

デビュー第一作目は、
増刊少女フレンドに載ったコメディ作品、
『男なんてなにさ』 (う~ん、いかにも私らしいタイトルだ)
いっしょに新人賞に入賞した“武藤和栄”さんと同じ号に載ったんだけど、
彼女は最初からとても絵が上手な人で、
編集部一同、雑誌のページをめくりながら、
「うまいなぁ」と絶賛!
そして、そのあとに続く前原の作品を見るや、
「誰だよっ、こんなへたくそデビューさせたのは!?」
そう、前原の絵の下手さは、しょっぱなからお墨付きだった。
だって、嫌いなんだもの、絵を描くの。
デッサンとか習ったこともないし、
ただ見よう見まねで描いてただけなんだから。
他の漫画家さんみたいに、気軽にささっとなんて描けないし、
すごく大変……。苦痛……、。。。。。。。。。。。。。
つまり漫画家には二つのタイプがある。
絵が好きで漫画家になった人と、絵より話作りが好きな人。
もちろん両方兼ね備えてる、むかつく天才も中にはいる。
__で、
編集部に大ブーイングだった前原のド素人丸出しの
デビュー作だけど、なぜかその号のアンケートで、
ベテラン差し置いて、奇跡のトップになっちゃったんだよ!!
それ以後…、前原の漫画は編集さんには受けが悪くても、
なぜか読者だけは応援してくれるという不思議な現象が
何十年にわたって続く…。
話がそれちゃったけど、
第2作目は、別冊フレンドで、
新人賞に入選した作品を描き直した、『ふたごっこハネムーン』
(最初のタイトル、ドッキリハネムーンのほうがいいと思うぞ)
そのあと週刊少女フレンドでいきなり連載が決まる。
『花のアメリカ ピンク学園』
(だれだよ、こんなタイトルつけたやつ…)
自分では普通のコメディ描いてるつもりなのに、
なぜか
前原の描くのは、お色気コメディだと言われた。
最初の連載のタイトルからとって、
以後“ピンクコメディ”の名称がつく。
当時の少女漫画のラブシーンは、ただ男女が立ったまま
抱き合ってるだけで終わり。
ベテランの漫画家さんは、キスシーンさえ恥ずかしがって
なかなか描けないという時代でした。
特にフレンド系はおとなしめの漫画作品が多かったから、
なおさら私の漫画は浮いてたらしい。
はい、前原はバンバン描きました。
全然抵抗ありませんでした。
若さってやつですね。
キスシーンてんこ盛り。お色気で男にせまりまくる。
服脱がせる。ついでにスネ毛も描く。
あ、言っとくけど本人はいたって真面目なやつですよ。
実際の前原はすごく人見知りするし、おとなしいやつ。
大学の授業のときも、なるべく目立たない隅っこの席に
座ってたタイプ。
だから余計に漫画では、もう一人の自分が明るく楽しく、
普段できないことをする。
現実ではできないことを、どんどん痛快にやってのける。
これぞ漫画の醍醐味だと前原は思うのだが……、
でも世の中、冗談の通じない人もいるわけで…。
昔の早稲田の学生って、勉強そっちのけで、ノリノリ、
ハチャメチャなやつも多かったけど、
中にはお勉強いっぱいしてきましたって、
いたって真面目な学生もいた。(特に女子かな)
夏休みに
大学のクラスメート(専修が同じ)から手紙もらいました。
「………(前略)、あなたの作品読みました。
前原さんて…ああいう人だったんですね……」
ああいう人って……どういう人?
(つづく)
私も小学生くらいから漫画を描いていました。だいた同級生の男の子との恋とかを描いてましたね~。表紙とか何ページか描いて、未完成というのが大半でした。(笑)漫画家になりたかったけど、周りの友達がみんな絵がうまかったので、諦めました。たしか結婚日記で漫画家って頭がよくないとできないっていってたので、私だめだわ~作文も苦手だしって思ってました!