クロジ第15回公演「きんとと」、2016年8月24日(水)から28日(日)まで、全労済ホールにて、全8回公演のうち4回(26日夜、27日夜、28日昼夜)観劇しました。
きんととは金魚のことで、水槽の中のきらびやかな金魚(=男娼、遊女)、水槽の中でしか生きられないきらびやかな金魚ということでしょう。
2009年の再演で、脚本を改編し、登場人物も増やしたとのことで、初演は見ていませんが、棗と嶋を増やしたことにより、物語に厚みと深みが出たものと思います。
少し話が省略されているところやそこの場面転換に少し不自然さはあれど、物語の内容としては分かりますし、心理描写はあまりありませんが気持ちの変化の理由は理解できますし(無邪気な棗が、遊女というものを理解して、恋(のようなこと)をして、逃げ出したくなるところとか。)、話が広がりすぎていませんし、15人それぞれの役割が生きていましたし、良かったです(細かいことを言えばキリがないですが、舞台はナマですから、ナマの楽しさも味わうべきと思います。)。
(希望があるから絶望があるとも言えますが、)きらびやかに見える/希望があるように見える(特に、売られてきたばかりの棗にとって。)娼館に希望がないところを描きつつ、萩泉と結婚した睦が、萩泉が死んでも、「でも、寂しくないよりいいです。あの人がいてくれたってことだから。」と言ったように、小さくても希望があるから今と未来を生きていけるという、希望の必要性をうたった物語でもありました。
なお、500人入るかどうかという劇場でしたが、マイクを使わないので、小声で話すと客に聞こえにくいからある程度大声でセリフを言わないといけないのでしょうけれど、そこが一本調子に感じました。
とは言え、演劇はほとんど見ないので、妥当な感想かは分かりませんが。
演出・野坂実
脚本・森悠(木村はるか さんの脚本の時の名前)
人気の男娼の萩泉(藤波瞬平)、
顔に火傷させられた遊女の睦(福圓美里(クロジ))、
一番人気の遊女で木澤に身請けされる玉菱(三石琴乃)、
玉菱に依存しているくらいに慕っているバカな はま乃(木村はるか)、
12歳で売られてきた遊女見習いの棗(伊藤かな恵)、
ときどき脱走しては捕まっている男娼の雪路(阿部敦)、
元売れっ子遊女で若槻の妾で娼館を仕切っている常葉(松崎亜希子(クロジ))、
元華族で金持ちで、道楽で娼館を経営している若槻仁太郎(前田剛)、
娼館の番頭で睦の火傷の原因を作った泰介(三原一太)、
戸塚に連れられて萩泉にはまってしまった軍人の日下憲夫(大髙雄一郎)、
軍人で常連で個室では暴力をふるうことが多い戸塚佳正(栂村年宣)、
造船業で金持ちで常連で玉菱を身請けする木澤周二(楠見尚己)、
日下の新妻で日下の娼館通いを知って悩む日下とう子(藤田咲)、
日下家の使用人で日下の幼馴染で仲良しの芝田(平川大輔)、
棗を描く画家見習いの嶋(佐野功)。
藤波さん、所作が綺麗でしたね。
睦の火傷は、本番では逆側でしたね。
劇場の外から。
○ 座席は4回とも10列目以降でしたが、舞台いっぱいに場面が同時展開されるので、10列目以降のほうが全体が見えて良かったと思います。
特に、藤田さんが左右真ん中の席のうちの左右の6列目と7列目の間の通路で芝居をすることが多く、7列目が最高だとすればその少し後ろですから文句を言ってはバチが当たることでしょう。
一番端の席になったことがあって、下を覗いてみると、藤田さんなどの頭頂部が見えたり、これから出ていくときの格好(帽子を頭の上にして顔を隠す格好。)で待つ藤田さんが見えたり、それはそれで得した気分でした。
なお、走ることが多かった藤田さんや平川さんですが、客からは見えない位置にいるのに、出入り口から出るまで走っていました。
歩いて出入りする役者も、動作だけではなく顔を含めて最後まで演技をしていたことでしょう。
○ 脚本の森悠さん、性善説なのでしょうかね、悪人が出てきません。(私は性悪説ですが。)
軍人の戸塚は結構高い階級の様子ですが、スケベで遊女に暴力をふるいはしますが、憎めないという位置づけですし、萩泉に殴られても、殴られちゃった旨を笑顔で言ったりするなど、偉ぶったところはありませんし(この辺は台本にはない)。
話し方は一番穏やかなのに一番腹黒く見えた若槻も、とても腹黒いし、遊女たちをいやしいと思っていることは確かでしたが、火事では常葉をさっさと置いていくのかと思ったら最後まで一緒に逃げようと説得していましたし。
木澤はスケベで娼館の常連ですが、身請けした玉菱のことを大事には思っているようですし。ただ、最後(玉菱が木澤を罵倒して、連れ戻せなかったとき。)に娼館を出ていくときに、男尊女卑であるところが出ましたね。
はま乃のバカさには、呆れるしかありませんでしたが。
○ 特に気になったのが、最後の火事のシーンでの萩泉と睦だけのシーンで、顔の火傷のことを冗談ぽく話す睦。
火事が起きてからも各カップルがシリアスな演技、シリアスなセリフだったのに、ここだけ言い方がコミカルになっていたこと。ここで笑いを取るというのは、流れを乱すのではないかと。
26日夜よりは千秋楽の28日夜の方が言い方のコミカルさは抑え目になった気はしますが。
○ 26日夜の客はほとんど笑わず、クスリとしている私が変なのかと思いましたが、27日夜の客はよく笑い、客によって違うだけだと思い、28日の客はその中間くらいだったでしょうか。
私が見た4回では、26日夜だったか27日夜だっかただけにカメラが入っていました。
終演、普段は2回の挨拶でしたが、千秋楽の2回目は役者を福圓さんが紹介し、ありがとうございます、といった一言を各自、拍手が続いて3回目の登場に戸惑う福圓さん。
○ パンフレットはもとより、台本が買えるのも便利です。
読み込んではいませんが、セリフが変わっていたり、シーンが落ちていたり変わっていたり、練習しながらより良いものにしていっているようで。
例えば、とう子が持ってきたお金を娼館に置いていきましたが、泰介が懐にいれたところでは笑いが起きていましたが、そこは台本とは違うところでした。
TVアニメでも台本を売ればいいのにと思っていますが、もっとセリフが変わっていそうな気がするので、そこを直す手間を考えたら、それほどの数は売れないでしょうから、利益が出ないでしょうから無理でしょうね。
○ 緒方恵美さん、豊口めぐみさん、水樹奈々さんなどからのフラスタなどもありましたが、私としてはこれだけ載せておきます(1枚目は26日、2枚目は28日。)。
艦これからのは、最終日の28日から出ていました。さっきぃ提督に対し、きんととが終ったら、直ぐに艦これ夏イベントをやれというお達しなのでしょうか。
29日のさっきぃブログでは、29日から夏イベントにとりかかると書いていましたけれど・・・文面からは、期限までにクリアできそうにない様子でした。
【shin】
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