今朝、ものすごいものを見た。
見上げた大空いっぱいにかかる虹。しかも二重になって…
見事なまでに綺麗なアーチを描いた大きな大きな半円。
とてもカメラには収まりきらない、
今までに見たこともないような大きさだった。
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部屋を交換しよう!
もう主のいない部屋へ。私が移り住むことにした。
前々から漠然とその思いはあった。でも実行に移せないでいた。
存在を否定するようで…。
この世にいた証。
今はただあとに残された物たちだけがそれを物語ってる…。
ドアを開ければ、
ああ…、いつもあの椅子に座って本を読んでいたなあ…とか思う。
生きていたころと同じ様の部屋は辛すぎて…家具の配置換えをしたりもした。
でもそんなことをしたってなにも変わらない…。
主を失った部屋はすでに異空間そのもので、
寂しすぎて…、悲しすぎて…、見てるだけでエナジーを吸い取られていく…。
私は一日の大半をリビングで過ごしていた。
人恋しくなると、部屋に行って話をしたり、西側の窓から二人で
富士山を眺めたりしてた。
今でもドアさえ閉めていれば、まだ部屋にいるのではないか?
と思える。
だからドアを開けるのが怖い。
でもこれじゃ開かずの間になってしまう…。
思い立って、昨日、自分の部屋の寝具を片付けた。
身の回りの物も開かずの間に運び入れてみた。
夜遅くまで、荷物の交換作業をしながら、その部屋で寝てみた。
眠れないこともなかった。
浅い眠りの中、時計を見ると、いつもより遅い朝の時間になってた。
じつは最近、早朝散歩が私の朝のルーティンになっている。
毎朝4時半過ぎには家を出て、小一時間は歩く。
散歩…苦手なはずだったのに…なぜかはまってしまってる。
雨が降ると散歩に行けないのが、もの足りないくらいだ。
今日は、どうしょう?としばし迷った。
もう陽は昇ってるはずだ。私の好きな早朝の夜明け前ではないし…。
台風が近づいてるらしいから、雨が降ってるかもしれないな…と、
リビング側のベランダに出てみたら、青空だった。
(相変わらずどの部屋のブラインドも一日中下ろしたままなので、
外の景色も時間の感覚も部屋の中にいるとわからない)
やっぱり出かけることにした。
身支度は1分もかからない。
さっと玄関扉を開けると、
今までに見たこともないような大きな大きな虹が目に飛び込んできた。
大きすぎてカメラに収まらなかった。
なぜか雨が降ってきたので、部屋に戻り、そのまま虹を
見続けた。
部屋を片付け始めたので、もしかしたら怒ってるかもしれない…
なんて、昨夜から今朝にかけて思ったりもしてた…。
かつて自分が過ごした場所が…自分がいた空間が…少しずつ…
片付けられていくのは…どんな気持ちだろう…。
でも、
突然目の前に現れた大きな大きなアーチ状の虹が、
奉行が、
両手を大きく挙げてOkサインをしてくれてるように見えた。
OKサインの虹?しかも二重丸
虹は、5分くらいであっという間に消えてしまった。
あの時間、あの瞬間でなければ見られなかった。
ちょうどその虹を見るようにセッティングされたような
不思議な時間だった。
※後日,ダブルレインボーという言葉があるのを知りました。
見た人には幸運が訪れるそうです。
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追記:部屋を変えた方がいいと思った理由:
今までの私の部屋は、北側に面した小さな個室で
窓も小さく、景色も見えないし、風通しも悪い。
寝るだけが目的の部屋だったから、別にこれでもよかったんだけど。
奉行の部屋は角部屋で窓も3か所あって、景色もいいし、風通しもいい。
富士山も月もよく見える。
この部屋を寝室兼書斎として使っていた。
12畳の広さがあるので、リビングでくつろぐよりいつも
この部屋でのんびりゆったり過ごすのを好んだ。
でも主がいなくなった今、
この部屋をこのまま使わずただ残すのはあまりにも不自然だし、
私が活用した方が北側の部屋で寝起きするより、
この先の私の運気にも健康にもよさそうだと思った。
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杏と影ちゃんはきっと今も同じ寝室のままだろうけど,
私たち夫婦はいつの頃からか部屋は別々にしてた。
第一の理由は 活動する時間帯が違うこと。
私は夜には寝て朝には起きるけど、あちらは夜通し起きてて
午前中は眠りの中にいた。
第二は エアコンの温度差。ひどい時には18度!なんて
設定になっている。 私は28度設定なのに…
男の人ってなんであんなにエアコンの温度下げるの!?
っていつも思ってた。
朝、ドアを開けて部屋を覗くと冷気が押し寄せる。
あまりのツンドラ地帯に、
このままではまずいんじゃないの?凍死しちゃわない?
と案じて、エアコンのリモコンを手に取ろうとするが、
そのままでは部屋に入っていけなくて、毛布を被る有様だった。
とても同じ部屋では暮らせない…。
あとは、たばこ吸ってたしね…。やっぱり一緒の部屋では
暮らせなかった。
でも、もしも同じ部屋で寝起きしてたら、その時、
異変に気付いた?
とも思う。
前の晩まで普通に過ごしてた人の心臓が、
夜中に突然止ってしまった…。
そばに居たら気付いてあげられたかもしれない…。
その思いが、私を苛む…。
医療関係者の方が、多分その時に専門家がそばに居たとしても
助けられなかったと思います。と言ってくれたのが、せめてもの慰みではあるが…。
助けられない命なら…、
どうしても逝かなければいけない運命だったなら…、せめて
その時ずっと手を握っていてあげたかった…。
一緒に同じ場所に居たのに…、一人ぼっちで逝かせて
…ごめんね。