今日は、クルーズが終わり家に帰ってくる日だった。
春に日本を出発して100日間の旅を終えたあと横浜港に戻ってくる。はずだった日。
その夢はすでに砕け散っている…。
なのに、
出発してたら今頃は___なんて、どうしても考えてしまっていた。
虚しくて、悲しすぎる時間…だけが日々流れていた。
昨年の暮れ、
いきなり世界が終わったあの日___。
そのすぐあとに 初めての独りぼっちのクリスマスがあり、
そして独りぼっちのお正月、 独りぼっちの誕生日、
それから、独りぼっちの春が来て、独りぼっちのゴールデンウィークも過ぎていった…。
いまだに、外出したあと駅から自宅に戻る帰り道が一番つらい…。
家が近づくにつれて涙が込み上げてくる。
二人でいつも一緒に行ってた場所には行けない。
紳士服売り場は視界に入るのも嫌だ。
キッチンにいる時が一番つらい。思い出が込み上げてくる
いくら他の人と楽しい時間を過ごしても…
そのあとによけいに寂しさが襲う。
誰よりも酒豪でタバコも吸いたい放題だったから、
「体に悪いこといっぱいしてるんだから、病気になってもグダグダ言わないでよね。逝くんなら潔く逝ってよね」
なんて、冗談で言ってたら、
ほんとに潔くあっという間に消えてしまった…。
誰に迷惑かけることなく。
病気で入院とかして最期を迎えてたなら、お別れの時間も持てたしもっと納得できただろうか?
それはそれできっと想像を絶する辛さがあっただろう。
知人に認知症のご主人を5年間自宅で介護してる人もいる。
終わりの見えない辛さになんとも言えない。
どっちがいいなんて話じゃないね。
もっと仲が悪かったら?
話もあんまりしない夫婦だったら?
旅行も別々にとか。
こんなに苦しまなくてすんだんだろうか?
知人の友達がご主人を亡くして、あまりに嘆き悲しんでいるのを見て、その人の友達が思わず泣いたそうだ。
もらい泣きではなくて、
「自分は夫が死んでもそんなふうには泣けない。悲しく思えない。それが辛い」と。
同じ体験をした人の本を読み漁り、ネットでも検索をかけ、
痛みを共感することで、気持ちが少しは楽になることも知った。
私と似たような境遇の人が、ネット上で辛さを吐き出していた。ご主人を亡くして一人暮らし。
1人息子さんがいるけど、結婚したのでお正月にはお嫁さんと来てくれるが泊まらないで帰ってしまうのが寂しくてたまらないと。
それに対してコメント欄にこんなのがあった。
「今までよっぽど幸せだったんですね」
私に言われてるみたいで思わず苦笑してしまった。
あとにつづく言葉はきっとこうだよね。
「なに甘えてるんですか?」
わざわざコメント欄にこんなこと書き込まなくてもと、
その時は思ったけど…。
きっとこの人はこの人で別の形の違う苦しさを経験した人なんだよね。