◎最終章「亜人 -衝戟-」、2016年9月23日から10月13日まで公開、119分。
総合評価3.9点(5点満点)
「日本アニメ史上、類を見ないスピードとスケールで繰り広げられる戦闘。敵と味方がめまぐるしく入れ替わり、人間関
係が交錯するスリリングなストーリー。」
「TVシリーズとはひと味違う、アクションに重点を置いたシャープな演出と、劇場ならではのハードな音響効果が作品を盛り上げる。」
「アニメーションの枠を越えた、重厚感のある本格バトル・サバイヴ・サスペンスを、劇場のスクリーンで堪能せよ!」
(HPから。)
第1部「亜人 -衝動-」(2015年11月27日公開)、第2部「亜人 -衝突-」(2016年5月6日公開)に続く最終章。
原作コミックとは異なる展開、結末だそうです。
永井圭(cv宮野真守)、戸崎優(とさき ゆう)(cv櫻井孝宏)、下村泉(cv小松未可子)、中野攻(cv福山潤)、オグラ・イクヤ(cv木下浩之)、平沢(cv宮崎敦吉)、曽我部(cv鈴村健一)、
海斗(かいと)(cv細谷佳正)、永井慧理子(cv洲崎綾)、琴吹武(cv斉藤壮馬)、
佐藤(cv大塚芳忠)、田中功次(cv平川大輔)、奥山真澄(cv吉野裕行)など。
○ 終始重苦しい雰囲気で、佐藤らと永井らの亜人のIBM(黒い幽霊)同士のバトル、頭脳戦、自衛隊なども時々。
・佐藤はワクワクするから、難易度が高いほどワクワクするから亜人の人権を口実に亜人を集めて日本政府に戦争を仕掛けているわけですが、口実なのでその実はテロ。行動原理は分かりやすいです。
静かな生活をしたい永井があそこまで執念深く佐藤を捕まえようとする行動原理は分かりにくいです。そもそも、医者になりたい、立派な人になりたいという成績優秀な優等生の永井ですが、そうなりたい人が静かな生活をしたいと言うのは、少し違うのでは。そうなるということは、静かには生活できないのでは、一般のサラリーマンに比べれば静かには生活できないのでは。
まあ、でもそこはそういう設定ということで気にする必要はないでしょう。
・佐藤が永井に対して、自分と同じだと言いましたが、永井は強く否定しましたが、政治的な極右と極左の行動原理がほぼ同じであるように、2人はほぼ同じ、コインの裏表でしかありません。
・バトル、頭脳戦は息もつかせぬ展開でとても良かったですが、全体としても良かったといえば良かったのですが、最終章でも亜人の存在理由のようなものが描かれず、頭脳と肉体のバトルアニメになっていて、そこが物足りなかったです。
しかし、後でHPを見たらそもそもそういうコンセプトでしたから、目的は十分果たしている映画です。
原作は完結していないので仕方ないのでしょうけれど、とは言え、映画3作もかけてここまでの物語で終わるのでは、今一つスッキリしません。そこを気にしなければ、4点は超える面白さです。
○ 海斗と琴吹武、そして平沢がいい味出していました。
海斗は相変わらずお人好し過ぎですが、海斗がいなければ永井はクズから抜け出すことはできないでしょう。
琴吹武の、冷めているようで仲間思いの静かさは、永井の気持ちにスーと入っていく感じ。
平沢の淡々としていて、永井をさりげなく支えるところも。
一方、中野は相変わらずバカで五月蠅くて、映画館の前席を蹴飛ばしたくなりました。
○ アメリカをわざと敵にしてさらに楽しもうという佐藤、仲間にわざとケンカを売るようにして離脱を促す佐藤、遂に離脱する仲間たち。田中だけは残りましたが、腐れ縁でしょうか。
・奥山が佐藤の居場所を永井らに教えたことを想定外と佐藤は言いましたが、そこはあり得ないでしょう。そのくらいの想定ができないほどバカとは思えません。
でもまあ、そういうことにしておきましょう。
・政府が企業に化学兵器を作らせていたのでしょうが、佐藤が日本国民すべてを数回殺せる量の化学兵器を盗み、それを元に日本を明け渡すことを要求。アメリカは極東有事として軍事介入の口実にしました。
アメリカが、東京の地下に隠れる佐藤を捕まえるために化学兵器を地下に散布し、それにより数万人の一般人が死んでも構わないという作戦をたて(避難させると佐藤に気づかれるから、避難させず、佐藤のせいにする。)、日本政府は断れませんでした。
時間まで佐藤を捕まえるために奮闘する永井ら。
隠れ家についた永井が佐藤にそれを告げると、信じませんでした。ここくらいは、あり得ます。
○ 佐藤が捕まり、亜人保護法が成立して永井も自宅付近を普通に歩いていましたが、顔と名前が全国に知られている永井とすれ違っても普通でいる女子学生というのも却って不自然。話に夢中で永井に気付かなかったということにしておきましょう。
内心では永井や亜人への恐怖感を持つというのが、人間の感情としては自然です。
○ 佐藤が捕まってアメリカに移送される途中で逃げ出したものの、まだ一般には秘密。
永井はまた戦う気の表情ですが・・・静かな生活をしたいなら、好きにやらせておけばいいのに。
【shin】
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shin
うっちー
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