2016年冬アニメの感想の続きです。
◎「灰と幻想のグリムガル」(全12話)
総合評価3.9点(5点満点)
突然、目覚めたらグリムガルという冒険の別世界に送り込まれていて、記憶もなくなっていて、戦う才能に欠けるし考えは甘いしで生きるのもやっとなところ、いくつかの危機を乗り越え、友情だか愛だかも芽生え、協力して、戦い、何よりも生きていく物語。
絵や話し方などがのんびりと、やわらかい雰囲気で、かなりいい感じでした。音楽も雰囲気に合った上質なものでしたし。
しかし、4話途中までが同じようなことの繰り返しで飽きましたが、そういう描き方というのは中盤からの緊張感への助走として有りですが、ラストで、人並みの努力と才能の主人公が何故か突如強くなったのは、それまでのこの物語の否定のようで、いただけません。続きがあれば、納得のいく理由が見られるのかもしれませんが。
説明がない中では、むしろ、強い魔物を倒せなくて、命からがら逃げ、次こそは、というところで終わった方がずっと良かったです。
強くはない普通の人が、迷い悩みもがき、犠牲を出しながらも成長し、ギリギリで生き抜いていくアニメかと思ったら、結局はそういうことでは、絵や雰囲気以外はよくあるアニメのようでねえ・・・。
3話まで見たときは2点、11話まで見てからは4.5点かそれ以上かなと思っていただけに少し残念ですが、見る価値はあります。
ハルヒロ(cv細谷佳正)、ランタ(cv吉野裕行)、マナト(cv島崎信長)、ユメ(cv小松未可子)、シホル(cv照井春佳)、モグゾー(cv落合福嗣)の6人が最初のパーティ、途中から加わるメリイ(cv安済知佳)のほか、レンジ(cv関智一)、ゴブリン(cvゴブリン)など。
こういう柔らかい雰囲気が良かったです。
実際のアニメでの絵はこうではなく、2枚目以降の絵なのですが、雰囲気として。


1話でのメイン6人。


6話でのメリイ、まだ表情が硬いです。

9話でのメリイ、休日ということもあってか、少しリラックス。
ユメは爆睡中。

○ 1話。グリムガルでは義勇兵として魔物と戦うか、町で細々と生きるかを選べますが、迷ってグズグズしているうちに、残った6人でパーティを組んで義勇兵に。
魔物を倒してお金を得て、それで食糧を買ったりしないといけないものの、強くてリーダーシップのあるレンジができそうな人を仲間にしたので、ハルヒロらはできの悪い者ばかり。そのため、弱いはずのゴブリン1匹を6人がかりでも倒せず。
全体的にまったりした雰囲気で、バトルも、まだまだ弱い6人ですからどうってことはなく。
○ 2話。ようやく1匹を倒し、身に着けていた銀貨や動物の牙を売って一安心。
しかし、皆へっぴり腰で、動きもバラバラ。1対6だったから、なんとかなったといったところ。
ゴブリンは必至で逃げようとし、相手を殺そうとしましたが、6人にはゴブリンを殺す覚悟ができていないということも明確になりました。
殺す覚悟がないということは、生きる覚悟がないということであり、死ぬ覚悟もないということです。(なお、6人には殺さない覚悟もありません。殺さないということは自分たちが死ぬことか、誰かのヒモになることか、誰かの家来か使用人にでもなることか、町で細々と暮らすことと同じです。)そこはイライラするところでもあり、現実世界にはそういう人の方が多いのですから、現実感を味わえばいいところでもあります。
ゴブリンを殺してヘタレてしまい、まだ日は高いのにその日は解散。
そうやって成長していく話でしたね。
○ 3話。下着も服も買う金がないから、夜に洗って朝には着るという生活。パンツがほしいとつぶやくハルヒロというのも、やけに生活感があります。
眠っているゴブリンを倒すなど、セコイ手で何とかお金を稼ぐ6人。まだまだ弱いですが、お金でアイテムが買えるようです。
皆の迷惑者で和を乱しますが賑やかなランタがいなければ変化が少なくなり、面白味もないでしょうね。
とはいえ、好きになれるキャラではないですが。
シホルの極度の人見知りだか男性恐怖症は見ていてイライラするだけですし。
○ 4話。5人が頼り切っていたマナトが死亡。連携も取れてゴブリン3匹までは勝てるようになり、4人でも大丈夫じゃないかと軽口をたたいていましたが、体の大きいゴブリンもやってきて、逃げる中で背中に矢が。治癒魔法を持っているのに使い果たしていて、間に合わず。
号泣、悲しみの5人。いまひとつ同情や感情移入できないのは、これまでの話に乗れないから。
でも、もっと先の話を見て振り返れば、これまでの話もいい助走になっていましたね。
○ 5話。マナトの死から先へ進めない5人ですが、ゴブリンを倒さないと生きていけないのでゴブリンを探しに。
わけあって無口でぶっきらぼうなメリイが加わりましたが、互いになじめず。事情が分かれば対立もしないで済むというものなんですけどね。メリイは話しませんし。
○ 9話。8話でマナトの敵討ちをしたので、休日。みんなバラバラに何をするとも告げずに好きなことをしているのは、仲が良いというわけではないということでしょう。
あまり者同士が仕方なく集まったパーティですからね。みんな一緒だと仲が良いという意味ではありませんが、互いに何をするのかを雑談したりというのもない関係というのは、単なる仕事上の同僚みたいなものでしかないということでしょう。
それがどの段階で友達になるのでしょうか。
○ 最終12話。6人、協力して戦い、助け合い、ちゃんとした仲間にはなりました。
やたらと強いデッドスポット(cv杉田智和)に苦戦しつつ、すごい特訓をしていたわけでもないのに、ハルヒコが唐突に覚醒して勝利。
意味不明です。
○ アニメジャパン2016にて。ゴブリンがいました。



【shin】