの有名な言葉なのだ。

      このワインは、和さんの推察通りクロ・パラントゥ アンリ・ジャイエ

      なのです。
 
      ヴィンテージは判りますか?

 
 和音は、クロ・パラントゥ アンリ・ジャイエをさらに一口含んだ。


和音 アンリ・ジャイエのおいしいワインだ!


 佐山社長は、「あはは、確かにおいしいワインだ!」と言いながら笑い出した。

桃子  和音さんは、ヴィンテージを答えていませんが?


佐山社長  和さんは、テイスティング対決でないと答えないのだよ。

      しかし和さんの言葉の中にヴィンテージを表現している時もあるのです。

      

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿