ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

5 特急列車の売り子  99ページ目  

2011-07-22 22:30:10 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【99ページ】


佐山社長     コーヒーお願いします!

売り子      いつもご利用ありがとうございます。

佐山社長     はい、350円。


 彼女は、にっこり微笑んで受け取った。そしてコーヒーをポットから注いだ。


佐山社長     不思議なんだよなあ?

売り子      どうかされましたか?

佐山社長     僕の持って来たコーヒーよりも、君の入れてくれたコーヒーの

         方がおいしい。

 売り子は、コーヒーをテーブルに置いた。


佐山社長     それとお弁当とお茶を!

         はい、一万円。

売り子      いつもありがとうございます。


 佐山社長は、弁当とお茶を受け取った。売り子は、おつりを渡そうとした。


佐山社長     なぜだか教えてくれませんか?


 佐山社長は、おつりを受け取り、彼の注いだコーヒーを彼女に手渡した。

彼女は、一瞬香りを嗅いで、彼のテーブルに戻した。


売り子      とてもいい豆のブルーマウンテンのコーヒーですね?

佐山社長     ああ、そうだよ。

         それがなぜ?

         それとビールとおつまみを!

5 特急列車の売り子  98ページ目 

2011-07-21 21:11:11 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【98ページ】 


 佐山社長は、一万円札を売り子に手渡し、彼女がおつりの用意をしている間に、

彼のポットから紙コップにコーヒーを注いだ。


売り子    はい、おつりです。


 佐山社長は、すぐにはおつりを受け取らないで、彼の注いだコーヒーを差し出した。


佐山社長   香りの感想を聞かせて!

売り子    とてもいい香りですね?

佐山社長   コーヒー名わかる?

売り子    お客様のお好きな産地では?


 彼女は、サラリと佐山社長の質問をかわした。


佐山社長   ビールとおつまみも追加でもらうよ!

売り子    ありがとうございます。 


 佐山社長は、次の勝浦への旅行まで待つことができなかった。

翌週の週末再び勝浦に向かった。

夜は、ホテルで食事するのではなく、勝浦の町のお店に行ってまぐろを食べるのが

楽しみだった。

おいしい店が色々あるので、店を探すのも楽しい。


 でも今回は、まぐろの味を楽しむよりも、明日の帰り、あの売り子に会って、

持ってきたコーヒー名をどうしたら言ってもらえるかを考えていた。

そして、翌日の帰りの特急列車で三度あの売り子に会うことができた。


売り子    お弁当に、お茶、サンドイッチにコーヒーいかがですか?




5 特急列車の売り子  97ページ目

2011-07-20 22:45:56 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【97ページ】


売り子     お弁当にお茶、サンドイッチにコーヒーはいかがですか?


 佐山社長は、あの娘かな?と振り向いて確認した。

そして、コーヒーの入ったポットと紙コップを用意した。


佐山社長    コーヒーをお願いします。

        350円だったね?

売り子     ありがとうございます。

        代金は350円です。

佐山社長    ブラックでいいよ!

売り子     はい。


 売り子は、ポットからコーヒーを紙コップに注ぎ、佐山社長の前のテーブルに置いた。


佐山社長    いい香りだね?

        グァテマラ産?  


 売り子は、一ヶ月前の佐山社長を思い出した。


売り子     申し訳ございませんが、わかりません。

佐山社長    そうだった!

        前にも同じこと聞いた?

売り子     はい。

佐山社長    よく覚えているね?

        そうだ、弁当とお茶ももらっておくよ!

売り子     ありがとうございます。

5 特急列車の売り子  96ページ目

2011-07-19 23:04:12 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【96ページ】


売り子     お弁当にお茶、サンドイッチにコーヒーはいかがですか?

佐山社長    コーヒーをもらおうかな?

売り子     ありがとうございます。 350円になります。


 コーヒーメーカーの佐山社長は、売り子に350円を手渡した。

売り子は、ポットのコーヒーを紙コップに注いだ。


売り子     砂糖とクリームをお付けしましょうか?

佐山社長    ああ、お願いします。


 佐山社長は、コーヒーを受け取ると、香りを嗅いだ。 


佐山社長    いい香りだ!

        これはグァテマラ産のコーヒー?

売り子     コーヒーの産地は聞いていないのです。個・・・・・・。

佐山社長    個人的にはどこだと思う?

売り子     わかりません。

佐山社長    悪かった!

        コーヒーのブレンド内容は企業秘密だから言えないのは当然だ。

        弁当とお茶も頼むよ。

売り子     ありがとうございます。


 佐山社長は、彼女が個人的にコーヒーの産地を知っていたのでは?と気になった。

一ヶ月後、佐山社長は、和歌山の南紀勝浦に行った。目的はおいしいマグロを食べる

ためであった。そして列車で駅弁を食べるのも楽しみであった。

得意先と料理のおいしい有名店にはよく行くが、月一度勝浦のマグロと駅弁を食べたく

なるのであった。


5 ドイツワインの勉強③ 95ページ目 

2011-07-18 20:23:29 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【95ページ】


良子     うそ!

和音     ほんとうの話だよ!

       修道院の代官は、ただ苦笑いをしてぶどう農民の作業を見守るだけだった

       そうだよ。

良子     たくましいぶどう農民ね? 

マスター   クレーファー・ナックトアーシュをもう一杯いかがですか?

良子     いえ、もういらないわ!

マスター   クレーファー・ナックトアーシュのラベルは子供のかわいいお尻ですよ!

       ほら、子供がワインを飲んで、お母さんにお尻を打たれているラベルです。        
良子     ほんとうだわ!  

和音     もう一杯づつ飲もうよ!  

良子     ええ。 


 マスターは、二人のグラスにクレーファー・ナックトアーシュを注いだ。


良子     明日休みなの。

       どこか出かけて見たいわ!

和音     映画を見て、レストランでおいしいものを食べよう。

       フレンチレストランのマリーナヴィレッジはどう?

良子     そこだけはダメ!


 フレンチレストランのマリーナヴィレッジは、良子がソムリエとして働いている店

であった。