あべのハルカズＢＡＲ １０６ページ目 科学的調査の結果

【１０６ページ】



「はい」


と社主の平山が答え、話を続ける。


「私達家族６人が、三匹の子豚がオオカミに襲われ、最後に

ジェイソンが登場して、私達が襲わる夢を同時に見ました。

しかし、孫娘二人は、ジェイソンを見たり、聞いたりしたことが

ないので、まったく知りません。孫娘の持っている三匹の子豚の

絵本では、子豚がオオカミに食べられる内容ではないのです。

だから、昨夜の三匹の子豚とジェイソンの夢を六人同時に見る

ことはありえないのです。」

「なるほど」


安倍　晴喜は、扇子を開いたり閉じたりしながら頷いた。


「そして、家中を警備員達に異常がないか調べさせました。

幻覚をおこすようなガスを出す装置が設置されていないかどうか、

又遠隔で催眠術をかけるような装置がないかどうかも調べました。」


「うん、うん」


「しかし、そのような装置はありませんでした。

昨夜、私の家に近づいた者はジェイソンの落書きをした男だけ

でした。不思議なことに壁のジェイソンの落書きも消えてしまって

いますが・・・」


　安倍　晴喜は、いつの間にかデザインの変わった扇子を「パチン」と

大きな音を立てて閉じた。

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あべのハルカズＢＡＲ １０５ページ目 安倍 晴喜会は５０人限定の会員

【１０５ページ】


　翌日、社主の平山は、難を避けるため、家族５人をハワイ旅行に行かせた。


　平山は、関西経済連合会の知人にあべのハルカズＢＡＲの３姉妹の父である

安倍　晴喜　を紹介してもらうことにした。


　安倍　晴喜会は、５０人限定の会員で構成されている。　

入会金は１，０００万円で、年会費は２００万円である。

会員は、年６回以内の相談を安倍　晴喜にすることができる。

相談ごとに、年会費とは別に、相談の解決の実費は必要になる。

会員以外の人物が、安倍　晴喜のアドバイスを受けるためには、

会員の紹介と相談料２００万円と実費が必要である。


　安倍　晴喜は、午後３時に平山邸を訪れた。

応接間で、平山は安倍　晴喜と挨拶を交わした後、昨晩の怪奇現象の

説明を行った。

安倍　晴喜は、平山の説明を終わるまで、目を閉じて聞いていた。

説明が終わった後も、左手に持つ扇子で頭をコツコツと叩いている。

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扇子の動きが止まると、安倍　晴喜は目を開けた。


「警察には届けましたか？」

「いいえ、我々を襲ったジェイソンは消えてしまったから。」

「平山社主は、怪奇現象や超常現象を信じない方では？」

「ええ、新聞社の社主ですから、科学的に物事を考える方ですね」

「すでに科学的な調査はお済ですか？」

妻スミレＮＯ２９ 閉鎖花採取成功

　スーパーオークワの駐車場の土手で、妻スミレＮＯ２９の群生を

発見しました。


　



　群生の中の閉鎖花をつけたスミレの画像です。

閉鎖花は画像の左下に写っています。



　




　
　妻スミレのマップですが、ＮＯの付いているのは、花の撮影又は

閉鎖花の採取ができたスミレです。





　

あべのハルカズＢＡＲ １０４ページ目 ジェイソン家族を襲う

【１０４ページ】



　平山夫妻と長男夫妻は、娘達の叫び声に、彼女達の部屋に

かけ込んで来た。


「怖いおじさんが、おじいちゃんに襲いかかったの」

「私も同じ夢を見たわ」


　長男夫妻は、娘達を抱きしめた。


「私もチェーンソーを持った男に襲われる夢を見ていた」

「あなた、私もよ！」

「父さん、俺も同じ夢を見ていた！」

「怖いわ！お父様、私も同じ夢を見ていました。」


その時、子供部屋の外から、ギュィィィィン、ギュィィィィンという音が

近づいてきた。


「きゃー！」女性達全員が叫んだ！


　六人全員が後ずさりしながら、部屋の片隅に集まった。

夢で見たチェーンソーを持ったジェイソンが六人の家族に

近づき、武器を高く上げる。

社主の平山は、家族を守って、先頭に立ち、両手を広げる。

そこへチェーンソーが平山の頭を狙う。


　その時、子供部屋の窓ガラスが「ガッシャン」と割れる音がして何か

飛び込んできて、ジェイソンの頭に突き刺さった。

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　するとジェイソンが突然消え、床には紙飛行機が落ちていた。

あべのハルカズＢＡＲ １０３ページ目 ジェイソンレンガの家を襲う

【１０３ページ】



　平和新聞の社主の平山夫妻、長男夫妻、長男夫妻の小学生の娘二人は

同じ夢を見ていた。


　三匹の子豚の一番上の兄さんは、藁の家に住んでいて、悪いオオカミが

襲ってきます。そして息を吹きかけて、藁の家を吹き飛ばして、逃げる子豚を

食べてしまいます。


「絵本では、子ブタさんは逃げたのに・・・ムニャムニャ」


　三匹の子豚の二番目の兄さんは、木の家に住んでいて、オオカミが体当たり

して、家を倒します。そして逃げる子豚を捕まえて食べます。


「オオカミさん、子ブタさんを食べないで・・・・ムニャムニャ」


　一番下の子豚は、レンガの家に住んでいます。オオカミが息を吹きかけても、

体当たりしても、レンガの家は壊れません。

そこで煙突から中に入り込もうとします。


「待て、煙突から入ると、煮えたぎった湯に落ちるぞ！

俺のチェーンソーで、ドアを切り裂いてやる。」


　ギュィィィィン、ギュィィィィンとジェイソンがドアを切り裂いていく。

ドアを蹴飛ばして、狼とジェイソンが家の中に入って行った。


「お前に子豚をやる」


　狼は子豚を捕まえて、家の外へ運んで行った。

ジェイソンは、チェーンソーを持ち上げながら人間に近づいていく。

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「キャー」

「やめて！」


　娘たちが泣き叫んだ。