◎「アカメが斬る!」(全24話)
期待はしていたのですが、1話、何かが違う。CMとかからしてシリアスだと思って見たら、シリアス+コメディ、しかもコメディが中途半端に感じたからかも。で、気持ちを切り替え。
5話でエスデス将軍が出てきたあたりから、うまく切り替えができました。
全体として、特に後半、メインキャラが遠慮なくやられるダークファンタジーで、帝具(48個ある超兵器。)使いによるシビアな戦いと、少しのコメディがとても良かったです。
帝国の腐敗と圧政に対抗する反乱軍の暗殺部隊であるナイトレイドとして、帝国の「悪人」を含めた「悪人」を暗殺するアカメ達。そういう自分達も善人ではなく「悪人」であることを認識しているところは良いですし、ナイトレイドに殺された側も自分達なりの正義を実践しているわけで、100%の「悪人」というわけではないというところも良いです。絶対的悪も絶対的正義もほぼない、という当たり前すぎるくらいに当たり前の話ですけれど(これって、一神教の世界の人には分かりにくいのかなあ・・・)。
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写真は秋葉原ゲーマーズにて。
○ 5話から帝国の最強の将軍、エスデス(cv明坂聡美)様が出てきてからは、シリアスとコメディの切り分けがスッキリしてとても楽しめました。シリアス系で通すならエスデス様がコミカルではダメですが、ほど良いコミカルとシリアスなキャラとしてシリアスとコメディをつなぐ感じ。
○ さて、ド エスデス様の超ドSっぷりと平気で人を殺す狂気、師匠を殺したナイトレイドを憎み殺すセリュー・ユビキタス(cv花澤香菜)の狂気、この対比が面白かったです。
エスデス様は、娯楽として猟奇的でドSなことをしているので本当の狂気という感じが少なく、コメディもありのこのアニメのコメディ的な要素を踏まえた狂気であり、一方、セリューは、普段の優しく善人な声と表情がナイトレイドに対すると本当の狂気に変わるという、自分がしていることは絶対的正義だから自分が狂気になっていることに気づいていない狂気という、このアニメのシリアス的な要素を踏まえた狂気であり(特に6話。シェーレ(cv能登麻美子)がセリューにやられて、能登さんがここでということはそういうことで、このアニメはそういうアニメだということを強く印象付けられました。以後はそんなシーンばかり・・・ですがそこが上手く描かれていました。)。
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写真は秋葉原ゲーマーズにて。
さて、明坂さんを「あけこ」と言うファンが多い気がしますが、私は何となく「明ちゃん」と言っています。伝説(?)のバラエティー番組、「明坂聡美の『明けテレ』」(あけてれ。2011年に、何故か3クールも続いた、1クールで終わるなと思いながら3クールとも見てしまった、TOKYO MXの番組です。)の影響かも。
で、明坂さんは、ツイッターで悪態みたいなことを結構つぶやいていますが、実はひねくれているだけの小心者で、かつ、かなりの程度まではやってしまいますが最後まではふっきれないという(少しばかり中途半端、とも言う。)、ひねくれているだけで善人だと私は思います(明けテレやツイッターやイベント等で見る限りでは。)。エスデス様は、そんな感じの声でもあると思います。
花澤さんの性格は分かりませんが(かなり好きな声優ですが、TVやラジオはあまり見ていないので。)、元は俳優だったことから演技はお手のものでしょう(ドラマ「怨み屋本舗」(2006年)の9話での、病床で発作を起こして死ぬ演技も含めて、普通にいけると思いましたし(2015年1月にスカパー!で再放送していましたが、概ね花澤ヴォイスでした。)。
当時、メインで出ていた他の女子高生役の俳優よりも、普通に可愛いし普通に上手いし、ここで死なすのはもったいない、と思ったのは内緒です。)。
○ さて、7話で「恋をしたい」と皇帝に言い出したエスデス様はタツミ(cv斉藤壮馬)を見初めてしまい、9話で首輪を付けて連行し、10話でベッドであれこれしようとしますが、、、、、明ちゃん、それはダメだよ、、、、、その日は何もせず、別の日に逃げられてしまいますが、、、、、明ちゃん、それは逃げられるよ、、、、、そんな、言うことを聞かないタツミに一層惚れてしまい、、、、、明ちゃん、あまり結婚結婚てツイートしない方がいいと思うよ、Twitterを「旦那キャッチ明坂」にするなんて、しない方がいいと思うよ。。。。。
つまり、明ちゃん、高望みしていないで、ファンでも誰でもいいから、目をつぶって触った人と早く結婚した方がいいよ、、、、、じゃなくて、エスデス様の活躍をまた見たいです。あの世での後日談でもいいです。
○ 19話。マイン(cv田村ゆかり)vsセリュー(cv花澤香菜)。自分の正義に酔って自分の正義以外は悪としか考えない狂ったセリューの、花澤さんの狂った演技と優しい表情の演技の対比がセリューの狂気を強調していていい感じ。
2人で相討ちになりそうな展開でしたが、タツミに助けられて辛くも助かったマイン。
でも、やっぱり最後は、死ぬ前振りのような、タツミとの会話でしたね。タツミへの思いを秘めたマインの、田村さんの演技も良かったです。
21話で、好きなタツミに口づけをしてから死んだのは、マインの言葉通り、本当に勝ち組だと思っていた、と思いたいです。 思っていいんですよね?。
○ 22話。姉vs妹、アカメ(cv雨宮天)vsクロメ(cv大橋彩香)。以前の戦いの傷が癒えないクロメは負けると分かって挑んでいますし、アカメは、それを分かっていますし、クロメの覚悟も分かっていますし、アカメへの羨望が恨みに転じた気持ちも分かっていますし、アカメへの愛情表現がこういう形でしか表せないクロメの気持ちも分かっていますし、とてもセツナクやるせない戦いでした。
戦い終わって、そのまま雨宮天さんが歌うED曲「月灯かり」(セツナイ曲で、アカメとクロメの姉妹としての少しの笑顔もある絵。)にいけば間違いなく泣いていたのに、皇帝(cv大地葉)とオネスト大臣(cv石井康嗣)の悪巧みを挟むとは。
その部分はED曲後でも良かったのではとは思いつつも、このアニメを泣かせるアニメに堕(だ)してしまっては価値が下がりますので、これで良いのでしょう。
限定版、通常版、アニメ版のCDジャケット。
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○ 最後はエスデス様とタツミの対決でタツミが勝つのかと思って見ていましたが、タツミは死んでエスデス様とアカメによる最終決戦。そう言えばアカメが主役のアニメですしね。
でも、エスデス様は死んだタツミに微笑んで寄り添って、くだけて空に舞っていったので、幸せだったでしょう。恋や愛が分からないエスデス様でしたが、最後は図らずもそれを実践してしまったのですから。
敵味方問わずメインキャラやそれに準ずるキャラがほとんど死んでしまい、そんなに死なせなくてもとは思うものの、裏稼業や戦いの非情さや現実感というものはより伝わりやすくなり、物語としてはとても良かったです。
何も報われずに死んでいったキャラは可哀そうでしたが、最後は微笑んで死んでいったキャラもいて、それも裏稼業や戦いの非情さや現実感というものはより伝わりやすくなり、物語としてはとても良かったです。
それらのダメ押しが、元は帝国の将軍であるナイトレイドのボスのナジェンダ(cv水野理紗)は新しい政府を支えるために働くことになった一方で、合意の上、ナイトレイドの悪評をアカメがすべて背負って、生死を問わずとして指名手配されるラスト。
フィクションに救いがある必要は全くありませんが、救いがあるのだか無いのだが、やるせないです。
アニメジャパン2014にて。
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【shin】