エッセイ「予知夢」
清水太郎
10年目に生まれた一人娘の誕生には、不思議な予知夢があります。私が嬉しそうに、赤子をおんぶしているのです。それから間もなく、妻が妊娠したのです。
娘が10歳ころの出来事です。夜、買い物に行った帰り道でした。家の近くまで来た時に、後ろから付いてきた娘が「お父さん、おんぶして」と小声で言いました。立ち止まり少し屈むと、娘は被さって来ました。嬉しさを感じながら歩きました。忘れられない娘の重さです。
30歳の娘は二人のママです。来年の4月になると育休も終わり、仕事に復帰の予定です。2歳を過ぎたお兄ちゃんは、バァーバに「抱っこ」やおんぶをオネダリです。6ヶ月の弟は笑うと、下の可愛い前歯が、2本チラリと見えます。
60数年前の微かな記憶ですが、大きくなった妹も母におんぶされていました。孫と至福の時を過ごしていますが、一年半後には、家のローン破綻の厳しい現実が迫っています。逃れるために、家族の絆を手繰ります。
※ 昨年の投稿作品です。
清水太郎
10年目に生まれた一人娘の誕生には、不思議な予知夢があります。私が嬉しそうに、赤子をおんぶしているのです。それから間もなく、妻が妊娠したのです。
娘が10歳ころの出来事です。夜、買い物に行った帰り道でした。家の近くまで来た時に、後ろから付いてきた娘が「お父さん、おんぶして」と小声で言いました。立ち止まり少し屈むと、娘は被さって来ました。嬉しさを感じながら歩きました。忘れられない娘の重さです。
30歳の娘は二人のママです。来年の4月になると育休も終わり、仕事に復帰の予定です。2歳を過ぎたお兄ちゃんは、バァーバに「抱っこ」やおんぶをオネダリです。6ヶ月の弟は笑うと、下の可愛い前歯が、2本チラリと見えます。
60数年前の微かな記憶ですが、大きくなった妹も母におんぶされていました。孫と至福の時を過ごしていますが、一年半後には、家のローン破綻の厳しい現実が迫っています。逃れるために、家族の絆を手繰ります。
※ 昨年の投稿作品です。