奉行(おっと)が珍しく口を出した。
“シンプルで潔く”が人生の最終目標なので、
身の回りのものや家の中の不用品を数年がかりでせっせと片付けている。
クローゼットの中、押入れの中、食器棚、台所用品、物入れ、引き出しの中、
仕事場、あらゆるところががらがら状態になってきてる。
ほんとに必要なもの、大切なもの、だけに囲まれた生活まで、あとすこし。
わくわくします。
あとは本棚2箱に残った本とたまりにたまった過去の写真たち。
と、五月人形が残された。
五月人形…もう子供は成長して大人になったんだから
役割は無事果たしたと言える。
でも処分するとなるとこれがなかなか気合が要る。
けっこうでかい!!から、押入れの中を見る度に
これさえなけりゃ…と、長年にわたって邪魔者扱いされてきた…。
初孫(男の子)が生まれたとき、
新しい五月人形や鯉のぼりや兜を買ってあげるべきか、どうしょうかと迷って
とりあえずお嫁ちゃんに訊いてみたら、
しまって置く場所に困るから要らないと言った。賢い嫁ちゃんだ。
大切なのは”物”じゃない。心のあり方だ。
毎年の節句はスーパーで売ってる2,000円ぐらいの小さな鯉のぼりでいいらしい。
写真館で節句用の記念写真は撮ったりしてる。
そんなわけで無事役割を終えた息子の五月人形、どうしよう…。が長年の課題だった。
以前週刊誌のグラビア記事で、
“神社などで供養後にお焚き上げ(処分)” 用に全国から送られた人形が
見開きページいっぱいに並んでる写真を見たことがある。
処分用に集められた人形たち。なんともいえない空気が漂っていた。
私が人形だったら、あの中には入りたくないと思った。
いっそ自分で大切に処分したほうがいい? きれいなタオルに包んで
ありがとうってお礼言って、お清めの塩を包んで、粗大ごみに………。
それでも思い切れなくて数年がたっている……。
でも、いつか、誰かが処分しなければいけないのなら自分でと思う。
自分でもいやなことを人にはさせたくない。
数ヶ月前、 『ワールドギフト』というページを見つけた。
日本の家庭で要らなくなったものを集めて、世界の貧しい国の人たちを支援する活動をしている。
このページを知ってから、一気に家の中が片付いていった。
不用品をただごみとして捨てるのは気が引けたが、
誰かの役に立つかもしれないと思うことで気を楽にさせた。
ほんとは自分が要らないものを人にあげるなんて傲慢なんだけどね。
この『ワールドギフト』では人形なども扱ってくれてる。
希望すれば“供養”もちゃんとしてくれる。そのあと処分(お焚き上げ)はされないで
海外などの必要とされる人たちの手に送られるらしい。
日本の人形、武者人形などは人気らしい。
これならいい? と、とりあえず思ってしまった。
先日65インチのテレビを買った。
設置に来てくれた業者の人が、梱包してあったダンボールを処分用に持ち帰ろうとしたが
そのまま残してもらった。
この大きさなら、五月人形をガラスケースごときれいに梱包できる。
翌日、奉行(おっと)に五月人形を処分することを告げた。
即座に奉行が言った。
「あれは捨ててはいけない」
「自分のものはどれだけ処分してもいい」
(奉行は今までは私がせっせと家中のものを処分し続けるのを黙って見てた)
「でもあれは家族のものだから」
「勝手に処分してはいけない」
「お前のお父さんとお母さんが買ってくれたものなんだろ?」
(私の父や母はすでに他界してもういない…)
五月人形の処分は、息子に託すことになった。
長年、処分しよう、処分しよう、と思いながら、“もやもや”と格闘してた。
「処分してはいけない」とはっきり言われたことで、気持ちがすっきり落ち着いた。
65インチの巨大テレビを梱包していたダンボールはすっごい頑丈で!
体中の力を使って蹴りを入れなければびくともしない。壊れない…。
畳めない…。普通のハサミでじゃ切れない…。
資源ごみにするべくダンボールとしばし格闘しながら、思った。
結婚してよかったことって、こういうことかもしれない。と。
それは間違っているよと教えてくれる存在は大切だ。
それが結婚相手ではなく、友達でもいいんだけれど。
”お雛様”をしまおうとしてたであろう 桐の大きな箱が手つかずのまま残っていました。
あたしが生まれた時に 母の両親が買ってくれたもので
す。その 『桐の箱』 に詰めて持ってきました。
最初父ちゃんは 3年はいいよ~ その間にどこか見つけろ~ てなこと言ってました。
長年飾られなかった お雛様 ・・先日 義父さんが、「せっかく 広くなったんだから お雛様 飾ってあげたら 」
そしたら 父ちゃんまで 「そうだ飾ってやれよ」 と。
飾ってから また考えればいいかと・・・。
先日やっと 母が残した たくさんの使い切れないほどの手芸材料の一部を、人を通じ 福島の被災者支援をしている方に送ることが出来たので ちょっとだけよかったなーって・・・。
妹に ”いらない”と言われた 祖母の”桐のタンス”・・
お金かけて直してもらって 新しい家に持ってきました。
何となく そうしたかったので。
ブツブツ言いながらも それを了承してくれてる父ちゃんに感謝しないといけませんかねー。
物凄くご家族を大切にされているのですね。
私も、捨てないといけないものがたくさんあるので、少しづつでも片付けないといけないと思っていますが、なかなか踏ん切りがつかなくて・・・
子供のものは、特に思い出があるから捨てるのに踏ん切りがつかないです
でも、このままでは、子供たちに迷惑かけちゃいますからね。
自分で片付けないとって思います。
本当に少しづつですが自分のものから始めてます
たぶんスッキリするまで
10年以上かかるかと思いますが・・・
でも自分の箪笥はスッキリしました。
もう着ない物は全て処分しましたもん
「間違っているよと教えてくれる存在は大切だ」
なるほど!!
私も主人に感謝しなきゃですね
主人も私が間違っている時、きちんと言って教えてくれます。私がそれでも納得できない時は、私がわかるまで理解するまで
何回でも説明して教えてくれます。たまにそんなやりとりで喧嘩に発展する時もありますが、そんな時は明らかに私の我が儘や自己本位な考え方の時ですねww
そっかぁ
そういう存在の人は大切なんですね
大切にします
また一つ ジッコさんから
素晴らしい事を学べました
いつもありがとうございます。
たくさんブログがアップされていたことに、今気付きました(^_^;)。
素敵なダンナ様ですね。
ダンナ様の言葉に感動して、涙が出てきましたよ。(←本当に)
想像してしまいましたよ。
年を取ってもカッコよく生きていらっしゃる影ちゃんが、
ジッコ先生に話すセリフ。
私も、そろそろ自分の物を増やさず処分していかないと..とは思っているのですが、なかなか思い出があるものは 処分でかない自分がいます。
4年前に亡くなった24歳の息子の物も 捨てる事はできないので 少しずつ燃やして天国にいる息子の元へ届けてあげたいと思ってはいるのですが、なかなか思うだけで今も息子の部屋の物はそのままになっています。ゴミ箱に捨てられているレシートを拾ってみるたび、あーまだこの時間には息子は生きていたんだ。事故にあう前にチョコ買っていたんだとか思っては、また部屋のゴミ箱に入れてそのまま、時がどんどん流れて行きます。自分の物は どうにか処分できても息子の物は、多分 私がこの世を去ってから娘にお願いするようになるかもしれませんね😆
息子は、今 多分 お母さん、僕の物は天国へいつ届くんだよっていってるかも...
義父さんすごくいい人ですね。なかなかそういう言葉は出ません。やさしい。そしてもちろん父ちゃんもね。
猫まんまさん、感謝しないといけませんとも!
お二人ともいつもなんだか会話がほんわりして、とってもいい夫婦してますよー。
”桐のタンス”、これからの猫まんまさんを全ての災難から守ってくれそうです。
☆みゆみゆさん☆
子供のものはほんとに捨てがたいですよね。
今までの自分の人生に通じてるんだもの。私も最後まで残ってしまいました。
でもやっぱり近々思い切ろうと思ってます。
人間、過去にとらわれすぎると、一番大切にしなきゃいけない”今の時間”が減ってしまうから。
今までいっぱい楽しませてもらったし、”心”の中に刻まれた思い出でだけで充分かなと。
☆よしえちゃん☆
よしえちゃんはまだ若いから人生の片付け期までは時間がいっぱいあるんだけど、でもお片づけはじめたんだね。えらいぞ。
すっきりしたタンス見るたびに心がうきうきしてこない?私は用もないのに風通しのよくなったクローゼット開けてはにんまりしてる。
家中の物が少なくなって、私はその分心が豊かになった気がしてる。
夫婦って___いっぱい語り合わなきゃ!だよね。だってそのために結婚したんだもの。なにも言わなくてもわかってるだろ?は私は許さないよ。笑。
うちも喧嘩したらとことん話し合います。
☆あっこちゃん☆
ふふ。私もね、じつは旦那が私の父や母のことに触れたとき、心がジンとした。
☆ばっとさん☆
私の作品の中で奉行の言葉は要所要所で結構使われてるけどね、セリフだけだよ~~~~笑。見た目は両目つぶらないと…。笑。でも杏のように他の女にやきもきしなくてすんだだけよしとしよう
一番恐ろしくて哀しい体験をされてしまったんですね。
私が同じ立場になったら、私の人生の時間もそこで止まります。
みんみんぜみさん、もうすこし時間が流れるのを待ちましょう。
でも何かをきっかけに、たとえば7回忌がおわったら、
きれいな整理箱と包装紙を買ってきて、息子さんのものを一つ一つ包装して大切にしまわれてはどうでしょうか。封印しなくてもいいです。いつでも開けて取り出せるように。
そして処分は箱ごと娘さんに任せましょう。
家具や部屋は、みんみんぜみさんの心の整理がついたら何もない状態にしたほうがいいかもしれません。
この世に息子さんがいつ帰ってきてもいいような部屋があると、息子さんはこの世とあの世の板ばさみになってしまいます。
自分の部屋でお母さんが自分のことを思って泣いてると、息子さんの魂は心配になっていつまでたってもあるべきところにいけません。
心の整理がついたら気持ちよく息子さんの魂を送り出してあげてください。
悲しんでる顔じゃなくて笑ってあげてください。
みんみんぜみさんが”今ある幸せ”に目を向けて笑える日が早く来ますように。
娘たちの物はやはり娘たちに任せるしかなく、我が家はお雛様の処分で悩みましたね
押し入れの中を占領しているお雛様と娘たちの公文のプリント(上の娘が15年間、下の娘が18年間通った間のプリントです)
どうしてもどちらかを処分しなければならなくなり、二人に「どちらか処分したいんだけど」って言ったら即座に答えが返ってきました
「そんなんお雛様に決まってるじゃん!どうせ二人ともお嫁に行かないからお雛様供養しちゃえば?」
悩みましたよぉ~
でも、どうしてもそこを開けないと家の中が片付かない
たしかに買ってくださった親戚の人たちとか実家の両親の思いを考えたら供養できなかったかもしれません
でも数年にわたって飾られることもなく、今後も飾る場所もない状態なので供養しました
我が家、娘と3人で暮らしているので
「間違っているよ」と教えてくれる人が居ないのですがでも片づける時は必ず3人で相談してます
3人が笑って幸せに暮らせる場所を作りたいと思います
今年あったいやなことは、今年に捨てて(これは、捨てれるかな・・・)新年を迎えたいと思います。
先生も、よいお年をお迎えください。
本当に、ありがとうございました。