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♪ジッコ・ワールドの住人たち♪ 某漫画家のあれこれ

某漫画家の日常の一コマ☆プライベート☆旅日記☆が主の備忘録☆

月が綺麗だよ。

2024-07-23 | パパ あなた ツトムくん 奉行 父 じぃじ フジタ 夫…だった人

リビングは南側一面と西側にも窓があるので 陽射しがきつい

夏の間は 遮光しないと部屋が温室状態になってしまうので

昼も夜も一日中ブラインドは閉じたままになっている

 

ベランダに出て外の景色を見ることも 

夜空を見上げることも ずっと…忘れてた…

 

でも今月の21日 日曜日の夜

閉ざされたブラインド越しに 夜のとばりが下りたにしては

やけに外が明るいのが気になって…

誘われるようにベランダに出たら 

すぐ目の前の頭上に 

月がすごい光を放って輝いていた

 

 

満月だった!

 

 

大きくて クレーターまでくっきり見えて 

銀色に神々しく輝いていた

 

 

月が綺麗な夜は 

いつもどちらかが声をかけて

ベランダに出て二人で月を見てた

 

 

 

23日の今日は7回目の月命日

 

まだ私の時間は止まったままだ…

 

いつになったら動き出すんだろう?

 

この絶望的な苦しさ寂しさはいつまで続くの?

 

同じ体験をした人たちのブログを

訪れては未来の自分を知ろうとする。

 

5年経っても7年経っても 

みんな決して忘れてはいない…

悲しみは癒えてない…

笑ってても 心は傷を負ったままだ

 

そうか… このまま続くのか…

これはよっぽどの覚悟が必要なようだ

 

止まった時計を動かすために

自分にできることを次から次へと試みた

 

本が好きだから次から次へと注文しては読み漁った

 

いままではほとんど見なかったテレビも

音が欲しくて一日中つけっぱなしにしてた

朝から夜まで何度も同じニュースが

流れてた

ドラマもバラエティーも興味は持てなかった

 

 

人ともなるべく会うようにした

 

 

習い事とか

いままでやりたくてもやらなかっこととか

いろいろ検索しては計画を立てたけど

どれも実行には至っていない

 

 

なにをどうやっても 

私の時計は動いてくれない…

 

 

でも ほんとは分かってる

 

 

今の私を救ってくれる方法は

ひとつしかないことを

 

宙ぶらりんになっている作品を完成させることだ

 

Vol.7を描き終えることさえできたら

それだけで 

たぶん私は自分を取り戻せる

 

 

でも 描けないでいる…

描ける日もあるけど 

次の日にはだめになる…その繰り返し

 

 

 

結婚して家庭を持つことで

漫画家以外にいろんな役割があった

 

もっと仕事に打ち込めたら

もっといい作品ができるのに…

 

他のことに煩わされないで

思い切り仕事ができたら

どんなに幸せだろう って ずっと思ってた

 

人間ってかってなものだね

 

いまこそその時なのに…

 

好きなだけやればいいじゃない

 

時間は腐るほどあるんだから…

 

なに甘えてるの?

 

 

 

「杏&影は もうやらないの?」

って しょっちゅう訊かれてた

 

「いまやってる連載が終わったらね」

「60代になった杏と影ちゃんもおもしろいよね」

いつもそう答えてた

 

 

"杏&影"が 

いちばん私らしい作品だそうだ

 

ちなみに"影ちゃん"はよくて

"睦月"は嫌いらしい 笑

 

 

私の仕事の一番の理解者だった

 

 

すでに年老いてる私たち二人のさらなる老後をそれなりに考えたりもしてた

 

いつかもっともっと老いぼれて

介護が必要になるかもしれない

自宅で?それとも病院?施設?

でもなぜかそれでも私は仕事を続けてるイメージを漠然ともっていた

介護しながら あるいは病院にお見舞いに

行きながら 病室で漫画を描く

そんな夢のような調子のいいことを妄想してた

 

 

でも 誰にも迷惑かけることなく

誰を恨む必要もない状態でとつぜん消えた…

 

 

「残された時間を思い切り自分のためだけに使いなよ」

 

 

そんな声が聴こえる

 

 

 

   

 

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